第1話 ゲームを始めます
何か書きたくなったので書きました。
プロットか一切書いてないですし、行き当たりばったりの設定になっておりますが、矛盾点がないようにしますが何かあればご指摘下さい。
「あ、先輩……」
「あぁ、摘季か、おはよう」
「先輩、もう放課後ですよ?」
「あぁ、そういやそうかぁ……?」
摘季はおれの部活の部員の一人……というか副部長であり、俺と一緒にこの部活の創立に手を貸してくれた一人である。
「……」
「……」
「あの、先輩? 今日は他の人は?」
「ん~、確か俺とお前と鮎川だけだったと思うぞ?」
「鮎川さん……ですか……」
鮎川は俺のクラスメイトでクラスのスクールカースト上位の女子だ。 はっきり言おう。 苦手なタイプだ。 なぜこの部活に入ってくれたのかは知らないがまぁ、入ってくれたお陰でこの部活は成立しているんだが……。
「でもそれまで先輩と二人っきりなんですね」
「あ? 何か言ったか?」
「ううん、何でもないです」
「そうか?」
あぁ、聞こえていたよ……?
でも改めて聞いてみただけだ。
分かっていたことさ、いや、自分でもそう思うこともあるよ?
キモいってさ? そう言うことだろ? キモい俺とはあんまり二人で居たくないんだろ?
「心配しなくても鮎川もすぐ来ると思うぞ?」
「そう言うことじゃないんですけどね……」
……ヤバイ、今回は聞き逃した。
「あのさ……今回のテーマなんだけど────」
「はぁー! だるー!」
「来ましたか……鮎川さん」
「お、来たか……んじゃ、今日は二人だから短めに作っているから直ぐに終わるとは思うが──」
「ねぇ聞いてよ、広島! クラスの奴らがさぁ!」
「鮎川先輩、先輩が何か言いたそうにしているので黙っていて貰えますか?」
ちょっと? お二人さん?
「えー、いいじゃん! ちょっとくらいぃ~!」
「駄目です、先輩だって迷惑してますよね? ね?」
えー、俺に降ってくるんですか?
「あー、まぁ、少しぐらいなら話を聞くが……」
「ほら、広島だってこう言っているじゃん!」
「せ、先輩は甘いんですよ……全く……」
いや、話ぐらいは聞くよ? まぁ、何の返しもできんがな。
「でさー、もう本当に止めて欲しいよね~!」
「そ、そうだなー」
かれこれ30分おれは鮎川の話に付き合わされている。
「でさー!」
「あ、鮎川? そろそろ『ゲーム』始めようか?」
「んー、わかったよ……」
はぁー、やっと解放される。
「それじゃあ先輩、ストーリーをお願いします。 私はいつものキャラでお願いします」
「あ、私も前のやつで!」
「あ、お、おう……」
今から始めるTRPGはダイスを使って行うRPG。 通称『テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム』。
このゲームはダイスを使って色々決めていくゲームであり、ストーリーを作ってそれに沿って『ゲームマスター』が話を展開していくゲームだ。
今回、いや、毎回ゲームを作ってゲームマスターをやっているのは俺である。
「それじゃあ、お前たちのキャラは前のやつでやるな」
ここで言うキャラは仮想の自分である。 勿論仮想なので色々自分のことを作れるわけだ。 異性になってもいいし。 不思議な力を持っていてもいい。 言い訳なのだが……。
「今回は魔法禁止の世界だから特殊能力なしな?」
「わかりました」
「オッケー!」
「それじゃあ───」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
時は前世紀、君たち二人はコロッセオの戦闘員である。
二人は小さい頃に親に売られ、このコロッセオの戦闘員になった。 それから君たちは闘える歳まで秘密組織に育てられた、いわば先鋭の子供たちです。
