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トラトラトラ


『よし、次の目標捕捉』

「ちょっと待て! また、やるのかだぴょん!?」

『ははははっ! やらいでか!」


 とても怖いこの攻撃方法に抗議めいたニューアンスで伝えるが、ノリノリな操縦者には届いていなかった。


 コーナリングしながらステップを踏んで標的頭上へ停止。

 ヴァージニアはホッピングの要領で剣の先端を下、上に柄を配置し構えて持つと、『シュート!』ハルトの掛け声と共に急降下。


「ちちちちょっと待て!? 待て! まだ心の準備がで―――――――ひゃああああああああああ!」

『いやっほぉぉぉぉぉぉ!』


 歓声と悲鳴、プラスとマイナス、絶叫のユニゾン。

 

 ジェットコースターが子供騙しに感じるぐらいなF1並のスピードに耐えられず、合法ロリの柔らかいぷにぷにの頬がぐにゃぐにゃ歪む。


 騎士は墜ちた。

 その様雷光の如く。

 一直線に敵を頭から貫いた。

 そして天使のように一気に天空へ上がる。


『これぞヨーヨー戦法! ヴァニシングライダーのシステムとスキルの会わせ技さ! 連環の計が出来るのはお前らだけじゃない! これでお前らを必ず倒す!』

「……………死ぬぅ! その前に私がショック死してしまう立っちゃああああ!」


 興奮やまないハルトは熱血ロボアニメばりに意味もなく拳を振り上げる。

 対して空へ舞い戻ったヴァージニアは青ざめていた。


『意外と怖がりなのね』

「何とでも言えだっちゃ! 怖いものは怖い!」

 

 ヴァージニアはこの無情のサデストへ涙目で訴える。

 

『でも、この方法じゃないと僕らは勝てないよ。向こうには知恵者がいるんだからね。相手の意表を突く戦法じゃないと』

「だから変態、私にも分かるように説明しろだっちゃ!」

『はぁ…………うんとね、原理は簡単なんだ。ただ落下してその反動で元に戻る』


 とうとう、根負けしたハルトは自信無さそうに口を割った。


「でも、それだと敵に見つかってしまうだっちゃよ」

『下見てれば分かると思うけど、幸い、捜索の範囲が広がって敵方が連絡取りづらくなっている。ここがミソだよ』

「それでもいずれは気付かれてしまうだっちゃ!」

『そうだね。そこでこのゲームのシステムを利用して時間を止めるんだよ』

「は?」


 途中までは頭がついてきたが、ゲームというワードを出された途端、ハルトが何を言っているのか理解出来なくなった。


 それでもハルト教諭の講義は続く。


 この戦法の肝は操縦席に内蔵しているヴァニシングシステムのギアを上げて、時間の硬直を利用している事であった。

 そこ間に敵を倒す事で更に停止時間が延長。

 更に停止時間延長と先行入力のスキルも併用する。

 この状態で先行入力により待機時間ゼロで、跳躍スキルでまた空へ上がる。

 もちろん時間が止まっているので敵には一切見付からない。

 これが必殺の逆転の発想であった。


 ちなみにダンスの副作用は無敵時間延長による物。

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