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オタクの僕に恋愛させようとするのが間違いである。  作者: 3ri
第1章 知りたいもの、知りたくないもの
3/13

知りたくないことを知ってしまいました。どうしましょう。

はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。


好きな人に裏切られた気分だぜ……相手側(カノジョ)はなにもしていないのに…


どうしよう。


1.今までと変わらずの内容で話し続ける。

2.僕の正体、知っているよね?と話題を振る。

3.ブロック

4.もはやこの小説自体を終わらせる。


僕の性格上、1と3は無理だろう。

そうなると、2と4になる……


4はまだ3話ってことで、打ち切りには早すぎる。薄い本じゃあるまいし、終わらせてたまるか。


「2、だな…」


早速ダイレクトメールで送るか。


『なぁ』

『なぁに?お兄ちゃん』


既読はやっ!!!夜とはいえ10秒以内で返ってくるのは尋常じゃねえぞ!?


『既読はええな!?』

『お兄ちゃんのは、ちゃんと通知ONにしているもん』

『まあいいやそんなことは。 今日は聞きたいことがあってな』

『? どうしたの?」

『お前、僕の正体知っているよね?かなり細かいとこまで』

『……なんのこと?』

『とぼけてんじゃねえぞ。役作りしやがって。今日俺はある奴から聞いたんだよ』

『お兄ちゃん、怖いよ……』

『いいから黙って聞けや。これが本当なら、僕とイナ…いや、愛衣菜(アイナ)とはもう会話することなんかないだろう』

『………凛から、聞いたんだよね……』

『わかってんじゃねえか。今なら言い分を聞いてやる。さよならはそっからだ』

『……私、悠理君が好きなの』

『クラスでもてはやされているお前が何言ってんだ。まず第1なんでこんな嘘ばかりついてチィッターまでやってんだよ』

『嘘じゃないもん』

『てめえクラスで目立ってるからオタクなわけなんかねえだろ!!!聞いているだけで腹立つなぁ!!』

『……どうやったら信じてくれるの…』

『信じるもなにも、嘘だらけじゃねえか。チィッターの自己紹介も、キャラも、何もかも。唯一本当なのはハンドルネームが本名の一部ってくらいだよなぁ?もう聞きたくねえわ、じゃあな』

