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第7話 ヒロインについて

時間はロスタイムと思って甘える事にしました。

すいません、今後の展開について悩んでいて、今回の話は短めでかけるところは書いておこうという形になっています。

来週までにちゃんとまとめるので、次のも読んでもらえると幸いです。

そんなこと、今回の読む前に気がせんなよなってはなしですよね。はい。

 ギル様の稽古見学のその夜、私はまた一つ気づかされる事があった。その日の夜、私はまた、彼の夢を見た。いつも通りの殺戮の後、主婦の日課に合わせて行われた乙女ゲームで、リンゼン様を見た。見た目も黒髪黒目に同じ名前。騎士団長の息子と紹介された時点で、彼で間違いないだろう。

 リンゼン様は、最初の紹介以降、ほとんど稀にしか出現していなかったので、忘れていた。

 まぁ、ギル様ルートでは、リンゼン様にあまり会わない様に、ヒロインがリンゼン様を選んだ場合は、私にとってはあまり関係が無いという事になるのだろう。

 ヒロインのルートをリンゼン様へ向かわせるという、隠れ蓑的な役目には使えるかもしれないけれど、今はそんなに気にすることでもないわね。


 結局、ギル様は私を好いている様には見えない。時折見せる無意識な優しさや気遣いに、好印象を感じるが、それはギル様の本質であって、私の為ではない。それに、私に対してドギマギした反応を見せる事もあるが、直ぐに平常心に戻ってしまう。


 確かこれは、ゲームの中で、ヒロインに言っていたはず。

 貴族はみんな王に対して媚び諂うが、裏で何を思っているかなんて分からない。飾り立てた言葉の裏の刃を考え出すと止まらない。

 それが彼の悩みだ。多分、彼としても貴族の仕事がそこにあり、貴族や王といった階級制度をとっている時点で、見栄の張り合いや他人にどうやって付け込むか考えないとやっていられないと、分かっていても嫌になってしまう気持ち止められない。


 それを気にせず、理解せず話せるからこそ、ギル様はヒロインに惹かれるのだ。そして、その貴族界に渦巻く闇を、少しずつ理解しながらも、自我を持って立ち向かう姿に感動するのだ。そして、その根幹の代表者である悪役令嬢わたしをギル様と一緒に引き摺り下ろすのだ。

 高い権力を持ち、周りを上手く扇動し、使えなくなったら切り捨てる。そんな悪役令嬢わたしを切り捨てるのだ。



 そんな他者を考えない行動を私は取るつもりなんて端からないが、最善の注意は必要かもしれない。

 そして、ギル様の悩みについては分かっていても私では解決出来ない。根っからの貴族である私の言葉ではギル様には届かない。やはり、仲良くなり、心を開かせる事が必要だ。悩み的にそれが難しいことは分かっていても。



 それに結局の所、私の未来はヒロイン次第というところもある。いっそ、ヒロインを探す事が出来れば楽なんだが、あのゲームのヒロインは好きに名前が付けられたはず。人によって名前が違うため、名前は良く分からない。


 家名はわかっていて、ディアネル伯爵の子供ではあったはずだが、現状、引き取っている様子もなく、子供も王都にいるのか、ディアネル家の領地内に暮らしているのかわからないので、探しようがなかった。

 子供の見た目は茶髪に黒目。この国の平民では、ありきたりなその色では、特徴だけで探すなんて不可能も良いところだ。


 今現在で、ヒロインに何かするのは不可能に等しい事という事だ。


 はぁ。朝から夢のせいで色々考えてしまった。そろそろアリルとマリネが起こしにくる頃かしら?

 丁度良くノックの音がしたので、返答する。


『おはようございます、お嬢様。』

『おはようございます、お嬢様。今日はお早いお目覚めですね。』

『ええ、目が覚めちゃってね。』


 返事と共に扉が開きアリルとマリネがやって来た。今のところは、2人で一緒に行動し、色々と仕事を習っているらしい。アリルの覚えも良く、マリネも楽しそうだ。アリルはもともと話し方も悪くなかったが、粗もあるので、王宮に行くときは、別の使用人に今のところ教えてもらうようにしているらしいが、マリネがいるときはいつも一緒のようだ。

 朝の支度をしてもらいながら、アリルに聞きたい事があったのだと思い聞いてみる。


『そういえばアリルは、その言葉遣いどこで覚えたのかしら?』

『言葉遣いですか?』

『ええ、それよ。平民では、あまり敬語なんて使い合わないでしょ?』

『あー、そうですね。お母さんとたまにやったお姫様ごっこで覚えましたね。』

『お姫様ごっこ?』

『はい、楽しかったですよ?』


 アリルは満面の笑みで楽しそうに口にする。

『お母さんが使用人になって、髪や服を整えたりして、綺麗にしてくれるんです。その時のお母さんの話し方を覚えていて、私もお母さんの髪を整えるの好きだったので、私が使用人でお母さんがお姫様役の時は、喋り方も真似してそうするようにしていたので、それで覚えましたね。』

『へー、なるほどね。』


 貴族や目上の人と話す時の練習の一環かしら?教育としてやっていたのなら、上手い教え方ね。


『それは平民の女の子のいる家では良くある光景なのかしら?』

『うーん、それはどうでしょう?友達からはそんな話あまり聞いた事なかった気もします。けど、お母さんも同じお母さん仲間に聞いて私もやって見たくなったとか、そんな事を言ってたような。えっと、なんとも言えませんね。ごめんなさい。』

『ううん。面白い話が聞けてよかったわ。ありがとう、アリル。マリネはそういうのあった?』

『いえ、私はずっとこの家で両親の働いている姿を見ながら育ったので、自然と覚えましたね。』

『まぁ、そうよね。』


 教育として、教えるにしては良いやり方のように感じるし、その教えてくれたお母さんは気になるわね。敬語だけでも話せるのは、仕事に役立つ事もあるだろう。没落した貴族の家の出で、教育として娘に教えていた可能性は大いにあるだろう。それを知り合いに話したという可能性は充分にあるし。まぁ、マリネのような元使用人の人が、教えている可能性もあるけど。

 そう考えると、元を辿ればヒロインに行き着く可能性もありそうだ。アリルの話し方的に、聞いた相手はわからなそうだが、頭の隅に置いておこう。運良く出会える事を祈って。

ここまで、お読みいただきありがとうございます。

7話目までくると、わかりますよね。文章に毎回、差があってすいません。安定出来るように頑張りたいと思ってはいます。

なにとぞなにとぞ。

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