始まりの街
向こうに見える街に向かって歩いた。あの街には何があるんだろうか、僕は一体あの街で何をするのか、
いろいろ考えながら歩き続けていると突然、霧がかかってきた。街に近づくにつれてどんどん濃くなっていく。もう街がどこにあるのかすらわからない。ただひたすら前に歩き続けた。
すると、目の前に大きな門があった。
「うわぁ……でけぇ~~ってかどんだけでかいんだよ、この門……」
霧が深くて全体的には見れないがそんな感じがした、いや、たぶん……そうだろう。
門は固く閉ざされていて、開かなかった。他に入れるところがないか探した。
すると、門から少し離れた壁にちょうど自分が入れそうな穴があった。入ってみると、穴は奥まで続いていた。
「(街につながってるのかな……?)」
そう思いながら穴に入り、奥まで進んだ。
進んでからしばらくすると出口が見えた。
僕はそこから早足で出口を出た。
ずっと暗い穴の中を通っていたから外がまぶしかった。
視界を整えて見ると、街の中に出ていた。
「はぁ~~~、やっと街に着いた。」
息を深く吐きながら背伸びをした。街の風景を見ながらこれからどうするか考えた
。
あの老人に言われたこと思い出しながら少し離れたところにあった茶色のベンチに腰をかけた。向こうのお店の窓ガラスに映った自分を見て少し驚いた。本当に転生したんだな……。
髪が若干茶色いし顔も悪くない。女の子のような顔をしてる。
こういう顔をイケメンなんていうのかな……。服はワイシャツ一枚にジーパンだった。少し肌寒かった。
ぼぉ~~っとしていると、突然、自分の肩を優しく叩かれた。振り向くと帽子を被った若い紳士がいた。
「君、もしかして転生者だったりする?」
「…………たぶん、そんな感じです(汗)」
驚きを隠せずにそう答えた。なぜ自分が転生した人だとわかったんだろう?転生者って………。
若い紳士は僕の腕をつかみこう言った。
「君に会わせたい人がいるんだ。だからついてきてくれるかな?えっと……転生者くん」
「よくわからないけど、その人のところまで……お願いします………」
本当によくわからないけど、ついていくことにした。