闇の賢者ルルスファルド(3)
( ゜ー゜)テケテケ (今回も短めの更新でございます)
<さすがにこれは見せられぬな>
マールゥト侯爵邸上空。
ジュノーの右腕から腕の皮ごと切り取った『恩寵紋』を眺め、九尾の狐ルルスファルドは呟いた。
死なない程度の復讐としてジュノーの腕から引っぺがしてやったが、リィフに見られたらドン引きだろう。
狐火と呼ばれる小さな火の玉を浮かべ、ジュノーの皮膚だけを焼き、灰にする。
残った『恩寵紋』を毛皮の中に納めて隠した。
持ち主に豪運をもたらす紋章。
リィフは『神槍紋』『転生賢者紋』で許容量いっぱい、ルルスファルドも幽霊状態では上手く扱えない。
折りを見て適当な生き物、契約魔のグールスライムにでも移してやればリィフの役に立ってくれるだろう。
<あとは、自分の器量でがんばることじゃ。親父殿>
マールゥト侯爵邸を見下ろして、ルルスファルドは呟いた。
ジュノー、そしてマールゥト侯爵家は『恩寵紋』がもたらす豪運に支えられて栄えてきたが、これからはそれがなくなる。
『恩寵紋』の加護のない、ジュノーの実力だけで進んで行くことになる。
<叔父御殿さえ受け入れておれば、盤石であっただろうに>
『神槍紋』を持つリィフ、『転生賢者紋』を持つルルスファルドをマールゥト家に引き寄せたのは『恩寵紋』の作用だろう。
ジュノーにリィフを受け入れる器量があったなら、マールゥト侯爵家の繁栄は盤石のものだったはずだ。
ルルスファルドもまた、マールゥト侯爵家に災いをもたらすものにはならなかっただろう。
もたらされるはずだった恩寵は、どちらも喪われてしまった。
そしてもう、ジュノーに恩寵は訪れない。
この先に待つ運命は、決して明るいものではあるまい。
<もう良いな>
ジュノーへの報復は、まずはここまででいいだろう。
九尾の狐は空を駆け、僧院へ舞い戻っていった。
( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)
次回は夜更新の予定です。
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