表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

巫女とすねこすりの出会い

はい、今回はコリネちゃんと紅月さんの出会いです

毎度ながらグダグダです、それでもよろしければどうぞ

皆さんこんにちは、素敵な巫女様よ。

今日は寒いから依頼とかないわ、うんないわ。

あったとしてもないわ、こんな寒いのに外とか出たくないわよ…


「巫女さん巫女さん、お客さんが待ってるよ」

「くたばれリア充、彼氏にお姫様抱っこされながら話すな」


ホント最近は朝からイチャイチャイチャイチャ、嫌味かって言いたくなるわ。

男と縁なんてないのよこんな仕事してるから、あってもろくな人間じゃないから諦めてるし…


「とりあえず話だけでも聞きに行きましょうか」





―――――




「久しぶりですね」

「えぇ、三年ぶりですか?」

「そうですね、彼処も今や貴女の持ち物ですからね」


依頼じゃなくて良かったわ、依頼だったら追い返してるところだったわ。

でもまさか様子を見に来たとは…物好きもいたもんだわ、こんな妖神社に自主的に来るなんてねぇ。


「あの時は驚きましたよ、まさか依頼料の代わりに土地を渡されるなんて…」

「ははは、さすがに死者が二十を越えた山なんか誰も登りたくないでしょうから」


いやまぁ、その原因だったのは今炬燵の中でぬくぬくしてるわけで…

そんなこと言ったらどうなるか分からないから言わないけど、懐かしいわねぇ。


「それでは、元気そうなので私はここらへんで」

「えぇ、今日は来てくれてありがとね」

「なんのなんの、では…」


ふぅ…少し懐かしさを感じたわ、でもまぁ


「死者を安易に呼び出すものじゃないわよ?」

「バレてましたか、最近疲れてた様子でしたので」

「ありがと、けどあそこまでしなくて良いわよ。悪霊になられても困るから」


全く、なんでうちに住んでるメンバー皆優しいのかしらね。

巫女は優しくもないってのに、不思議なものね。

しかも、その筆頭が仕事を失わされた運転手なんだから。

動物霊に憑かれて、人との関わりなくなったら今度は妖怪と関わりが出来て…

ホント、世の中何が起きるか分からないわね。


「貴女も十分変わってると思いますよ、“紫”さん」

「っ! …誰から聞いたのかしら、さっさと口を割らないと殺すわよ」

「妖気と霊気が入り交じってますね、そんなに嫌ですか……」

「次その名前で呼んだら全てを忘れさせるわ、極一部だけよ呼んで良いのは」

「はい……」


部屋から出ていったわね、冗談を言ったつもりはないわ。

今住んでるメンバーでそう呼べるのはコリネちゃんぐらいよ、今の私が出来てるのもあの娘のおかげだしね。

少し、昔話にでも付き合ってもらおうかしら。

あれは確か、三年と半年前ね…





ーーーーー




「という事で、どうか一度見てもらえませんか?」

「分かりました、では二日後にそちらに参ります」


あの日から二年、巫女としての修行をし終わってから数ヶ月害を与える。

妖怪を倒しながら暮らしてた、人でなくとも手を血で染めてるのは同じ。

悲願の声を聞きながら相手の根を止める、非道だとか鬼だとかよく言われるけど気にしてたら切りがない。

そうでもしないと精神が壊れそうになるから、自分が若いのも忘れてただ機械的に仕事をこなすだけ…


「そうしなければ、自分が壊れて狂いそうだから…」




―――――





「ここが、依頼されてた場所か…」


妖気より霊気が強い、お札はたくさん持ってきたから大丈夫。

そこまで強いのはいないハズだから、大丈夫…

私は出来る、あれが来なければ何も怖くないだから…


「うん、行こう。行かなきゃいけないんだから」


ーーあれから長い間歩いたけど何も出て来ない、警戒してるのかそれとも興味ないのかどっちにしろ用心に越した事はない。

いつどこから出てくるかも分からないし、どんなのが出てくるかも分からないから警戒しながら進もう…


「たーすーけーてー!!」

「えちょなに、ってきゃあぁぁ!!?」


え、なにこれというかなんか落ちてない?

絶対落ちてるよね、ちょまこのままじゃ黄泉への片道切符もらっちゃう!?