『あっ、待って……』


その返信が来たところで、僕は彼女のアカウントをブロックした。


これでよかったんだ………これが、僕の幸せでもあり彼女の幸せにもなるんだ………







寝不足だったからか、今日はかなり快眠が出来た。

土曜日ということもあって、妹も起こしに来ないし、平和だ。

時計は朝の9時を指している。だが、その時計の針に刺されたかのように、心には穴が空いたような気分になっていた。


「なんなんだよ、この気分……」


朝飯でも食ってごまかすか……





僕は下の階の居間に行き、台所の横にある冷蔵庫からメロンパンを取り出す。


「うまい……」


ただそれだけが感じることの全てだった。それ以外、何も感じなかった。




部屋に戻る。


「暇だ…」


また口ずさんだ感情だけしか、頭になかった。

暑いはずなのに。窓を開けたいはずなのに。出かけたいはずなのに。暇という感情だけしか頭に出てこなかった。


「出かけよう!!!!」


暇という一つの感情を押し殺すかのように、僕は叫んでいた。






来たのはいつものゲーセン。ここくらいしか来る場所がないんだよ。

「いらっしゃいませこんにちはーいらっしゃいませこんにちはーいらっしゃいませこんにちはー」

「ブックオブか」

「なんか元気ねえなぁ。元々辛気くせえのに、いつもに増して辛気くせえぞぉ?」

「店長には関係のないことだよ……頼む、そっとしといてくれ……」

「お、おう……」


いつも通り、ドンクロの場所に向かう。


今日は誰もいない。

いつもなら連コし放題だとか言って喜びまくるのに、何故か喜べない。気分の影響だなこりゃ。


1クレ。

2クレ。

3クレ。


いい記録は全く出ない。どうしたんだろ、普段出来るとこが出来ない……


「もう、帰ろうかな……」


と思っていると、遠くから見覚えのある顔がこっちにやってきた。


「こんにちは、お兄ちゃん」

「おお、りんちゃんじゃないか、俺はもう帰るぞ」

「だめ!」


帰ろうとした僕の手首をつかみ、僕を帰らせんとする。


「今日は話さないとだめな人がいるの…」

「……は?」


と言った後に、りんちゃんが指差した方向を見る。

そこにいたのは、入り口のドアから半分顔を出した、イナこと、愛衣菜だった。


「なんであいつがこんなところにいるんだよ」

「話さなきゃ、だめ……」

「俺はあいつとは一切関わり」

「もってるでしょ!!いくら同級生が嫌いだからって、理不尽に縁切るのはダメだと思う!!」

「り、りんちゃん……俺は同級生と縁を作ってはいけない存在なん」

「違う!!お姉ちゃんはお兄ちゃんの同級生じゃない!!!………………大切な、大切な、友達義兄妹(きょうだい)でしょ……?」

「………………連れてこい」


そう呟いた後、りんちゃんは愛衣菜を僕の目の前に連れてきた。


「人が少ないとはいえ、公共の場所で言い合うのは良くない。個室に行こう」


そうして僕はゲーセンに付属しているカラオケボックスに入ろうとする。


「シャッセ〜、あ、ゆーりじゃん?なに?カノジョの姉妹連れて3P?」

「………そういう気分じゃねえよ林さん…3人2時間で。機種はなんでもいい」

「あ……あいよ…楽し…んで…?」


そう言うカラオケ担当の林さんは部屋を案内し、おしぼりを配布し、個室から出て行く。




「………話してみろ」

「お兄ちゃん、いや、シナくん……私がどうして音ゲーマーや、アニメオタクになったか知ってる?」

「わ、わからん……まず、愛衣菜の話じゃなかったのか…?」

「聞いて。こうなったのはお姉ちゃんの影響なの。だから、DM(ダイレクトメール)でお姉ちゃんが言ってたことは全て本当なの」

「愛衣菜がオタク…って話か?」

「そう。お姉ちゃん、クラスで目立ってるけど、影ではシナくんと同じような趣味を持っているの。だから、シナくんの気持ちはすごくわかっているんだよ?」

「でもお前は同級生……会話なんて俺としちゃいけねえ…」

「……………そんなプライド、持たないで……」


ここに来て初めて愛衣菜が口を開いた。

立ち上がり、一歩一歩、ゆっくりと僕に近づいてくる。


「昔から悠理君と話したくて…でも、タイミングがなくて……」


小さな声をしぼりつつ、愛衣菜は僕の隣に来て、座る。


「妹がチィッターやってるってことを教えてくれて…フォローされた時は……とても嬉しくて……つい、ずっと会話しちゃって……」


涙目を浮かべている愛衣菜。声も少しずつすすり声になってきている。


「好きなの……ゆう、り…くん……」


愛衣菜は僕の胸に抱きつき、涙を流していた。


「………………」


僕は何も言わず、愛衣菜の頭を撫でていた。


「甘えんぼで、気が弱くて、誰かといないとかが不安になる愛衣菜さんよ。お前は本当に『イナ』だったんだな……」


イナは作り物ではなく、彼女の素であったのだ。

僕は彼女を傷つけた。だから今は……癒さないといけない。

せめてもの罪滅ぼしだ。


「ごめんな、愛衣菜……」

「また、おはなししても、いーい?」

「ああ、いいぞ。好きなだけ話してきてもいいぞ」

「……ありがとう…」


愛衣菜の表情が、笑顔に変わった。

笑顔っていいよね。人の可愛さを最大限に表現できるものだと思うよ。


しかし、僕らは1人の存在を忘れていた。



「り〜あ〜じゅ〜〜う〜〜SHI〜〜〜NE〜〜」

「「りん(ちゃん)!?」」


「私も混ざる!!!!」


と言った瞬間、僕の空いていた左隣に座ってきて、左腕にしがみついてきた。


「お兄ちゃん〜♪」

「………んぬぉぉ……」

「凛、ずるい!!」


そうすると今度は愛衣菜が右腕にしがみついてくる。


「おおおおおおお!!!」

「「せーのっ」」

「おぉ!?」

「「お兄ちゃんっ♪」」


そう言って2人とも頬ずりをしてくる。なんという感触。そして2人ともおっぱい!!おっぱいが!!!なんということでしょう!!!

そう、2人ともバカみたいにおっぱいがでかい。

愛衣菜はまだいいとしてりんちゃんはこれ小学生のおっぱいじゃねえ……!!


「おっぱい!!おっぱい!!!!」

「どうしたの、お兄ちゃん…?凛のおっぱいほしーの?」

「いいや、愛衣菜のが欲しい……はず……」

「はっ!?僕は何を………??」


時すでに遅し。その時にはもう、2人のおっぱいで顔が埋められていました。


めでたしめでたし。はっぴーえんど。




いや終わらねえよ!?まだ3話だよ!!打ち切るにははええって言ってんだろ!!!

さんぴー……

友達義兄妹できょうだいって振る奴、滅多にないですよね。

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