基本メニュー画面の攻防
万国共通、安心の半透明青色ウインドウに映るのは基本メニュー画面。
左側は上からHPとMPとコンディション。
一番下は現在空欄になっている特殊パーツになっている。
右側にはメニュー一覧、上からアイテム、装備、ステータス、編成、特殊、オプション。
本当はかっこよく英語表記にするのがセオリーだが、混乱を避ける為ハルトの脳内と同じように日本語表記にした。
ゲーマーは早速おもむろに目玉を転がし満遍なく見通すと、「気になったのだけど、アイテム、装備、ステータスは分かるけどさ、編成と特殊は使い道無いよね?」避けては通れない疑問へと繋がった。
『仲間はいないから編成は無用の長物。特殊はヴァージニアちゃんはロボットじゃないから、キャンセラーとかステルスとか冷却装置なんて搭載出来ないので使えない』
お察しの通り、この基本メニュー画面はヴァニシングライダーそのもの。
即ち、マシーン主体であるためにヴァージニアには殆んど転用出来ない事が今更ながら発覚した。
故に見たところ頼りになりそうなのは、ステータス画面とスキルのみだ。
特殊は手に入れた特殊パーツを装備して初めて生きる機能。
なので、一番左下にある特殊パーツ装備枠は中にノーデータと書かれていた。
それと、ヴァニシングライダーにはレベルシステムは搭載されていない。
パワーアップの手段は手にはいるパーツ交換で性能を上げていくのである。
なので残念ながらヴァージニアがこれ以上、ゲームシステムで成長する可能性はゼロだった。
「ステータスコマンドは詳しい数値と機体の状態を表示か」
機体の装備状態を詳しくモデリングで表示される。
それも、どの角度からもズームインもズームアウトも思いのまま。
それと現在ヴァージニアは一糸纏っていない姿。
つまり、
『…………ステータス見たら私はヴァージニアちゃんに全てをカミングアウトする』
「うわっ!」
ハルトは危機を感じ、押しそうになった手を無理矢理引っ込めた。
『ここ、封印だから。今後覗くの禁止』
「ええ! だって色々状態とか見れなくなるよ」
『また、私から説教くらいたいかな、エロハルト君』
「声が怖いっす。長瀬さん」
こうしてハルトは、渋々ステータスコマンドの封印を余儀なくされた。
アイテムの内訳は薬草三個と、課金アイテムにしかならなそうな、ソンゲン、シャセキ、そしてバクリュウキョウの魔水晶。
後、認識していない謎の???があった。
「これじゃ頼りになるのはいつも通りオプションだけじゃん」
『ああ、ハルちゃんは操作方法を臨機応変に変更するからね』
そう、ハルトはトリッキーなプレイスタイルで名を馳せていた。
その場その場で操作キーなどを変えて、課金勢相手に連戦連勝を何度も死地を乗り越え重ねている。
そして付いた二つ名が変態またはクレイジーだ。