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変な奴に関わってしまった


「お前は一体何者だっちゃ、魔王軍の偵察?」


 ヴァージニアはこの得体が知れない少年に、宇宙人がファーストコンタクトを試みる。


 少年はキョトンとした面持ちで皆を見渡すと、


「魔王? もしかして新しいイベント?」


 ヴァージニアの鎧をペタペタ触り、「それにしても感触があるCGって……、何処まで金のかかった技術使用しているのこれ!? うーん、貧乏人を騙して悪どい課金でメーカーは儲けているということだね」両手でマシュマロほっぺを揉みしだく。


「ぬにつるっぢゃぁぁ!(何するっちゃぁぁ!)」


 お嬢様の絶叫と同時に、「え?」少年に向け一斉に数十の槍が向けられた。


「お嬢様になにするだ」

「このシュレリアの希望なんだべ」

「殺すだよ、幼女趣味に良い奴はいねぇべ」

「だども、生涯貞操を守りそうなお嬢様には良い記念な気もするべ」

 

 最後あたり失礼な事を口にしていたが、「ううっ!」顔をひきつりながらも、血管が浮き出る程度で聞き流す度量は持ち合わせていた。


「えっと本物?」


 夢うつつまでいかなくても現実感を伴っていない危機感がない声。

 状況をまるで把握出来ていないのか、少年は一番若い少女、即ちヴァージニアに尋ねる。

 少年は尖った先に指を置くと、うっすらと血が滲んだ。

 

「幻でも幽霊でもないちゃよ」

「……………………」


 こいつは可哀想な人だっちゃと悟り、優しく語り掛ける。

「なら、」

「ん?」

「なら何故、僕は学校帰りにゲーセンよって全財産を消費してゲームしていただけなのに、ライフポイントまで消費の危機に直面しているのでしょうか?」


 真顔で心境を説明。

 これだけ聞くと色々とダメ人間にしか聞こえてこない。


「何を言っているのか分からないっちゃ」


 内心では、やばっ、関わらない方が良いのではと頭を過る。


「うーん、ここは何処なんですか?」

「ゴルダ平原にある女神の森だべさ」

「シュレリア男爵の領地でこの方はその御令嬢だべ」


 暫く考え込む少年。腰を据えて緑がめくれた地面にあぐらをかく。


「今度はこちらから質問だっちゃ。お前は何者だっちゃ?」


 こんな奇妙な格好をした少年など領内でみたことがないと、全ての領民を覚えているヴァージニアは疑問抱かず聞く。


「何処から来た? もし軍属なら証を立てるだっちゃ」

「僕の名前は神 ハルト。私立千迅学園1年。生まれも育ちも横浜、バリバリのはまっ子だよ。ゲーセンと水族館がおいらの遊び場さ」


 キャッキャッウフフの高校生デビューを想定して千回以上予習マニュアル化した自己紹介、フィニッシュと言いたげに学生証を高らかに掲げる。偏差値が高い名門校を1ヶ月丸暗記で奇跡合格した学生証を自慢げに。

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