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ーーーー 眠い。


全身から感じる倦怠感と浮遊感。どこまでも遠くなっていきそうな意識。

生暖かい滑りとした液体に浸かる背中。掌にべっとりと付着したソレを見て乾いた笑いと真っ赤な液体が同時に込み上げる。


ーーーー ああ、なるほど。腹に穴が空いてるのか。


止めどなく溢れ出る血液は、体温を、意識を、命を徐々に奪っていく。

人間の体は酷く脆いものだ、と改めて痛感する。普通なら当然、自然治癒など不可能。先にあるのは死のみだ。

だが、この体はとうに限界を超えているというのに死ぬことを許してはくれない。


ーーーー 再生なんてしなくていい。このまま死なせてくれ。


普通の人間の枠から外れ、無理矢理に再生を始める体。流れた血は体内に戻り、飛び散った肉片は逆再生のように元の肉体にくっ付いていく。


俺はこんな体にしたあいつを恨む。恨まずにはいられない。


ふと何かが混沌とした頭の中に流れ込んでくる。


『私は君のこと、好きだよ』


ああ、ああそうだ。

駄目だ、駄目だ、駄目だ。

こんなところで死ぬわけにはいかない。


打ちのめされていた意識は愛する女の子に言われていたことを思い出し、急速に生気を取り戻す。


ーーーー 俺は、やらなくちゃいけない。守らなければならない。決して、諦めてはならない。

そう、決して。


彼の体は完全に再生し、再び地に足をつけて立ち上がる。

その目にはーーーー


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