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爆破された少林寺
明末清初の中国
広東
月夜
少林寺
皆、寝静まった闇の中。
いきなりドカーンと爆音が鳴り響いた。
「ムッ」李英風は目覚めガバッと起き上がった。
僧達が次々と境内に出て行く。
「火事だ」
僧達が叫ぶ。
李も境内に出た。
寺の建物の一部が爆破され燃えている。
異臭が鼻について来た。
「何だ、この臭いは」
僧達が消火に当たりながらバタバタと倒れる。
「毒ガスか」李は思った。
「皆、中に入れ」
大師が言うと僧は倒れた者を運び、部屋の中に入って行った。
その時、山頂から望遠鏡で少林寺を見る男達がいた。
「まずは成功だな」男がそう言うと皆、笑った。
「少林寺の奴等め、慌てているぞ。いい様だ。行くぞ」男達は引き上げて行った。