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責任と新たな借金

しかし、問題が発生した。戦闘で村の建物がいくつか損壊してしまったのだ。


「えーっと、建物修復費、医療費、精神的損害...」


メリサが暗算で計算している。さすが元経理担当だ。


「合計1000万セルンね」


「1000万!?」


俺とカイロスが同時に叫んだ。


「仕方ない。3人で分担しよう」


「そんな...私が原因なのに」


「メリサ、俺たちも戦闘に参加した。責任は3等分だ」


結局、334万セルンずつ負担することになった。俺の借金がまた増えてしまう。


新しい借金残高:999億668万セルン


「またか...」


頭が痛くなってきた。


「でも、仲間が増えたことの方が大きいわ」


メリサが初めて笑顔を見せた。美人が笑うと、本当に綺麗だ。


「そうだな。金では買えない価値があるからな」


カイロスも同意する。


「よし、これから三人で協力して借金返済を目指そう!」


俺は拳を天に向けて宣言した。




新体制とエピローグ


村の後片付けを手伝った後、俺たちはレオネス荘に戻った。メリサも一緒だ。


「すごい豪邸ね...これも【神器創造】で?」


「そうだ。どうせ住むなら快適な方がいいからな」


メリサは豪邸を見回して感心している。エントランスホールの大理石の床、吹き抜けの天井、そして各キャラの紋章が刻まれたステンドグラスに目を奪われている。


「建築費概算2億セルン...いえ、材料費がタダなら建設費はほぼゼロ...」


早速、経理的な視点で分析を始めるメリサ。さすがだ。


「でも、維持費はどうしてるの?」


「全部スキルでまかなってるから、維持費は基本的にゼロだ。食料も【神器創造】で作れるし」


「それは便利ね...」


俺はメリサを館内に案内することにした。まずはリビングルームから。


「80平方メートルの居住空間...この革張りソファセット、上質な革ね。あ、これって暖炉?でも薪がない...」


「魔法暖炉だ。【神器創造】で作った。薪なしで暖かくなる」


「魔法技術をこんな身近なものに応用するなんて...」


次にダイニングキッチンを案内した。


「うわあ...この設備は何?」


メリサが最新式のキッチンを見て目を輝かせている。


「見たことのないものばかりね...」


「これが食洗機だ」


メリサが食洗機の扉を開けて中を覗き込む。


「信じられない...皿洗いが自動でできるの?」


「そうだ。食器を入れてボタンを押すだけ。お湯も洗剤も自動で調整される」


「こんな便利な道具が存在するなんて...家事労働が革命的に削減されるじゃない!」


メリサの興奮ぶりが可愛い。元貴族のお嬢様だったから、家事の大変さは身に染みて分かっているのだろう。


「2階に個室を案内しよう」


階段を上がりながら、メリサは電気照明に感心していた。


「この明かり、炎じゃないのね。魔法?」


「LED照明を【神器創造】で再現した。電気で光るんだ」


「電気...未知の技術ね」


メリサ専用の部屋を案内する。35平方メートルの整理整頓された空間に、複数のデスクと計算機、帳簿保管棚。


「ここが君の部屋だ。経理作業がしやすいように設計した」


「私専用の...ありがとう」


メリサが感動で声を詰まらせる。5年間、宿屋の小さな部屋で借金に追われ続けてきた彼女にとって、これほど広く機能的な部屋は夢のようなものだろう。


「それと、各部屋にはトイレとバスルームが付いている」


「個人専用の?」


「そうだ。見てみるか?」


バスルームの扉を開けると、メリサが絶句した。


「これ...お風呂?こんなに綺麗で広いお風呂が個人専用で...」


「シャワーもある。お湯が上から出てくるんだ」


実際にシャワーを出してみせると、メリサが驚嘆の声を上げた。


「すごい水圧...それに温度も完璧」


「そして、これがトイレだ」


俺がトイレの扉を開けると、メリサがさらに驚いた。


「便座が...白くて美しい」


「それだけじゃない。座ってみろ」


「え?でも...」


「大丈夫、清潔だから」


恐る恐る便座に座るメリサ。すると便座がほんのり暖かいことに気づく。


「あったかい...」


「これがウォシュレットだ」


俺は一旦外に出てドアを閉める。


「ウォシュレット?」


「お尻を洗ってくれる機能だ。ボタンを押してみろ」


