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慎重に事を進める

 

 されどもゲーマーはこうなることをあらかた予測していた。

 頼れる参謀の協力により、今の状況や特性を何倍にも高め嫌が応にもハルトのキャパシティは大きく向上する。

 勿論、身動きがとりにくい空中戦も想定内だ。 


 自動スキル『遠距離射撃回避率アップ』

 自動スキル『致命傷無効』

 自動スキル『遠距離射撃封印』

 自動スキル『運向上』

 自動スキル『風の障壁』


 ほどなくして画面端にテロップが通過する。

 敵の攻撃射程圏内へ入りスキルが自動的に作動。

 遠距離射撃対策として予め入れておいたのだ。

 天才ゲーマーにしては臆病と映るかも知れないが、ワンコイン限りの一発勝負にこれで良いということわりは存在はしないのだ。


 攻撃対象にどんどん接近を続けているがほとんど射ってくる気配はない。

 理由は幾つかあった。

 

 ・逆光を利用している。


 太陽を背にしているので、眩しくてピントが定まらない。


 ・スキルによる攻撃妨害。


 万全ではないがある程度、阻害する事が出来る。


 ・威圧感


 先程まで続いていた空爆で、すっかり敵側へ恐怖を植え付ける事に成功していた。

 アテにしていた弓の一斉射が、スキルの妨害で一層魔物の動揺を誘発している。


 ただ、


『変態! このまま突っ込むだっちゃ!』

「待って、加速していても無茶だよ」 


 またしても相反する心と体もといヴァージニアとハルト。

 ゲーマーサイドとしては対空対策が万全でもまだ躊躇いがあった。

 それはバクリュウキョウ戦で痛感したこと。

 己の腕を過信していたために、長時間ヴァージニアを命の危険に晒していた。

 ましてや王国きっての戦士であるシュレリア男爵が弱い訳がない。

 そこも加味すると決してハルトが臆病風に吹かれた訳でもなかった。

 付け加えるなら、ゲームでは敵の強さと難易度は先に進むほど上がると相場が決まっている。

 ゲーム脳であるハルトは現実でもゲーム思想やセオリーを忠実に守っているので、展開的に相手が弱いという概念はないのだ。

 なのでパワーゴリ押し重視の脳筋とは相容れないのは明白。


 まして、相手は組み上げた盾の壁。

 即席の要塞。

 有名な八門金鎖やファランクスを元にして、現代世界の軍や警察が未だに実践配備している人間が出来る最強の防御陣だ。

 盾が長方形ではなく円型なので耐久力に問題はあるが、緊急の即興にしては定石で手際がよい。

 心理的にも恐怖心が生まれ、押し負けるまたは跳ね返されるイメージがゲーマーの心を蝕んだ。


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