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暴かれた真実

「アベル、ダリル。来てくれてよかった」

 ドロシーが言った。二人はぺこりとお辞儀をして、伯爵の書斎に足を踏み入れた。

「すると、君たちがマリーの証人だな。昨日の夜、私の村でビルを見かけたのはどちらかね?」

 伯爵が言った。

「俺です、伯爵様。アベルと申します」

 アベルは緊張で顔を青くしながら言った。

「よく来てくれた、アベル。それで、彼を見たのはいつ頃かね?」

「カールが帰ってしばらく後のことです。詳しい時間はわかりませんが、ダリルなら証言できると思います」

 ダリルが頷くのを見てから、ペイルはカールに目を向けた。

「帰り道にビルと会ったかね?」

「いいえ、伯爵様」

 カールの答えを聞いて、ペイルはビルを睨み付けた。

「どう言う事か説明したまえ」

「簡単な事です、伯爵様。きっと、アベルのやつが見間違えたんでしょう。俺みたいな十人並みの顔なら、そんなことがあってもおかしくありません。おい、アベル。もし俺を見掛けたって言うんなら、なんで声を掛けてくれなかったんだ。俺は伯爵様の村で、お前に話し掛けられた覚えはないぞ」

「邪魔しちゃ悪いと思ったんだよ」

 アベルはもぐもぐと言った。

「この通り、アベルが見たやつが俺って証拠は無いってことです。残念だったな、イタズラ娘」

 ビルはにやにや笑って言った。

「あいつ、いやなやつだな?」

 ハリーは、ドロシーの腕に抱かれたジローに、こっそりと話し掛けた。

「俺は最初っから気付いてたぞ。あいつ、喰っちまっていいか?」

「我慢して、ジロー坊ちゃま」ドロシーが言った。「私も我慢してるの」

 仲間たちのひそひそ話を聞きながら、マリーは次の作戦を考えていた。いや、作戦はすでに出来上がっていた。ただし、それはレイヴンの無実を証明するためであり、ビルの嘘を暴くためのものではない。それには、もう一つ証拠が必要だった。

「マリー、君の証言にはまだ裏付けが足りないようだ。他にも証拠はあるかね?」

「はい、伯爵様」マリーはきっぱりと言った。「でも、その前に、ビルさんにちゃんと聞いて欲しいんです。昨日の晩、ホントに領主様を見たのかどうか。アベルさんが見間違えをしたのなら、ビルさんだってそうじゃないとは言えないでしょ?」

