西大公都をおさんぽ
「はあ、お腹すいたなぁ」
結局夕食の増量は叶わず、欲求不満を覚えながらもボクは西大公都の街中を歩く。結局、門番さんが言ったとおり一晩眠って起きたら釈放された。
流石に大公都のメインストリート、石造りのしっかりとした建物の中からは色々なものを売っている声が聞こえるし、その建物の前には軽食の屋台や何やら怪しげな露天がひしめき合っている。ゼノウ島ではここまでの規模の人ごみはあり得なかったから、なにやらワクワクした気持ちになってくる。
「毎度! 兄ちゃん、大公都は初めてだろ? 楽しんでってくれよ!」
お腹の虫もだいぶ元気になってきたので、お目当ての屋台を見つけて、そこでサンドイッチのようなものを買う。パンに味付けされた何かの肉が挟まれただけの代物だけど、滴る肉汁が食欲をそそる。屋台のおっちゃんも気のいい人のようだし、これは当たりかな?
たまらずかぶりつくと、素朴なパンの味にワイルドな肉の風味が合わさって胃袋を刺激する。ああ、これはとても美味しい!
「いい食べっぷりだな、見てるこっちが気持ちよくなってくるぜ。もう一個行っとけ」
「いやー、ちょっと込み入った事情でそこまでお金を使えなくて」
「いいっていいって、俺のオゴリだから食っとけよ」
そこまで言われれば断るのもやぶさかではない。ありがたくいただくとしよう。お、さっきと少し味付けが違うな……。
「んで、食い終わったら俺についてこいよ。もう今日は店じまいだ」
「んぐ、どうしてですか?」
「お前だろ? 昨日大公子サマに奴隷持ってかれた上にブタ箱にぶち込まれたってのは。話は聞いてるぜ」
周りを確認してからそう店主のおっちゃんは耳打ちした。ボクのことを見ただけでわかるものなのだろうか。ボクはアクセスして門番さんに聞いた人の元を訪ねてきたわけだから大して驚きはしないんだけど。
「ん、まぁそうですけど。どうしてわかったんですか?」
「なんだよ、大して驚かないのな。単に人伝でお前の外見を聞いてきただけだよ」
「へぇ、ちなみにどんな風に聞いてたんですか?」
「『死んだ目をしてるけどメシを食うときは目が輝く奴』だ」
ひどい。
戻ってきました。これからは無理なく続けていきたいと考えているしだいです。短ろうが長かろうが、自分がキリがいいと思ったところまで書いて投下するスタイルで行こうと思います。