メリサが慎重にボタンを押すと、温水が適度な勢いで出てきた。


「きゃっ!」


メリサが小さく悲鳴を上げる。


「水が...お尻を洗ってくれてる...」


「温度や水圧も調整できる。それに乾燥機能もある」


「乾燥機能?」


「赤いボタンだ」


温風が出てくると、メリサは完全に言葉を失った。しばらく沈黙の後、ついに口を開く。


「これは...神器よ」


「ウォシュレットが?」


「だって、人間の最も基本的で重要な営みを、これほど清潔で快適にしてくれるなんて...」


メリサが便座から立ち上がり、ウォシュレットを見つめる目は尊敬に満ちていた。


「5年間、宿屋の共同トイレを使ってきて...こんな快適なトイレがあるなんて知らなかった」


「地球では一般的な設備だったんだ」


「地球の技術は素晴らしいのね。レオ、あなたは本当にすごい人だわ」


「ウォシュレットで褒められるとは思わなかった...」


カイロスが小型化して肩に止まりながら呟く。


「俺も最初は驚いたぞ。竜王城にもこんな設備はなかった」


「カイロスも感動したの?」


「ああ。特にこの『乾燥機能』は衝撃的だった。魔法でも難しいぞ、こんな精密な温度制御は」


メリサがもう一度便座に座り、各種機能を試している。


「全部の機能を試してみろ」


10分後、メリサはついにバスルームから出てきた。その表情は完全に満足そうだった。


「レオ、私この家で暮らせるなんて夢みたい」


「歓迎するよ。三人で協力すれば、借金返済も不可能じゃない」


「ええ。特にこのウォシュレットがある限り、どんな苦労も乗り越えられそうよ」


「ウォシュレットでそこまで励まされるか...」


ダイニングルームに戻り、改めて三人の借金状況を整理した。メリサが作った表は、さすがプロの仕事だ。


**借金管理表**

- **レオ**:999億668万セルン(月利15%、残り22日)

- **カイロス**:2億334万セルン(月利3%、残り180日)

- **メリサ**:50億334万セルン(月利8%、残り90日)


「こうして見ると、レオの借金が桁違いね...」


「127個もスキル取ったからな...」


我ながら無茶をしたと思う。


「でも、この豪邸での快適な生活を考えれば、頑張れるわ。特にあのウォシュレット...毎日使えるなんて幸せすぎる」


「まさかウォシュレットが借金返済のモチベーションになるとは...」


カイロスが苦笑いしている。


「でも、これだけのスキルがあれば、不可能はないはずよ」


メリサが希望的な見方を示す。


「そうだな。三人で協力すれば、何とかなるかもしれない」


その時、魔法通信でミアから連絡が入った。


『レオさん、皆さん無事でしたか?村の被害報告が届いて、すごく心配で...』


「ああ、無事だよ。それに、新しい仲間も増えた」


『仲間...ですか?』


「ああ、借金仲間がな」


通信の向こうでミアが安堵のため息をついているのが聞こえた。


『良かった...本当に良かったです』


「心配かけてすまん。明日また顔を出すよ」


『はい、お待ちしています』


通信を切ると、メリサが微笑んでいた。


「いい子ね、その受付嬢」


「ああ、本当にいい子だ。俺たちの借金事情を知ってから、いつも心配してくれてる」


「借金のない人がうらやましいわ...でも、私たちにはウォシュレットがある」


「そこで締めるか...」


「快適な生活環境は、精神的な支えになるのよ。明日からの借金返済も、あのウォシュレットがあると思えば頑張れるわ」


三人で同時にため息をついた。


「でも、諦めちゃダメよ。私たちには知恵と力がある。きっと道は開けるわ」


メリサの言葉に、俺とカイロスも頷いた。


窓の外では夕日が美しく輝いている。借金は増えたが、確かに仲間も増えた。一人では絶対に不可能だった999億の返済も、三人なら何とかなるかもしれない。


「よし、明日からまた頑張ろう。借金仲間、よろしく頼む」


「こちらこそ、よろしくお願いします。そして、このウォシュレット、大切に使わせていただきます」


「借金持ち万歳!」


カイロスの冗談に、三人で大笑いした。


借金地獄の現実は変わらないが、それでも希望はある。仲間がいる限り、俺たちは戦い続けるだろう。借金完済の日まで。


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