「なるほど、もっともだ」ペイルは同意した。「月明かりがあったとは言え、夜のことだ。ビル、本当に間違いはないのか?」

 ペイルはビルに目を向けた。

「見間違えようがありません。俺と違って、領主様はとても目立つ容姿をしておいでですから」

「でも、艀に乗るまで誰だかわからなかったって言ってたわ」

 マリーは指摘した。

「だから、もの凄い勢いで走ってたからだと言ったろう!」

「それでも、やっぱり変です。だって、艀に乗る前に、いっぺん船着場で止まらないと、領主様は川に落っこちてしまうもの」

 ビルを除く全員がくすくすと笑った。

「頭の悪い娘だな」ビルはいらいらしながら言った。「船着場には艀が着いてて、領主様はその上でようやく足を止めたんだ。最初っから、そう言っただろう?」

「まあ、そうなの?」

 マリーは目を丸くして聞いた。それから彼女は、ペイルに目を向けた。

「伯爵様が領主様を捕まえに行った時、艀はどっち側にありましたか?」

「私の領地側だが?」

 ペイルは訝しげに答えた。マリーは頷き、今度はカールに目を向けた。

「カールさんが伯爵様を見たときは、どっち側にありましたか?」

「伯爵様が仰ったとおりだ」

 マリーはペイルに視線を戻し、言った。

「伯爵様、これが私の証拠です」

 大人たちは、きょとんとした顔でマリーを見つめた。

 ハリーが、にやにやしながら言った。

「マリー、そこは『あれれー?』って言うのが正しい作法なんだ。次からはちゃんとしろよな」

 マリーは意味がわからないと言った。大人を相手にしゃべり続けたので、彼女はもうへとへとだった。これだけ言って、なぜみんなはわからないのだろう。

「おい、ボロ兔。人間って、思ってたより賢くないんだな?」

「それは大人だけだ。マリーは賢い」

 ジローはふんと鼻を鳴らした。

「ごめんね、マリーちゃん。この二人の言う通りよ。私たちに答えを教えてくれる?」

 ドロシーは申し訳なさそうに言った。マリーは気力を振り絞って口を開いた。

「伯爵様の村にいたビルさんが、カールさんより先にお家へ帰ったのなら、伯爵様は艀を引っ張り寄せてからじゃないと、領主様を捕まえられなかったはずです。でも、伯爵様もカールさんも、そうじゃないって言ってました。だから、ビルさんがカールさんより先に、船着場へ来ているはすが無いんです」

 大人たちはぽかんと口を開けた。

「それに、艀が伯爵様の領地側にあって、領主様が反対側の岸にある小屋の中にいたのなら、領主様は川を渡ってないことになります。川を渡ってないなら、伯爵様のお屋敷にも行ってないし、行ってもいないお屋敷から逃げ出すなんて出来ません」

 大人たちは、ほうとため息を吐いた。

「マリー」ペイルが言った。「ここに集まったボンクラな大人たちのために、君にはずいぶんと苦労をさせてしまったようだ。申し訳ない」

 そして彼は苦笑を浮かべて言った。

「私は男爵を逮捕するときに、目の前に転がっていた彼の無実の証拠を見逃していたと言うわけか。一番のボンクラは私だな。エド、急いで男爵に事情を説明してきてくれ」

「はい、伯爵様」

 エドは書斎を飛び出して行った。

「さて、ビル。偽証が罪であることは、君も知っているだろう」

 ペイルが言うと、ビルは真っ青になって一歩後ずさった。しかし、カールがその背後を固め、彼の肩に手を掛ける。

「観念しろ、ビル」

「うるせえ!」ビルはカールの手を振り払った。「艀の位置がなんだってんだ。そんなもん、誰かが使えば、どうにでも変っちまうだろ」

 ビルは目を血走らせて言った。

「いやあ、それが無いんだなあ」ハリーがにやにや笑う。「だってさ、俺とマリーとドロシーさんと、おまけのボロ兎でペイルさんの村の中をさんざん歩き回ったけど、昨日の夜に村の外を出歩いたやつなんて、ひとりもいなかったんだ。それに、アベルとカールとダリルは日が落ちた後、誰とも会っていないと言ってる。つまり夜になってから、あの艀を動かした奴はあんたたち以外にいないってわけさ。もちろん、男爵さんの村の誰かが、艀を使った可能性もあるわけだけど、結果は同じだと思うぜ。なんなら、今から村の人たちに話を聞いてこようか。あっちはペイルさんの村よりもずっと人が少ないから、大した手間じゃない」

 ビルは脂汗を浮かべながら、必死で考えた。そうして彼は何かを思い付いたように、はっと息を飲んで言った。

「艀を動かしたのは領主様だ。領主様は伯爵様のお屋敷で盗みを働いて逃げ出したんだから、追っ手を誤魔化すために艀の位置をずらすくらいのことはするだろう」

 どうだと言わんばかりに、ビルは部屋の中の人たちを見回した。

「しかし、ビル」ペイルは目をすがめて言った。「そうであれば盗品はどこにある。私が男爵を捕らえた時、彼は何も持っていなかったのだ」

「そりゃあ、小屋の中にいた女に渡したんでしょう。女はメダルを持って逃げ、領主様はロープを操り艀を反対側に移動してから、小屋の中に潜んで追っ手をやり過ごそうとした」

