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オタクの僕に恋愛させようとするのが間違いである。  作者: 3ri
最終章 あなた達を知る…決める為に。
11/13

さようなら、隠居と飛躍の年

 今年ももう終わる。

 本当は12月24や25日に何かしたかったのだが、皆それぞれ用事があったようなので何もすることができなかった。

 なので、今日は僕の家で皆集まり、年越しを迎える。

 親も承諾してくれた。むしろ驚いていた。

 そりゃそうだろう。引きこもりの僕が友達、しかも全員女を連れてくるのだから。


 愛衣菜とりんちゃんは親がいない。

 葵は親元にいたくない。


 そういう理由で皆、来ることができた。

 さぁ、妹も混じり……何が起こるのだろうか今日は………









 時は16時。そろそろ皆がやって来る時間だ。


 ピンポーン。


 早速きたのかな?

 僕は玄関に向かう。


「悠理くんやっほ〜」


 先に来たのは葵だった。


「いらっしゃい、ゆっくりしていってね…荷物は僕の部屋に置いてね」

「わかった!おじゃましまーす!」


 元気にダダダっと階段を登り僕の部屋に向かう葵。

 ほんと、子供みたいだな………、でもそういうとこが可愛いんだよな。

 僕も部屋に戻った。

 すると、葵は僕のベッドに潜り込んでいた。

 更に、がばっ!と僕の布団を抱き枕のようにし、物凄い勢いで匂いを嗅いでいた。


「悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん悠理くん……くんくんすんすんくんくん」


 …怖い。


「お、おい葵……?」

「悠理くん悠理くん悠理くん………はっ!!!!」


 ようやく僕の存在に気付く。

 葵は顔を真っ青にし、汗をタラタラと垂れ流す。


「……………今の……見てた…?」

「もちろん、最初から最後までな」

「………………帰る」

「ダメだ」

「やーだー!!!」


 僕も葵のいる自分の布団の上に飛び込む。

 そして葵から布団を剥ぎ取り、そのまま優しく抱きしめる。


「本当に帰っちゃうの…?」

「…………やだ…」

「じゃあもうそんなこと言わないで、な?」

「……うん…」

「なかなおりのちゅーしたら許してあげる」

「……!!!!!…いいよ、してあげる」


 葵は真っ青から真っ赤にシフトチェンジ。ゆっくりと僕に顔を近づける。


 そうして唇同士が触れ合う。


「……んっ…」

「んん…………んんっ!?!?」


 僕は半分無意識に舌を入れ始めていた。

 葵もそれと同時に舌を絡め合う。


「んんむっ………ゆう…りくん………っ」

「あおい………っ」


 10秒、20秒と時が過ぎる。

 あまりにも早すぎた時間だった。


「悠理くん……でぃーぷきす、好きだよね………?」

「な、なんのことかなぁ???ははは」


 図星だった。しかもあまりにも下手すぎる隠し方をしてしまった。


「……なんのことかわからないなら、もうしな……んぁっ……」


 しないとは言わせない。口封じのごとく濃厚な接吻を始めていた。


「はぁ………はぁ……」


 葵はかなり苦しそうにしていた。


「もーばかぁ……っ」


 そっぽを向く葵。

 …よし。


「くんくんすんすん葵たん葵たん葵たん葵たん葵たん………」


 僕はさっきの仕返し気味に、葵の髪の毛の匂いを思いっきり嗅いでみた。シャンプーの匂い…………いい匂い……


「へんたい!!!きゃーーへんたい!!!犯罪者!!!ロリコン!!!」

「仕返しだよさっきの……あと聞こえるだろ、しっ」


 葵の口を塞ぐ。んーっんーっとうなる葵。


「愛してるよ、葵」


 冗談がましいラストヒット。

 葵は真っ赤な顔を更に赤くしていた。

 もはや血液なんじゃねえか?


「ふしゅーーー………」


 気が抜けてしまった葵。意外とウブなんだな……

 というより葵の扱いにだいぶ慣れてきたかな…?




 ピンポーン。



 我が家の呼び鈴が鳴る。しかし、親か妹の誰かが応対してくれたらしい。

 僕はこのまま少し眠ろう………


 この時は、愛衣菜とりんちゃんがまだ来ていないということを、完全に忘れていた。


 時過ぎること3分。


 ドアが開き、持ち物がガサッと落ちる音を聞いてしまう。




 そこには、愛衣菜、りんちゃん、悠花のオールスターがいた。


 僕、葵と一緒の布団で寝ています。


 彼女らは何を思う?

