始まりの街で
若い紳士に連れられ街の中をぐるぐる歩いた。
「あ、あの、どこまでいくんですか?」
「もうすぐさ!」
この若い紳士さっきから同じ道をぐるぐると……。
「ねぇ、きみ~名前は?」
「えっと、僕は………あれ?」
名前を聞かれて気付いたけど、僕の名前って………。
「まぁ、いいさ。後でまた教えてくれ。あ!ちなみに俺はアッシュ。よろしくな。」
「………あ、よろしくお願いします。」
はっ、となって焦りながら返事した。
「大丈夫?」
「大丈夫です。 それより僕に合わせたい人って一体誰なんですか?」
それを聞いてなかったのを思い出して、聞いてみた。もしかしたら僕のこと知ってるのかなぁ……。
「ん~~~、……知りたい?」
「……はい。」
「じゃあ、教えよう!」
(-…ハァ、なんかこの人めんどくさい)
「え~~と、その人はね、いつも部屋にこもって何かの研究してる。部屋からめったに出てこないから屋敷の使用人が生きてるか確認してるほどなんだ。実のところ、俺も会ったことないんだよね。」
「え、会ったことないんですか!?」
「うん。」
「そうですか…。(この人……大丈夫かなぁ、)」
正直、不安になってきた。この人について来てよかったのかなぁ。そんな自分に思いもしないことが来ることも知らずに………
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しばらく、あれこれ話していると……
突然、アッシュは言った、
「そろそろ、行かないとまずいね。」
アッシュの表情が一変した。次の瞬間、
ダダダダダァ―――――……ドドドドォ―――……
後ろの少し離れた方から軍服を着た人たちが走ってきた。
全員おっかない顔をして銃を構え始めた。
何が何だかわからない自分に銃を向けられさらに混乱した。
「また、こりずに来たな。」
アッシュはこんな状況にもかかわらず冷静だった。
「あ、アッシュさん逃げない…」
バキュウウウゥゥンッ――――………
銃声が鳴り響いた………。