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古代遺跡への長い道のり

「エルドラドの墓所」は町から北に50キロほど離れた山奥にあるらしい。徒歩だと丸一日はかかる距離だ。


俺は意気揚々と町を出発した。道中、美しい草原や小川、森の風景を楽しみながら歩いていた。異世界の自然は本当に美しい。空気も澄んでいるし、地球とは違う鳥の鳴き声も聞こえる。


しかし、3時間ほど歩いたところで気がついた。


「うわあ、めちゃくちゃ疲れた...まだまだ先は長いし...」


汗だくになりながら道端の岩に腰を下ろす。営業で外回りはしていたが、こんなに長距離を歩いたことはない。


「あれ?待てよ...」


ふと、自分のスキル一覧を思い出した。確か【時空操作】ってスキルがあったはずだ。


「そうだ!瞬間移動できるじゃないか!今まで何やってたんだ俺は!」


【万能解析】で目的地の位置を正確に把握し、【時空操作】を発動。


「テレポート!」


次の瞬間、俺の体は光に包まれ、古代遺跡の前に瞬間移動していた。


「おおお!本当にできた!これは便利すぎる!」


なんだ、最初からこうすれば良かったじゃないか。チートスキルを持ってることを忘れてた。




エルドラドの墓所


古代遺跡「エルドラドの墓所」は、深い森の奥にひっそりと佇んでいた。巨大な石造りの神殿のような建物で、無数の彫刻が施されている。見るからに古く、神秘的で、そして不気味なオーラを放っていた。


【万能解析】で遺跡を調査すると、驚愕の情報が表示された。


『建造年代:約3000年前

危険レベル:極大

推定戦闘力:国を滅ぼすレベル

内部構造:地下5階まで確認

罠の数:247個

守護者:古代竜・カイロス(推定戦闘力:SSS級)』


SSS級の古代竜が守護者って...マジかよ。でも、今更引き返すわけにはいかない。5億セルンのためだ。


遺跡の入り口は重厚な石の扉で封印されていたが、【絶対命令】で「開け」と命令すると、ゴゴゴゴと音を立てて開いた。


「よし、入るぞ」


内部は松明の明かりで薄暗く照らされていた。古代の魔法なのか、3000年経っても火は消えていない。廊下の両脇には無数の石像が並び、まるで俺を見つめているようだ。


歩いていると、床の一部が沈んだ。罠だ!


シュッ!


壁から毒矢が飛んでくるが、【確率操作】で全て外れるよう操作。毒矢は俺をかすめて反対側の壁に突き刺さった。


「危ない危ない。さすが古代遺跡、罠が凝ってる」


その後も落とし穴、毒ガス、火炎放射など様々な罠があったが、チートスキルがあれば楽勝だった。まあ、普通の冒険者なら確実に死んでるレベルの罠だけど。





運命の出会い


遺跡の最奥、地下5階の大広間に辿り着いた。天井は高く、古代の壁画が描かれている。そして部屋の中央には巨大な宝箱が置かれていた。


「おお、あれが宝箱かな?」


近づいてみると、宝箱の前に小さな影がいるのに気がついた。


それは手のひらサイズの可愛らしいドラゴンだった。緑色の鱗に金色の瞳、小さな翼をぱたぱたと動かしている。


「あれ?子どもドラゴン?めちゃくちゃ可愛いじゃん」


思わず近づこうとした時、そのドラゴンが口を開いた。


「待て、貴様!」


なんと喋った!しかも声は野太い男性の声だった。


「遺跡を荒らしに来た盗人め!この俺様が相手になってやる!」


次の瞬間、手のひらサイズだったドラゴンの体が光に包まれた。そして...


ドゴォォォン!


光が消えると、そこには10メートルもある巨大な古代竜が立っていた。威厳に満ちた翡翠色の鱗、鋭い牙と爪、そして俺を見下ろす金の瞳。まさに竜王の風格だった。


「我が名はカイロス!この遺跡の守護者である!」


古代竜カイロスの咆哮が大広間に響き渡る。その迫力に俺は思わず身震いした。


「竜王の誇りにかけて、貴様を倒す!」




古代竜との死闘・第一ラウンド


カイロスとの戦闘が始まった。いきなりSSS級の相手との戦いだ。


「【古代竜魔法・天雷】!」


カイロスの咆哮と共に、天井から巨大な雷が落ちてきた。俺は咄嗟に【絶対防御】を発動。


バリバリバリ!


雷は俺の周りに展開されたバリアに阻まれ、床に激突した。石の床が大きく抉れ、煙が立ち上る。


「何?防がれただと?」カイロスが驚く。「貴様、只者ではないな」


「俺だって負けてられないぜ!【絶対命令・動くな】!」


俺の命令がカイロスに向けて放たれるが、古代竜の意志の強さは伊達じゃない。完全には動きを止められなかった。


「フン、精神攻撃など通用せぬ!【古代竜魔法・火炎嵐】!」


今度は口から巨大な火炎が噴射された。部屋の温度が一気に上昇し、石の柱が溶け始める。


俺は【時空操作】で空間を歪め、火炎を別次元に逸らした。


「おいおい、遺跡を壊すなよ。修理費がかかるだろ」


「修理費?何を言っている?」


「あ、いや、こっちの話」


戦闘を続けていると、カイロスが妙なことを言い出した。


「貴様...まさか借金持ちか?」


「え?なんで借金の話?」


「その必死さ、その諦めの悪さ...借金持ちの特徴だ」


なんだこいつ、借金持ちの特徴を知ってるのか?


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