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好意の先に

作者: 山本向日葵

人はいつだって思わせぶりはいけないと言う。私もそう思う1人だ。でも、状況によっては否定する立場に立つことがある。一般的に相手の恋愛感情に気づいている。または、知っている。そして、自分は相手を恋愛感情として見ていない。つまり、相手の気持ちには応えられない。というのに、相手にわざわざボディータッチを仕掛けたり、距離を近づけることは相手の気持ちを考えていない自分勝手な人だと思う。ただ、相手からの好意を知っており、自分は相手を友達として考えているとする。そして、自分にとって相手は、趣味の話を深くすることができる唯一の相手である。もちろん、相手の好意には応えることができないのだから、自分は刺激を与えず、静かに相手と距離を断つのが賢明だろう。これを、第三者に相談したとして、出る答えはまたもやこの答えに辿り着くだろう。だが、自分の気持ちはどうすれば良いのだろうか。趣味の話で、共感し盛り上がれる唯一の空間を失くしてしまうことが正解なのか。好意というものを向けられることは嫌ではない。むしろ嬉しいことだ。でも、その後の陥る関係に恐れてしまう。結局、想いを伝えた側は断られて辛いだろうが、言えたことに後悔はしないだろう。ただ、言われた側はそうではない。唯一の友達を失くし、そして相手に気を遣い自分から話しかけることもできなくなってしまう。こんなことなら一層のこと、告げてくれなければよかった。告げたいという欲求に勝てず、もしかしたら付き合えるかもしれない。もしかしたら相手も同じ気持ちかもしれないと僅かな期待を胸に放つ言葉は、告げられた側にとってはその期待を打ち砕いてしまうと同時に、自分の友人関係をも打ち砕いてしまうのだ。こんな悲劇があろうか。誰も悪くない。ただ、人間が持ち合わせている恋愛感情、好意というものがいささか煩わしく感じることがあるのだ。人を好きになることはいいことだ。しかしながら、それを伝えることがいいことだとは状況次第では思わない。むしろ、止めるかもしれない。告げてしまいたいという欲求を、私との関係を一切ぶち壊してしまうという危機感で抵抗して欲しかった。ただ、それだけなんだ。私を好きなら想ってくれるなら、そうして欲しかった。結局自分の欲求を優先した。それが人間という生き物なのか。それなら私は人間を辞めようじゃないか。

もしも、あなたに好きな人がいた時、それを告げるか告げないかはあなた自身が決めることである。ただ、勘違いしてはいけない。あなた自身が決めることではあるが、自分勝手に判断してはならない。相手のことを考えた上での判断であって欲しいと私は思う。もしも、あなたが好意を告げる決意をしたなら、私は全力で応援しよう。だが、告げる前の関係にはもう2度と戻れないことを覚悟しなければならない。相手からすれば、迷惑な話なのだ(あなたに対して好意がない場合)。これを十分に理解しなければならないし、慎重に行動しなければならない。いつだって、関係を壊すきっかけを握っているのはあなたなのだ。そして、私も例外ではない。

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