短編の間#4- 紙からのお次
掲載日:2026/02/04
深夜一時、ビジネス本を読む30代の田代和馬。
本を顔にかぶせ、仮眠するつもりが熟睡してしまった。
社会人になっても日々勉強を怠らない。それは30代になっても同じ。
ビジネスの指南書をしこたま読んできた。正直、そのほとんどが身になっていない。
日課にしてた読書も重荷になってきた。少し仮眠しようか。
読書は求めて行うものではない。誰かが話しかけてくる。白い靄がかかって影だけ見える。
君のその読書に対する心意気、大いに尊敬する。しかし君は本を真剣に見すぎている。
人生の教訓本であれば尚更、君は知識を掴み取ろうとする。
それほど、目に力を入れて読むものではない。もっと目元を緩めて、湯船につかっているように。
文字を追いかけず、自然に目を動かすのだ。さすれば、書き手の想いを十分に浴びることができる。
湯気を怖がるのでない。楽しむのだ。君の解釈は永遠に残り続けるであろう。
私は長風呂苦手で、先に上がらせてもらう。
霧が晴れた。後ろには大きく富士山の絵画。
この本は気になったらまた読もう。気楽に読もう。




