表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/37

17話 捕まる

 俺が剣を構えた瞬間、騎士の格好をした男が剣を抜いて、斬りかかってきた。


 速い!?


 メーリスと同等、いやそれ以上の速さだ。

 俺は何とかミリアの前に立って、攻撃を受け止める。

 物凄い力だ。今の俺よりも上かもしれない。

 鍔迫り合いが、押し切られそうだ。

 何だこいつは。

 なぜこんなに速く、そして力も強い……?

【超人化】があるとしか、考えられないような力だ。


 いや、待てよ……?

 相手は四人だが、そのうち二人がシスターの服を着ており、二人は鎧を身に着けている。

 これは……。


 もしかして、こいつら聖女の力を持っている奴と、その守護騎士か?


 そうだったらまずい。

 というか、さすがに勝ち目がない。

 聖女は戦いに参加しないにしても、守護騎士を二人同時に相手にするのは、不可能だ。

 ここは逃げるしか。

 そう考えた直後、もう一人の鎧を身に着けた守護騎士と思われる女が、とんでもない速さでこちらに接近。

 明らかに俺や、さっきの男よりも速い。反応しきれない。

 女はミリアの首もとに剣を当てた。


 ミリアは恐怖で顔をこわばらせ、声を上げることも出来ないようだ。


「抵抗をやめろ」


 守護騎士と思われる女は、俺を睨みつけながらそう言った。


 これは…………もはや抵抗不可能だ。

 俺は力を緩める。

 相手の男も俺に合わせて力を緩めた。


「剣を下に置きなさい」


 シスターの服を着た黒髪の女が、そう指示した。

 俺はそれに従い剣を置いた。


 その後、紐で両手首をくくられる。ミリアは抵抗できないと判断したのか、特に拘束はされていない。


「俺たちをどうする気だ」

「別にちょっと事情を聞くだけよ」

「お前たちは何者だ。聖女と守護騎士か?」

「そうよ。ちなみにアレスト教のね」


 アレスト教の?

 聖女ってのは各宗教に一人ずつしかいなかったんじゃないのか?

 表向きに聖女であると名乗っているのは一人で、ほかにもいるのか?

 そもそも聖女の力を持った女っていうのは、いったい何人いるんだ。


「さて行くわよ」


 俺とミリアを連れて、守護騎士と聖女の連中は歩き始めた。


「とりあえず歩きながら自己紹介しましょうか、私はイリーナ・シャーム、そしてあっちの金髪の守護騎士の女がリリナ・クライセン」


 黒髪の聖女は、イリーナと名乗った。

 そして、もう一人緑髪の聖女が、


「私はトリシャ・レファーナでございます」


 隣の男が、


「僕はロブ・シンバードだ」


 そう名乗った。


「あなたは?」

「……リスト・バノンだ。その子はミリア・アーシア」


 答えるかどうか迷ったが、素直に答えることにした。


「あなたたちには、新興宗教ギャレク教の信者である疑いをかけられているわ。そのあなたたちが大司教に近づいたのだから、彼は危機感を感じて、私たちを使ってでも捕らえさせたというわけ」

「間違いなく誤解だ。ギャレク教なんて聞いたこともない」


 そう言う俺をまじまじとイリーナは見つめて、


「嘘をついているわけではなさそうね。まあその辺はこれから根ほり葉ほり聞いていくわ」


 そう言った。


「誤解だと分かれば、解放してくれるのか?」

「うーん、そうね。事情によればね」


 解放するとイリーナは明言をしなかった。


 そして俺たちは大聖堂へと連れていかれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓ブログ始めました! オリジナル作品を掲載していますので、ぜひ訪れて読んでみて下さい!
WEB小説ニュース!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