2.天界最強の俺、150歳になる その1
遡ること約半年前
ーー天界 アストラエルーー
神々が生活する天界アストラエル。
ここに住む住民は皆、美しい銀髪に個性豊かな色こ瞳を持っている。そして、創造神エルディアが1000年かけて創り上げ、2000年以上護ってきた世界《下界》を今では十二神を始めとするアストラエルの住民で護っている。ただひとりを除いて…
ドーーンッ!
爆炎と共にひとりの男が壁を壊して飛び出て来た。そのまま男はものすごいスピードで走り去っていく。そう、彼が創造神アル=エルディアの唯一の息子アル=モルディアだ。
『おい!モルディア!こっちに戻ってこい!』
そう叫びながらモルディアの後を大きな身体をした男神が追いかけていく。
「嫌に決まってるだろ!下界下界ってしつこいんだよ!それにタウロネスの話は長くてつまんないんだー!」
モルディアは腰まである長い髪を激しく揺らしながらそう叫び走るのを止めなかった。男神は一生懸命モルディアの後を追うがその距離はすぐに離れていった。
『はぁ…どうしたものか…』
男神はそうため息をついて追いかける足を止めた。
先を走るモルディアはもう豆粒の大きさになっている。
彼はタウロネス。牡牛座の神であり、短い髪に褐色の肌、綺麗な夕日のようなオレンジの瞳をしている。そして、彼は今日のモルディアの説得係に任命された不運な男神だ。なぜ不運かって?それは十二神で行った〝教育係決めくじ引き〟で見事ハズレを引き当てたからだ。
『このまま下界に興味を持たないとなるとエルディア様が不在の間、下界をモルディアに任せることができない…もうすぐ100年の眠りについてしまうというのに…』
「はぁ、はぁ、はぁ」
モルディアはまだ走り続けていた。
「こんなのやってられるかっ」
俺は天界で最強だ。ちなみに俺が最強になる未来は天界アストラエルに産まれたその瞬間から見えていた。並外れた神聖力、武闘のセンス、そして精神力!!
…ガキの頃は妖精たちと共にこの世界や下?の世界について教えられていた。正直興味が全く持てなかった、、、
やっぱり男神なら武闘。力こそが正義!!
稽古は生まれた時からタウロネスにつけて貰ってた。いつも勝てなくて悔しい思いをしていたけど、俺が100歳を越えたあたりからはもうタウロネスは相手にならなくなっていった。
実際、、10年前に行われた神々による親善武道大会では俺が圧倒的な力を見せて1番を取った、つまり天界最強ってことだ。これはもちろん当然の結果だ。
俺ももうあと半年で150歳になろうとしている。それなのにどいつもこいつも下界がどうのこうのと毎日飽きずに俺に話をしてくる。
「俺は強くて面白い生き物が好きなんだ!あんな弱い奴らなんて興味が微塵とも湧かないんだよっ!」
正直もう飽き飽きしていた。
あぁつまらない…この世界はなんにもない
だから俺はいつもこうして高い木の上で寝ているんだ。