「やっぱり、こいつを喰うのはやめておこう」

 ジローが言った。

「好き嫌いはダメよ、ジロー坊ちゃま。あなたがやらないなら、私がやるわ」

 ドロシーは、ぎらぎら光る目でビルを睨みながら言った。

「けどな、ドロシー。こんな間抜けを喰ったりしたら、きっと馬鹿がうつるぞ」

 ジローに言われて、ドロシーはちょっと考えてから「それもそうね」と言った。

「お前たち、何を言ってるんだ?」

 わかってないのはビルだけだった。

「ドロシーさん。領主様に着せられた濡れ衣って、この事ですか?」

 カールが聞いた。

「ええ、そうよ」

 ドロシーは頷いた。

「領主様が盗みを働くなんて、濡れ衣にもなりゃしないだろう」

 アベルが笑いながら言った。

「出来の悪い冗談だな」

 ダリルが鼻を鳴らして言った。

「なあ、オジサン。なんで、メダルが盗まれたって知ってるんだ。ペイルさんは、このお屋敷で事件があったことを内緒にしてたし、俺たちが村で聞き込みをしたときも、そんなことは一言も言ってないぜ?」

 ハリーが言うと、ビルは目を剥き両手で口をふさいだ。

「みんな忘れてるわ。ビルさんは、もっと前に白状してるのよ」

 マリーが言うと、全員が彼女に注目した。

「まさか俺の見たことが領主様の犯罪を証明することになるなんて、思っても見なかったんだ」

 マリーはビルの口真似をして言うと、ペイルに目を向けた。

「伯爵様は、ここで犯罪があったなんて、ビルさんに言いましたか?」

 ペイルは首を振った。

「だから私は、うそつきって言ったんです」

 ビルはがくりと膝を折って床に座り込んだ。

 扉がノックされ、エドとレイヴンが姿を見せた。

「いいところを見逃したようですね」

 エドはビルの姿を見て言った。

「そうでもないぜ、エド。まだ、ララバイが聞こえてこないからな」

 ハリーが言った。

「あなたの言うことは、よくわかりません」

 エドは眉間に皺を寄せて言ってから、ペイルに目を向けた。

「ついでに使用人と兵たちにも、黒騎士様の無実を伝えておきました。もうすぐ約束の日暮れですからね」

「ありがとう、エド。これで、ひとつ心配事が片付いたな」

 ペイルは大きく息を吐いた。

「伯爵。大方はエドから聞いたが、今はどう言う状況だ?」

 レイヴンが聞いた。ペイルは友人に、要点をかいつまんで説明する。全てを聞き終えたレイヴンは、床の上でうなだれるビルに「残念だ」と短く言ってから、再びペイルに目を向けた。

「私の領民が面倒を掛けてすまなかった。私は彼と一緒に、この犯罪に対する責任を負う義務があると思う。どうだろう、彼への罰は私と折半すると言うことにはできないだろうか」

 ドロシーをはじめとする彼の領民たちは、口々に不満を述べるが、レイヴンは折れなかった。ペイルはため息をつき、言った。

「まずは、彼の話を聞いてからにしよう。それによっては酌量の余地がないとも限らない。量刑も決まらないのでは、折半も何もないだろう?」

「もっともだ、伯爵。聞いたか、ビル。我々が負う罰は、お前次第だぞ」

 ビルは顔を上げ、ちらりと窓の外を見てから言った。つられてマリーも外を見ると、すでに日は落ち辺りは暗くなり始めていた。

「それには及びません、領主様。罰は俺一人で受けるし、こんな事をしたわけも、ちゃんと話します。実は、俺のアイディアじゃないんです。そこのマリーにそっくりな女の子に頼まれましてね」

