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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

崩壊

初投稿です、よろしくお願いします。

 失ってから気付くのだそれがどれほど大切なモノだったのかと。

 部屋の中は血で染められ、机の上には男の子の誕生日なのか崩れて原型のないケーキが置いてあった。

 悲劇の始まりは父親が帰って着て、家族が揃ってから始まった。

 男の子を驚かせようと準備していた両親の二人、父親は玩具を母親は手作りケーキを準備していた。

 夕食は男の子が好きな物が食卓に並んだ、食事が終わり父親が買ってきてくれた玩具の包みを楽しそうに開けている男の子、手作りケーキを机の上に置きロウソクを刺していている母親、それらをカメラで撮っている父親、そんな暖かな家族の風景はいともたやすく壊された。

 玄関に通じる扉からそれは現れた、その格好は黒のタキシードを着て道化師クラウンの仮面をした異質な人間が。

 突然の侵入者に警戒し父親は男の子と母親を後ろに隠した。

「誰だお前は」

「……、名乗るほどの者じゃありませんが、強いて言うなら見たまんまに道化師クラウンと名乗りましょう、だだし私は楽しみを届けるのではなく悲劇を届ける、破壊の道化師クラウンですけどね」

「ふざけた事を言いやがって」

「それは道化師クラウンですからね、さってこうして話しても目的が達成出来ないのでさっさと終わらせますね」

 道化師クラウンと名乗った男は懐から注射器を取り出した。

「なんだそれは」

「これですか、見ての通りの注射器ですよ」

 男が取り出した注射器には透明の液体が入っていた。

「この中にはウイルスが入っています、注射の時の痛みはありませんよ」

「ウイルス、何をふざけた事を」

「そう思うならそれで結構ですよ、とにかくこ注射を打てば分かる事です」

「そんなことさせるとでも」

「そうですよね、簡単には打たせてもらえないですよね、だから強引に打たせもらいます」

 そう言い、男は人の速さとは思えない速さで父親の隣まで距離を縮めた、そして父親が気付く前に男は首元に注射を打った。

「……なっ」

  注射を打たれ倒れこむ父親、そして男は瞬く間に母親と男の子に注射を打った。

 それから程なく異変は起きた三人は苦しみ吐血した、男はそれを見ながらこれから起こることに見入った。

 三人は身体に力が入らず時間だけが過ぎた、そして異変は突如起きた父親が今までにない叫び声をあげた、だがそれも長くは続かなかった叫び声の後すぐに父親の身体は膨張し弾け飛び壁は血で染まり床には肉片が転がった。

「適合失敗か、さって次は誰かな」

 男は残念がることなく残る二人を見た、父親が死んだことさえ悲しんでいられないほどの苦しみが続く二人そして次の犠牲者が出た、それは母親であって父親同様に膨張し死んだ。

「父親、母親共に死亡、残る最後は子供か」

 それから残された男の子だけが死ぬことなく生き残った、それを見た男はウイルスに適合し生き残った男の子の目の前まで来た。

「やはり、子供の適合率が高いか、どうだい人を超えた感想は」

 男の子は呆然と男を眺めた、その眼は焦点が合ってなかったが。

「まだ実感がないだろうが生きていく内にわかっていく、そのときこそ君は自身が人ではないと気付くだろ、そろそろ私は帰るするよ」

 男はそれだけ言い残して家から出て行った、両親を亡くし男の子だけが残されて。


 唯一残された床に転がる空の注射器にはラベルが貼ってありD―6と書かれていた物が二つ、そして何も貼られていない物が一つだけ。


 道化師(クラウン)の格好をした人物がその日多数いた、そして同じようなことをして立ち去った者がいたと生き残りの人たちは証言した。


 注射を打たれ生き残った人達は人の領域を超えた力を持つことができた、その反面人の領域を超えた代償に人と同一に扱うことができなくなってしまった。

 人々は恐れ差別した、未知なる力を持った者達を化け物と、だが化け物はどちらか何をもって化け物とするのか。


 すべては序章、物語の始まりに過ぎない、これから起こることの。



「希望はしない、絶望してしまうから、常に考え最善を尽くすそうすれば物事の本質が見えてくる」


 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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