とか思ってたら助かった、妙な角度で生えてる木に掴まれたから良かったわ。

というかさっきタックルしてきたのなに、腰におもいっきりきたんだけど。

ゴキッて鳴った気がする、腰を痛めてたら一発ぶん殴る。

人間だろうと妖怪だろうと関係なくぶん殴る、賽銭要求しないだけマシだと思って。


「生きてる~? 生きてるね~、今助けるよ~」

「どうやって助け…って普通にロープ下ろすのね」

「登って大丈夫だよ~、多分切れないから」


多分って頭に付いてなきゃ安心したのに、なんで余計な言葉を付けるの。

おかげで少し不安になってきたじゃん、途中で切れるかも知れないってさ。

ホントに切れて落ちたりしたら死んでるよねこれ、死んだら絶対化けて呪い殺してやるけどさ。




ーーーーー




「で、なにをどう助けて欲しいの」

「仲間がいっぱい祓われてるの、何もしてないのに!」

「…二桁ぐらいの人がこの山で死んでるんだけど、てか私も死にかけたわ」

「その前からされてたの!」


何か色々面倒臭くなってきたなぁ、依頼は破棄する気ないからやるけど…

まさか同業者と当たるなんて思いもしなかったよ、私が持ってるのは代々伝わって来たらしい刀だけだし。


「はぁ~、今日は厄日だわ」

「お祓いする?」

「……あんたを祓ったろか」


この天然妖怪は…誰のせいで疲れがどっと出てると思ってるのか聞きたくなるわ、だいたいあんたが助けを呼ぶのに毎度毎度人を突き落とすからこんな厄介な仕事を受ける事になったんだし。


「あ~っとつまり、その無闇やたらに祓ってる人物をどうにかすればいいわけ?」

「そうそう!」

「はぁ…もう面倒臭いからさっさとその場所に案内しなさいよ」

「こっちだよお姉さん!」


お姉さんって、あなたの方が年上でしょうに…

まぁ見た感じ動物と巫女に見えなくはないけれど。




ーーーーー




「破ぁ!」

ーみゃあぁぁぁぁ!!ー


派手にやってるなぁ、確かにこりゃ無差別に祓ってるだけって感じがするわ。

というかすねこすり以外にも弱小妖怪やもののけが祓われてるわ、力は強いってほどじゃないけど浄化力は凄いわ。

とりあえず私の為に早く立ち退いてもらいましょ


「あの~、こんな所でなにをしてるんですか?」

「邪悪な気を感じるのでね、此処等一帯を浄化しているのだよ」

「はぁ、それでその邪悪な気の正体は分かっているのですか?」

「残念ながら、どうやら余程強大な力の持ち主らしい」


いやいや、強大どころか弱小です。

彼方に力がないだけです、というか無闇やたらにバンバンやってたらどんな強大な奴でも拠点変えるって…

面倒臭い人物がいる場所には、霊も妖怪も居たくないって事。


「失礼かも知れませんが、もう此処にはその強大な奴はいないみたいですよ」

「そうなのかい、この私に恐れを成して逃げたか。はっはっは、では私はこれで」


無知っていいなぁ、あの人多分無駄に自信がありそうだし。

さて、さっきからずっとこっちを睨んでる妖怪どうしようか。


私の実力で勝てるか…って追い出すだけなんだから、別に勝ち負けを気にしなくていいか。

よし! いっちょやってみようか。


「お姉さん頑張れ~」

「おいこら安全な場所に逃げるな!」


あんのすねこすり…これが終わったら覚えてなさいよ、絶対にボコるから。

そう思いながら私は刀を抜いて、さっきから睨んでいる妖怪に刃先を向ける。


ー妙な刀を持った祓い屋というのは貴様か…ー

「だとしたら、なんだって言うのよ」

ー拍子抜けだな、こんな小娘がそうだとはー

「小娘だからって舐めてると、痛い目見るわよ」


と強気に出てるけど、予想以上に相手が大きかったからビビッてます。

そこらの木々より大きいとか、もしかしたら私今日が命日になるかも知れないわ。

って弱音吐いても仕方ないか、なるようになれ後は野となれ山となれ。

私が倒れてもきっと誰かが代わりにやってくれる、と信じよう。


ーでは、どう痛い目にあうか教えてもらおうか!ー

「あぶっ!? いきなり腕を振るうんじゃない!」

ー口ほどにもない、やはりただの意気がるだけの弱者かー


……ぶっ殺す、これでも結構頑張って修行したのよ。

それを完全否定、良いわ本気でやったるわよ!

確か刀に霊力を集中させて…


ーそんな小細工、今さら効かんわー

「なら試してみなさいよ」

ー力が集まってー

「はあぁぁぁ!!」

ー食らってたまるか、受けよ我が必殺ー


構えた、なにかくる前に先に仕掛けてやるわ。


-うおぉぉぉぉ-

「せいやあぁぁぁ!!」

-めんなさあぁぁぁい!!-


はぁ!? 土下座が必殺技って、というか飛び斬りの体勢に入っちゃったから確実に地面にぶつかっ!