 口を開きっぱなしの彼女達。


 数秒すると、後ろ歩きで去っていく彼女達。


「どこへ………いく…?」

「帰ります」

「えっ?」

「葵ちゃんの………責任取るんだよ…?」

「お前は大きな誤解をしているぞ愛衣菜!!!」


 愛衣菜に白い目で見られる僕。

 白い目で見ているのは愛衣菜だけではないことに気づいてはいない。


「ゆーにぃ……へんたい」

「俺は何もしていな……へぁっ!?」


 悠花が取り出したのはビデオカメラ。


「ゆーにぃとうさつようびでおかめらー」

「青狸の真似はやめろ!!!そしてそれで何を見た!!」

「葵ちゃんを襲っているところ」


 僕は白旗を揚げた。手いっぱい揚げていた。

 僕の負けだ……


「負けたよ………」

「ずるい」

「ずるいです」

「ずるい…」


 この惨状を見ていた3人が一気にそう言いだす。

 彼女らは僕の布団に一気にダイブしてきた。


「うごっ…!!お、重い……」

「誰が重いの????ねえ???」


 りんちゃんがすごい形相で聞いてくる。

 あなたです。あなた。僕よりheavyなあなた。


「誰とは言わねえ!!!そして僕はこの重みが好きだ!!!」


「「「「Mだ(です)」」」」

「もうそれでいい!!だから助けてくれぇ!!!」


 この後もみくちゃにされました。







 時は18時30分。

 僕らは居間に集まり、多量のオードブルや寿司を囲みつつ、テレビを見る。


「さぁ、子供達よ、質問だ」

「な、なんだよ親父…」


 目をくっきりと開き、親父の源斗(げんと)が低い声を響かせる。


「ガチ使派か?赤青派か?さぁ、答えるがいい!」

「僕はガチ使」

「私は赤青」

「あたしもー」

「私は…ガチ使」

「お姉ちゃんと同じー」


 3対2でガチ使派の勝利。ガチ使をテレビで見ることとなった。

 ガチ使とは、ガチで使っちゃあらへんで!というお笑い番組である。

 大晦日の今日は毎年特番を行う。笑ってはいけないというコーナーが非常に人気な番組だ。


 数分経過する。


「どひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

「悠理くんに何が……」

「葵さん。ゆーにぃはいつもこの番組見るときはこんな感じだよ」

「へ、へぇ……でもさ、あんなに笑ってる悠理くんって、なんか珍しくて……新鮮」

「こんなに明るい悠理君…初めてかな…」

「みんなもそう思うんだ。私もゆーにぃの笑顔好きだから………見てると心が落ち着くっていうか…」

「「うんうん」」


 愛衣菜と葵が同時にうなずく。

 彼女達にとって僕の明るい姿というのは珍しいのだろう。

 いつも突っ込んだり、暗くなったらばかりしていたからかな……


「悠理くん……かっこいいよね…」

「葵ちゃん………凄く気持ちはわかるよ…」

「ゆーにぃだもんね…」

「お兄ちゃんいけめんー」

「お、にぃ、ちゃん?」

「?どうかした??」


 りんちゃんの放った一言に悠花の表情が一気に変わる。

 それに対しりんちゃんは頭に?を浮かべている。


「ゆーにぃはわたしのお兄ちゃん!!!」

「お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん!!」


 むむむむーっ、と睨み合う2人。


「悠理君はわたしのお兄ちゃんだよー?」

「ちがう!あたしのお兄ちゃん!!」


 睨みが4人に増え、バチバチと火花が見える。

 僕はいつの間に兄キャラになったんだ。

 僕が妹だったらこんな兄は嫌だぞ?


「お嬢ちゃんたちぃ、随分と盛り上がってますねぇ」


 ここでやってくるのは親父である源斗であった。

 そして、何も書いていない丸い白い紙、画鋲、マッキーペン、BB弾を用意する親父。一体何をする気だ?


「これ、なんだかわかるか?」

「わ、わからないよ……お父さん…」

「これで、真の妹が誰かを決めるといいぜ」


 親父が彼女らに提供したのは、ルーレットダーツであった。


「なるほど………こりゃいいわね」


 葵がすかさず飛びつく。


「やりましょ、天下の戦い」


 そうして葵は5当分にスペースを分け、壁にルーレットを貼り付ける。

 5当分……?


「ねぇ、これあと1人、誰いるの?」


 愛衣菜が気づき葵が答える。


「あそこの台所に立っている子よ!あの子もきっと妹候補だよ!!」

「そ、そうなのかなぁ…?」


 変なところで平等な葵。

 そして、彼女達にとって運命のルーレットが、今…回り出す。


 射手はりんちゃん。


「いちだーーーーーん………撃てぇっ!!!」


 葵の叫びと共に、りんちゃんがBB弾の引き金を引く。


「さぁ、誰になったの!?!?」


 止まったルーレットを恐る恐る見てみる。

 そこには……


『台所の子』


 と書いてあった。


 彼女達は落胆。台所に今もいる子が、悠理に段々と近づく。


 そして……!!!


「おにいちゃぁあんっ♪」

「ん?どうした、母さん」

「「「母さん!?!?!?」」」


 台所の子は、僕らの母さんである悠那(ゆな)であった。

 その反応も無理もない。僕の母さんは身長が葵以下であり、凹凸もないので小学生にしか見えない。

 腰が抜けそうなレベルの驚きを見せる愛衣菜、りんちゃん、葵。

 悠花は知っていたがあえて言わなかったという。


「母さん……変なものでも買ったのか?」

「違うっ!!やれっていわれたのっ!!!」

「ほう………テレビを見ている僕を邪魔するとは……いつもあれほど言っているのになぁ…?」

「……えっ…?」

「お仕置きが必要だな、悠那」


 母親にお仕置きをする斬新な展開が起こった…


「ちょっいきなり名前は……ああっ!」


 悠那ちゃんはもみくちゃにされました。







 時、11時57分。

 後3分で今年が終わる。

 そして、来年がやってくる。

 今年は……色々変わった年だったなぁ。

 引きこもりになったり、にも関わらず女絡みが増えたり……

 隠居と飛躍の年……って言いたいな。

 後半は物凄く中身の濃い年だったよ。

 ありがとう、葵。

 ありがとう、愛衣菜。

 ありがとう、りんちゃん。

 ありがとう、悠花。


 59分30秒。

 もう、今年も終わる。

 来年も、いい年でありますように。


 10.9.8.7.6………


 5。

 4。

 3。

 2。

 1。


「「「「「「あけましておめでとう!!」」」」」」

今年も良い年でありますように。

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