君たち二人は今日から戦闘員として戦闘し、お金を稼いでこの地獄を終わらせてください。
「以上 プロローグを終了する。 ここまでの話で疑問はないか?」
「先輩質問です」
「なんだ?」
「解放されるために必要なお金はどのぐらいですか?」
「それは……ダイスを振って決めます」
説明します。 プレイヤーはD3振って下さい。その数字掛ける10した数字が貴方たちの借金、解放に必要なお金になります。
ちなみにDはサイコロ、ダイスを現しています。
あとの数字は回数を現しています。
「じゃあ、私からも! お金はどうやって手に入れるの?」
「あぁ、それは今から説明していくよ」
君たちは一日に一回ずつ行動を選んでもらいます。
選べる行動は
1つめ、戦闘。
これは戦闘し、勝てばお金を手にいれることができます。
負ければ即死亡になります。
「ちょっと待って、先輩。 この世界では負けたら終わりなんですか?」
「あぁ、あっ!」
この世界は無慈悲だ。 魔法もなければ蘇生なんてものもない。
「広島……話し方変えなくても……」
「摘季さん? 鮎川? 俺のことは今、ゲームマスターって呼んでくれ」
「うーん、わかったよ、広島!」
「わかりました先輩」
絶対にわかってないだろこいつら!
「まぁ、いいか……」
それでは2つ目、買い物。
買い物は色々なものを買えます。しかし、ファンタジー要素は一切ありません。
3つ目、宿屋です。
これは回復ができます。 この世界では回復ポーション何てものはありません。 宿屋で休んで回復します。
「それは全回復?」
「はい」
4つ目、PKです。
これは攻撃して相手のお金を奪い取ることが出来ます。
勿論負けた方は死亡します。
以上です。
それでは
『ゲームを始めます。』
『まず始めにステータスを決めるので、CON(体力)、STR(攻撃力)、VIT(防御力)を決めます。 今回、攻撃の先攻後攻はダイスの目で決めます。 方法は戦闘時に説明します。』
「今日は3つだけ?」
「あぁ、今日は短く済ませるぞ?」
『それでは二人ともD1を一回づつ、計3回振って下さい』
「わかりました……」
「よーし、よるぞー!」
『それぞれ持ってきているダイスを振り、ステータスを決めていく』
「先輩、私はCONが5、STRが3、VITが3です」
「私はCONが6、STRが5、VITが2だった」
『有難うございます。それでは借金を決めます。 それぞれD3振って下さい』
「オッケー……合計でいいんだよね?」
「あぁ、頼む」
「よし、見とけよぉー……あれ? 4たす2たす3で……」
「9ね……」
摘季が横だしをする。
「わかってました! いちいち煩いなぁ~! だから友達もできないんだよ!」
「先輩、私も9でした」
「ちょっと! 無視しないでよ!」
「ふ、二人とも喧嘩しないで!?」
そ、それじゃあ、それでは今日の行動を選んでください。
「広島、私たち今お金を持ってるの?」
『持ってません』
「なら戦闘しかないですね」
『なら摘季……クレセの戦闘を始めます』
「ちょっと私も戦闘する!」
「あ、先輩、ひとつ質問があるのだけれど……」
『何ですか?』
って、いつになったら俺のことをゲームマスターと言ってくれるんだろうか?
「二人で闘うことは出来ますか?」
「え? それってどう言うこと?」
『出来ます』
「その場合敵は強くなる?」
『いいえ、敵は強くなりません』
「ありがとう先輩、それじゃあ、鮎川先輩、ここは共闘しましょう」
「共闘?」
「一緒に闘うってことです。 いいですね?」
「まぁ、別に構わないけど……むむむ……今日はあの勝負は無しね!」
「わかってますよ、それぐらい」
何の約束をしているのかは知らないが、お互い切磋琢磨するのは良いことだ。
「それでは先輩二人とも共闘します」
『わかりました』
『それでは戦闘を始めます。 貴方たちの最初の敵はゴブリンです』