 ドロシーがはっと息を飲み、ジローは舌打ちをした。マリーとハリーは顔を見合わせ、二人で大きなため息をついた。またしても影の仕業だったのだ。

「彼女は昨日の明け方、俺の家を訪ねて来たんです。その時の彼女はひどく怯えている様子で、俺がどうしたのかと聞けば、自分にそっくりなオバケに追われて困っていると答えました。最初は俺も、そんな馬鹿な事なんてあるかと笑い飛ばしたんですが、彼女は俺のベッドに潜り込んでくると、ぶるぶる震えながら俺に抱きついて来ましてね。そりゃあもう、ちっちゃくていい匂いのする娘だったんで、俺はすっかり彼女に夢中になって、どうにかして助けてやらなきゃと思うようになったんです」

 するとハリーは、マリーをじろじろ見てから言った。

「お前、同じ顔なのに、可愛さで負けてるみたいだぞ」

 マリーはハリーの向こう脛を爪先で蹴りつけ、ハリーは声を殺してうずくまった。彼らがふざけている間にも、ビルの話は続いていた。

「彼女には作戦がありました。まず彼女が村中でイタズラをして、次に俺が怒った村の連中をオバケにけしかけ、とっ捕まえてからひどいお仕置きをするって算段です。適当に痛めつければ、もう彼女を追いかけ回そうなんて気も失せるでしょうからね。日が昇ってから彼女はイタズラを始めました。俺は、頭に血が上った村の連中と一緒になって、彼女を追い掛け回しました。もちろん、彼女が捕まらないよう手を貸しながらですが、今思えば余計なお世話だったかも知れません。彼女は、彼女の手の平にちょっと余るくらいの小さな鏡を持っていて、それに映したものと同じ姿に変身できるんです。彼女は追い詰められると、その変身の魔法で別人になりすまして、簡単に追っ手を煙に巻いてました。それと、彼女は自分を目立たなくすることが出来るようなんです。例え目の前にいても、注意して見ないと彼女がいるとは気付けません」

「な、俺の言ったとおりだろ。あいつ、やっぱりいかさまを使ってるんだ」

 ハリーはジローに話しかけた。ジローは鼻をひくひくさせただけで、何も答えなかった。

「そうやって彼女は逃げ回りながら、オバケが教会に隠れていることを俺に教えました。俺はみんなを教会へ連れて行き、そこにいたオバケをイタズラ娘に仕立てあげました。ところが、そこへドロシーさんがやって来て、そいつを連れて行ってしまったんです。手ずからお仕置きをすることが出来なかったのは残念でしたが、領主様の裁きでもっとひどい罰を受けるに違いないと思った俺は、もう心配は要らないと彼女に教えました。でも、彼女はひどく腹を立てて言ったんです。ビル、あなたはしくじったのよ。あのオバケはきっと、領主様を丸め込んで私たちを捕まえに来るわ。そうなる前に手を打たなきゃ――ってね。そして彼女は、この計画を思い付いたんです。正直に言うと俺は、うまく行きっこないと思いました。伯爵様のお屋敷で盗みを働いて、それを領主様になすりつける。言うだけなら簡単ですが、どうやってもお屋敷に忍び込めるなんて思えません。そこで彼女は俺に思い出させたんです。自分の魔法を使えば、そのくらいのことは朝飯前だって。彼女は伯爵様と領主様に化け、まんまとメダルを盗み出して、その罪を領主様になすりつけることに成功しました」

 ビルは憎しみを込めた眼差しでマリーを見た。

「領主様が盗っ人として捕らわれれば、彼に守られていたそいつも身動きが取れなくなりますからね。その間に、俺たちは二人で遠くに逃げるつもりだったんです。でも、俺は失敗しました。もう彼女とは会えないでしょう。その代わり、彼女が逃げる時間を稼ぐことが出来ました。日暮れまでに俺が家に戻らなかったら、彼女は一人で逃げるって約束だったんです」

