13.俺は下界でも天才なのかもしれない
『よし!次は魔力量だな!』
ルークは再びカードをはめると魔力量を選択した。そして、ゆっくり魔石に触れた。
『ふぅ…ふん!』
ルークはなにやら力を込めているみたいだ。
ハーファンは少し近くによって魔石を見た。魔石をじっと見つめると中いっぱいに見える黄色いモヤが広がっていた。そしてそれはだんだん小さくまとまっていく。
〝ピピピピピ〟
『ふぅ!どうだ!』
《19530》
『くそー!まだやっぱり2万行けないなぁー!』
ルークはクッと顔をしかめたが、すぐにニコッとハーファンに笑いかけた。
「よし、次やってみるか!」
『あぁ!』
ハーファンはカードをセットすると魔力量を選択した。そして魔石をぐっと見つめた。近くで見ると先程とは違い黄色のモヤはキラキラ輝いているように見えた。
『とりあえず中にある魔素に魔力を込めるんだな。全部の力を出し切るんだ!その魔素は干渉された分だけ変化を起こして小さくなっていく、分かりやすいだろ?』
「なるほどな…」
【ここの魔素の感覚は神聖力に似ている。150年操作してきたんだ慣れている。】
ハーファンは魔石に手を触れるとぐっと力を込めた。その瞬間だった。
「な、なんだこれ!」
魔素のモヤはすごい勢いでまとまっていった。そして、ついには目に見えないほど小さくなってしまった。しかしまだ終了の合図はならない。
『お、おい!こんなの始めてだぞ!』
ルークの声に周りの人もこちらに視線を送った。そして、
〝ピピピピピ〟
ついに終了の合図の音が響いた。
「え?」
ハーファンは魔石に出た数字をみて驚いた。
《159044》
「一、十、百、千…え?15万?」
『15万…?1万5千じゃなくてか?』
さすがに高すぎる結果に間違っているのではないかと思った。
「も、もう一度やってみてもいいか?」
『あぁ…もちろんだ。』
ハーファンはもう一度測定することにした。もう一度魔石に手を当てて深呼吸をした。
「ふぅ…」
〝ピピピピピ〟
『まじかよ…』
《159044》
全く同じ数値が魔石に示されていた。どうやら先程も間違えではなかったみたいだ。
『おい、15万ってまじかよ…』
『SSランク余裕で越してるぞ…』
遠くから誰かの声が聞こえてくる。
「もしかして俺…才能があるのかもしれない。」
ハーファンは自分の手を見つめながらぽそっと呟いた。
ルークは一瞬戸惑ったもののすぐにハーファンに駆け寄り肩に腕を回しながら喜んだ。
『お前天才じゃねーか!センスの塊だ!』
「天才…センスの塊!」
『おい…もしかしたら体内魔素量もすごい量かもしれないぞ!だとしたら…もう、それは最強だ!』
「最強…!」
ルークは自分の手をグッと握り見つめるとニヤッと笑った。
【俺、天界だけじゃなくって下界でも最強になるんだな!!】
『もしかしたらハーファンは勇者様の生まれ変わりなのかもな!』
「勇者?なんだそれ?」
『ま、冗談だけどな!ガッハッハー!』
そう言って背中をバシバシと叩いた。
『よし!体内魔魔素量測りに行くぞ!』
「おう!」
勇者という存在に疑問を浮かべつつもハーファンは期待でいっぱいだった、この時までは…。
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『30ですね。』
「ほんとに?」
『30です。』
体内魔素量を計測してくれる女性が淡々と答えた。
体内魔素量を測る魔石は受付の横にあった。ふたりは軽い足取りでその場まで歩いていった。
ルークはハーファンに最初に測るように進めてくれた。
『体内魔素量を測りたい!こいつが先で頼む!』
『はい、かしこまりました。』
カウンターにいた女性は笑顔で2人を案内していく。
『こちらのこのマークに足がなるべく会うように立ってください。』
女性は下の足跡のマークを手で示しながら説明を始めた。
『次はこちらの手の跡に手を当ててください。…ありがとうございます。では、測定していきます。』
「お、俺は何をしたらいいんだ!」
『何もいただかなくても大丈夫ですよ!リラックスしてお待ちください。』
「ああ。分かった…」
『では、測定しますね。』
女性は何やら操作を始めた。そして『終わりました!』とすぐに言った。
「いくつだったんだ!」
ハーファンは期待で胸いっぱいだった。少し前のめりになりながら問いかけた。
『はい、そうですね…30です。』
「え、っと?何って?」
『30ですね。』
「ほんとに?」
『30です。』
「…30ー!?」
驚きのあまり大きな声で叫んでしまった。ハーファンはすぐにルークの方を見つめると問いかけた。
「お、おい!30って少なすぎないか?!」
ルークはビクッと肩を上げると答え始めた。
『ああ…産まれたての赤子並だな。』
「赤子?なんだそれ…でも産まれたてって0歳の人間と同じってことか?」
『まぁ…そうなるな…』
ルークは頭をぽりぽりかけながら目を逸らした。
「まじかよ…俺弱すぎるじゃねーか。いや、なにかの間違いだ!もう1回測ってくれないか?」
ハーファンはそう言ってまた足と手をマークの位置でぐっと固めた。
『えっと…かしこまりました!もう一度測定します!』
しばらく経ってからだった。
『測定終わりました!』
「い、いくつだった!」
『30です!変わりませんでした。間違いはございません。』
はっきりと言われたことでハーファンはショックを受けてしまった。
「30…」
か細い声で呟くとハーファンはその場で膝を着いた。




