表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ピーター集

作者: 遠藤ピーターwith 桜坂杏里

歩いていった夏は去った……

初めての恋であった。

「おい丸山。お前もキャンパスライフ楽しもうぜ。」

「飛田。やっぱり俺、女の子と付き合った方がいいのかな?」

「あぁ。そうだよ。大学生で未だ付き合ったことのないってよっぽどの変人だぜ。特にお前みたいな美形は。」


そして夏を前に、文学部の気になる秋山さんに告白した。

「秋山さん。今年の夏は暇ですか?」

「何も無いよ。どうかしたの?」彼女は答える。

「いや、その。僕と付き合ってくれませんか?」

「えっ?こんな私と付き合ってくれるの?」秋山さんはそう言っていた。

リア充爆発しろ!そう言っていた昔が懐かしい。


夏になった。暑いが、彼女の清々しい姿が見える。

そう思うだけで、暑さも和らいだ。

長い髪が揺れて彼女のいい香りが鼻を撲つ。

恋というものは良いものかもしれない。


「ねぇ。丸山君。登山の後さ。温泉行かない?」彼女は積極的に誘ってくれた。

「良いね。行こう。」


山に登った。彼女は僕にこう言っていた。

「もう、敦志ったら遅いよ。早く早く。」

彼女は軽々しく山を登る。危険に振り向かずに。

彼女からは危なさが感じ取れるが、そこに支えてあげたいと思うのだろう。

しかし、何かが違うのだ。彼女を愛していたが、こうでない気がする。どんな言葉を並べても、空回りして、美辞麗句を並べているような感じがした。


季節は夏なのに、寒空な心の中である。乖離していく自分と彼女を裏切っている気持ちが、人生という道を進む僕の前に棘となって現れる。


しかし、それを踏まなければならないのだ。

遂に来てしまった。その棘を踏む時が。

秋が来て、彼女と交わす言葉も少なくなり、別れることとなった。

過ぎ去った二人の恋は誰にも知られることは無かったが、僕にとって物凄いショックを与えた。恋という嵐は酷く傷つけた。


心の皮は厚く硬くなってゆく。恋に怯え、恋を忌み嫌う。そんな男になってしまったのかもしれない。


恋に壊れた孤独なカカシは何時の日か消えゆくであろう…







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