「ぐふ!?」

「お姉さん生きてる?」

「安全になったら出てきたわね、このすねこすり…」


まぁいいわ、とりあえずあの妖怪から話を聞いてどうするか決めましょ。

あぁ~、それにしても鼻が痛い。




-----




「つまり、山に来る人間達が羨ましくなって人に化けて子供たちと遊んでたけど、あの祓い屋がめちゃくちゃし出した辺りから誰も来なくなったから祓い屋に近い人物は皆あの姿で脅してたと」

-仰る通りです-


なんとも傍迷惑な、しかも全ての原因は人にあるって…

珍しくないケースだけど、実際に関わるとなんか罪悪感が沸くわ。


「で、これからどうするの? 化け狸」

-貴女に憑いて行ってもいいですか?-

「着いて来たければ好きにしなさいよ」

-それじゃ……-


ん? いきなり狸が倒れ、ってなんかこっち来てるんだけど!?

えなに、ついて来るってそっちの憑くって事!?

んな文字にしなけりゃ分かりにくい事やるんじゃって入ってきたぁ!!?


「おぉ~、お姉さんが狸に憑かれてる」

「観察してる暇があるならどうにかしてよ!」

「いや、私ただのすねを擦るだけの妖怪ですから」


この役立たず! ていうかどこまで入って来る気よこの亡霊狸は…



-----



「という事で、その祓い屋のせいで害のない者達が錯乱状態になっていた為に死者が多数出てたようです」

「なるほど……彼等なりの助けの求め方だったという事ですか」


いや~、助けの求め方なら他にもあったんじゃない?

人の腰にタックルとか脅しとかしてたら変なのも出てくるわ、というか私の体がどうなったか早く知りたいところだわ。


「では報酬ですが……あの山をあげましょう」

「はぁ!? 山って、あの土地全部私の私有地にしちゃうってこと!?」

「えぇそうですが、何かいけませんか?」

「いけませんかって、とりあえず理由を教えてください」

「死者が多数出て誰も近寄らないのと、あの山にまだ彼等がいるというなら、それを守る方が必要と思いましてな」


確かに、あんな死人が二桁も行ってる山なんか好き好んで行くような人物いないし、いたとしても迷惑な祓い屋ぐらいか。

それを防ぐには誰かの私有地にしてしまえばいいと、そう言いたいわけね。

なんというか、抜け目ないわこのおじいさん。


「そういう事でしたら、お受け取り致します」

「では、後日書類を持って伺いますからその時にサインをお願いします」

「はい、わかりました」


それからちょっと話をしておじいさんは帰っていった、はぁ~なんとかバレずに済んだかな。

あの後狸が静かになったと思ったら、私の魂と融合してやがった・・・

そのせいか狸耳なんてのが生えてた、一部の人にしかみえないというのが唯一の救いだけど。

はぁ~、これからどうなるか分かったもんじゃないわ。

しかも・・・


「お姉さんって信用あるんだね~」

「なぜか臑擦りが着いてきてるし」

「だって仲間がどこに行ったか分からないし、それならお姉さんに着いていった方が特なんだもん」


あぁそう、もうどうにでもなりなさいよ私は知らないから。




-----




「多分あの時自棄になったのがダメだったのね」

「なにがダメなの?」

「アンタと出会った後に自棄になっちゃったことよ」

「あぁ~」


分かってんだか分かってないんだか、まぁ昔からなに考えてるのか分からない子だったし今更分かろうとする気もないわ。

でもまあ、この子との出会いがなければ今の私はなかったわけだし少しは感謝しとこうかしらね。


「ねぇ」

「なに?」

「お姉さんは私に出会えて、私が住み着いて良かったと思う?」


なにを言い出すかと思ったら・・・

そんなの決まってるじゃないの


「良くなければ今ごろ追い出してるわよ」

「んっ、そうだね」

「それじゃ、こんな所で無駄話してないで悪い子にお仕置きしに行くわよ」

「はーい」


ふふっ、やっぱり私の一番はコリネちゃんね。

詳しく言わなくても何をするか分かってくれるし、なによりこんなにも世の中は面白いって言うことを昔の私に教えてくれたんだから。

え? 悪い子は誰かって? 決まってるじゃない、死者をいたずらに呼んだ二人よ。

さて、どうやってお仕置きしようかしらね~

コリネと名付けたのは住み着いた翌日です、コリネちゃんが紅月のまえで人間体になった時の反応は「なんでその姿で助けを求めなかった!?」です

住み着いてからの紅月神社の日常は

修行中にイタズラをするコリネちゃんを追いかけまわす紅月さん

食事はお肉の時だけ心理戦になった、ほかは普通

入浴は二人になってたまに色気のある声が響くように

夜は二人一緒に熟睡


つまり、今までピリピリしてた紅月さんが私たちの知る紅月さんに進化しました



それでは、今回はここまで・・・えっお仕置き内容?

下が見えそうな巫女服で一日境内の掃除でした

ちなみに、咲夜ちゃんは朝からイチャイチャを見せ付けた罰です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