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読者サービス回


 しかし、ハルトの足は数メートル行った辺りで突如ブレーキ。


「…………………………………………………………」


 停止した。

 例えるならば、鳩時計のカラクリ作動中に鳩が出たままゼンマイ切れたように、また何週間も掛けてセーブ無し縛りでラスボスチャレンジ中に前触れ無くブレーカーが落ちた悲劇のように、思考と体と魂が停止。

 次に動き出すのは、何度かコンドルが旋回した後、ご丁寧に頭上目掛けて糞を投下されて、息も止めていた事に気付いた時だった。

 大急ぎで渇望していた肺にHO2を大量補給。


「ぜいぜいぜい!」


 思わず力無く這いつくばりながら、糞の味も混ざっているが改めて空気は美味い物だと実感した。


 しかし、命を落としそうになるも、それでも目を離せられないハルト。

 何故か? 

 そこに男なら全てをなげうっても構わないエデンがあったからに他ならなかった。

 上目使いに見上げる先には――――


 綺麗に切り揃えてある赤みを帯びた爪先、先端をシャープに飾る飴細工のデコレーション。 

 小さく整っている和菓子を彷彿させた足を一層引き立てる。

 

 細いが躍動感がある筋肉がつきすぎていないカモシカな太もも。

 白くきめ細かい肌はまるで精錬されたロールケーキだ。

 美味しそうで思わずかぶりつきたい衝動が起きる。

 もしかしたら中から生クリームが溢れ出してくるかもしれない。


 小ぶりだが見事な曲線を描く臀部も同様。

 今まで水遊びをしていた形跡として、水滴と言う名の濃厚そうな黒蜜が、豊かで柔らかいスフレのようなお尻の表面を優雅に社交ダンスをしていた。


 くびれた腰に意外と華奢な背中、アクセントとして鎖骨が浮き出ている。

 体では根幹の部位だが、フランスパンのような固さは感じず、むしろゼリーのようなキラキラな光沢と噛むと溶けそうな柔らかさがそこにあった。

 残念ながら後ろ姿なのでおへそは確認出来ないが、この均整がとれたヴァージニアの造形ならフィギュアにしたら店頭販売だけで一杯さばけるかもしれない。


 ナポレオンの体を洗っているので、両腕と普段はお目にかけられない脇の窪みが開閉と見え隠れする。

 

 陽光で飴細工のように光彩を放っている髪は太ももまでエリアを拡大していた。

 水浴びをして水分をふんだんに取り入れた結果、見方を借りれば暴れ馬のような癖毛も大人しいポニーみたく穏やかに一直線になっている。

 

 読者サービス回にしては絵画にしたいぐらい荘厳かつ綺麗で、ハルトはあたかも心の闇が全て洗い流される気分を1人味わった。


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