7.天界最強の俺、神から人間になる
〝シュポンッ〟
渦の入口が塞がっていく。恨めしい親父がどんどん小さくなっていき、ついにその姿が見えなくなった。
あの不思議な渦の中は真っ暗で、無重力の状態だった。怖くて 逃げ出したいはずなのに、モルディアはどこか懐かしい感覚を覚えた。風にゆっくり流されていく様な…吸い込まれて行くような…そんな感覚に
〝ふわぁ〜〜〟
モルディアは大きなあくびをした。
「なんだ…急に、眠たく…なっ…て…」
モルディアに急な睡魔が襲ってきた。頑張って目を開けようとしたが、そう思えば思うほど瞼は重たくなっていった。
【…あれ…?なんだ…光ってる…俺が光っているのか…?あぁダメだもう…】
モルディアはゆっくり瞳を閉じた。
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ハッ!!
どれくらいの時間がたったのだろうか、モルディアは目を覚ました。眠りに落ちた時の状況と打って変わって、渦の中にはトンネルのように1本の道ができていて明るく先が良く見えた。
「うわぁああああ!!!」
モルディアは渦の中をものすごい勢いで滑って行く。手足を全力で広げスピードを緩めようとしたが全く効果がなかった。
「うわぁあああ!え??ぎぃやぁあああああああ!」
モルディアは急に震え出した。先程まで見えていた先が急に見えなくなったからだ。モルディアの恐怖はさらに大きくなった。
「もうダメだ!ぶ、ぶつかる!!!」
モルディアは咄嗟に体を小さくさせ、目をぎゅっと瞑った。
【…?】
【…あれ?ぶつから…ない?】
恐る恐る目を開けた瞬間だ。
〝ストンッ〟
モルディアは真下に落下していった。
『うわぁああああああ!!』
ドシャッ
「いってぇ〜…」
こうしてモルディアは下界に来たのだった。
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「クソッ!あのクソ親父!」
モルディアは暫くの間、地団駄を踏みながら父エルディアへの不満を叫んでいた。しかし、10分たった頃には疲れ果ててその場に座り込んだ。
「はぁ〜〜」
モルディは大きなため息をついた。そして落ち着いたのか、「よし!」っと声を出すと立ち上がった。
【とりあえずこれからどうするかを考えないとだな。】
モルディアはゆっくりと周りを見渡すと見たことがない世界に少し胸が高なった。
「…なんだここは!俺の全く知らない世界だ…」
嗅いだことのない花の香り、遠くから聞こえる聞いたことのない生き物の遠吠え、感じたことのない体の感覚、全ての新しいがモルディアの好奇心を刺激した。
「…そういえば、親父が俺のための特別製の体って言ってたが、俺の体と何が違うんだ?」
モルディアは疑問に思いつつも試しにその場で高くジャンプした。いや、したつもりだった。
「な、なんでだ?!」
モルディアは自分が跳んだ高さが想像した半分よりも低いことに驚きが隠せなかった。
「天界にいた時はもっと高く跳べた!なぜこれだけしか飛べないんだ!!」
モルディアは驚きのあまり足を覗き込むために頭を前に突き出した。その時だ
「うわぁ!」
モルディアは慌てて自分の長い髪を鷲掴みし、前に引っ張って髪をじっと見つめた。
「髪が真っ黒だ!!!」
モルディアの銀髪は真っ黒に染まっていた。モルディアは驚きの反動で尻もちを着いてしまった。
〝ドシャッ〟
それでもモルディアは髪を掴んだままその場で固まっていた。そして、モルディアは気付いていなかった。
〝ガサガサ…ガササッ〟
自分に近付く《何か》の存在に…




