表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/264

シューティングスター


『かんらかんら、我らの勝ちだ人間!』


 勝ち誇るシャセキ。

 この間にも部下に目配せして脱出を試みていた。  

 

「…………ヴァージニアさん」

『お前ら、ここから去れ。さもないと私が今度こそ切り刻む』


 怒りで感情を制御出来ないハルトを察して、代わりにヴァージニアが最終勧告をする。

 剣を敵の方向へ突きつけると、


「「「ひいいいいいイ!」」」


 残ったゴブリン兵達は上官を残してこの場から逃亡。

 今から来る危機とここまでの成果で恫喝には十二分の効果があった。


『貴様ら待てぇ! 部隊指揮者を見殺しにするのは三族皆殺しの大罪ぞ!』


 だが、低能のゴブリン達にはそんな事理解出来る筈もなく、シャセキの命令を無視して本能に従って己の命を守る事を最優先。

 加えて目もくれないのは、普段から人望は無いのが窺える。


『あれをどうするんだっちゃ? このままじゃ、ここ一帯火の海だ』

「勿論、お返しする。しかも10倍返しだよ」

『無理だと言いたいが、今のお前なら本当にやりそうだっちゃ……』


 ヴァージニアの懸念は確信となる。

 スキル『カウンター』のレベルをポイントを消費して最大まで引き上げるハルト。

 それでもまだ足りないのか、ずっと押し続けてエラーが表示されていた。


 心配しているからだろうか、凛からはメールがひっきりなしに送られてくる。


『ハルちゃん、絶対に駄目! レベル最大にしたらそっちにどんな影響が出るか分からないよ!』

『後先考えろ! そんなことしたら絶対敵軍に警戒されるんだよ!』

『駄目! 駄目ったら駄目!』

『馬鹿ハルト! 無視するなぁぁ!』


 だが、放置。

 冷静にガチギレしているハルトは、もう、聞く耳を持たなかった。


 弓矢が効果範囲に到達。

 ヴァニシングシステムがカウンターレベルMAX発動を告げる。


 覆っていた火矢の雨は反転。

 レーザービームまたは流星並の速度で持ち主へと帰還した。


 着弾後、暫しの無音。

 まるで夜明け前の静寂。


 刹那、

 四方から鼓膜を刺激する轟音と共に凄まじい土煙が空中を舞う。


 煙が晴れると全方角、強大なクレーターが多数出現。

 まるで隕石が集団で落ちた程、地形が変わっていた。

 勿論、底無し沼も影形残ってはいない。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=263323178&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