転生者の力 1
ズキン……ズキン……… 痛い!!なんだ……………!?
「足が……!?」
銃の弾は少年の足に命中し穴があいていてたくさん血が出ている。
「転生者くん!!!」
アッシュは慌てて駆け寄った。
「アッシュさん、僕足が………」
「わかってる、すぐに屋敷に連れていくから!!」
そういうとアッシュは軍服を着た人達に言った。
「この少年を屋敷まで運ぶぞ!!!いいな!!」
「「イエッサ――――!!!!」」
返事をすると軍服の人たちは僕をタンカに乗せて運んだ。
「え!え!どういうこと!?」
ひどく混乱した。僕を銃で撃った人が助けるって一体………。
するとアッシュが僕の顔を手で翳した。
「転生者くん、屋敷に着くまで眠ってて……」
その瞬間、僕は深い眠りに落ちた………
*********
しばらくして意識が戻ってきた。消毒液の匂いがする。少年は目を開けてベッドの上から周りを確認した。
「ここは………。」
たぶん、医務室とかそういうところだろう。医療機器が部屋の片隅に置いてある。
だんだんと眠らされた前の記憶を思い出してきた。足、あの軍服の人に撃たれたんだっけ?
足に包帯が巻かれている。しかし、足の痛みがしなかった。
「………はぁ」
とため息をついたと同時に部屋の奥のドアが勢いよく開けて誰かが入ってきた。
「お、ようやく目を覚ましたのか。身体の調子はどうだい?」
アッシュだった。
「なぜかはわかりませんが、足の痛みがしないので今のところはなんとも」
「足の痛みは先生が魔法でなくしているんだよ。あと、治癒魔法使ってるから一週間で完全に治るって」
「ま、魔法?」
夢でも見ているのかと疑った、
「そ、魔法。使える人は多くはないけど………それと、なんで君魔法使わなかったの?」
「…………え?」
「転生した人は絶対魔法使えるんだよ。しかも、銃ぐらいの攻撃、魔法使える人にはめったにあたらない」
魔法なんてつかえるのか?でも、どうやって………。
「ちょ!ちょっとまってください!!まだ話がよく……「シャラーーーーーーーーープ!!!!!!!!」
少年とアッシュはドアの方に目を向けた。そこには白衣を着た怖い顔をしている男がいた。
少年に近づき、
「ケガ人はおとなしく寝てろ!!」
「ご、ごめんなさい!!」
おもわず謝ってしまった。こっちの世界に来てから驚いてばかりだ。
「じゃ、転生者くんまたあとで」
と言うと、アッシュは目にもとまらぬ速さで部屋から出て行った。
「あ、アッシュさんちょっと!」
「少年!!」
「ひゃい!!!」
変な返事をしてしまった。
「少し長くなるが、転生者検査をする。」
「転生者検査!?」
嫌な予感がした…………