 全員が窓の外に目をやった。日没はとっくに過ぎて、外は夜の帳に覆われている。

「くそっ、ビルの家だ!」

 ハリーが天使らしからぬ悪態をつき、彼らはペイルの書斎を飛び出した。


 縄を打たれたビルを連れて、一行は彼の家の前に立っていた。カールが扉を開けランプで中を照らす。ベッドの上に伯爵のメダルがぽつんと置かれているだけで、鏡のマリーの姿はない。

「してやられたな」

 ジローが呟いた。

「ああ。全部、時間稼ぎだったんだ」

 ハリーは、入口に振り返って言った。カールがランプで照らすと、そこにはピンク色の文字が書き置かれていた。

「まぬけなビルへ。牢屋の中でも私を忘れないでね」

 ハリーは読み上げ、ビルに目を向ける。

「あいつにはめられたのは、あんたも一緒だったみたいだな」

 ビルは何も答えず、呆然と文字を見つめるばかりだった。

 マリーはドロシーの袖を軽く引っ張った。

「これ、ありがとう」

 借りていた手鏡を差し出す。ドロシーがそれを受け取ると、マリーは彼女にジローを返すように言った。ドロシーはじっとマリーを見つめ、彼女にジローを渡すと、膝を突いて二人をぎゅっと抱きしめ言った。

「気を付けてね、マリーちゃん」

 マリーはこくりと頷いた。ドロシーの髪は、ひどく懐かしい匂いがして、マリーは胸が締め付けられるように感じた。

「ジロー坊ちゃまは、怪我が治ったらお風呂に入ること。あなた、ちょっと臭うわ」

「考えとくよ」

 ジローは鼻をひくひくさせながら言った。

「ドロシーさん、俺は?」

 ハリーが目を輝かせて言った。ドロシーは苦笑しながら、彼も抱きしめた。

「あまりエッチな事をして、マリーちゃんを困らせちゃダメよ」

「ドロシーさん、知らないのか? 天使は嘘をつけないんだ。たから俺は自分に正直に生きてるのさ。あんたもそうした方がいいぜ」

 そして、ハリーは声を潜めて言った。

「ペイルさんのこと好きなんだろ?」

 ドロシーは顔を真っ赤に染め、ハリーの頭を小突こうとした。ハリーはひょいと身を躱し、意地悪く笑った。

「行くのか、マリー?」

 レイヴンが聞く。

「はい、領主様。お世話になりました」

 マリーはお辞儀をして言った。

「君には世話になった」ペイルが言った。「私は誓うぞ。君か困ったときは、君がどこへいようと絶対に駆けつけ、君の助けになる」

「私も誓おう」レイヴンは言った。「騎士の誓いは絶対なのだ。例えそこが地獄であろうとも、必ずや我々は君を助けに現れるだろう」

「ありがとうございます、領主様、伯爵様」

 お辞儀するマリーの脇腹を、ハリーが指で突いた。

「ほら、可愛さが足りないぜ。サービス、サービス」

 マリーは笑顔で頷いて見せてから、ジローをハリーに預けて二人の騎士に抱き付いて言った。

「ありがとう、騎士様たち」

 それから、彼女はちょっと考えてから付け加えた。

「大好きよ」

 白と黒の騎士は戸惑うように顔を見合わせ、それから楽しげに笑った。

「大好きはやり過ぎじゃないか?」

 ハリーは難しい顔をして言った。

「練習が必要だな」

 ジローが頷く。

「二人とも、やめて」

 マリーは顔を赤くして言うと、落書きされた扉のノブに手を掛けた。それから振り向いて、見送る人たちに手を振った。新しい冒険の始まりだった。

鏡のマリー シリーズ第二幕、どうにか終わりました。今回はパズル要素無しで、推理風の展開になっております。と言っても、簡単に答えがわかるトリックとも言えないトリックなので、難しさを求めた人にはごめんなさいを言っておきましょう。

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