【猫の日】「西暦２０２０年（令和２年）２月２２日の２２時２２分２２秒きっかりに捨て猫を拾うと、猫神様がその人間にものすごい幸運をもたらすらしい」という噂
西暦２０２０年、又は令和２年の２月２２日。
２と０しかないこの日は、日本という国では毎年恒例の猫の日だった。
テレビでは猫の日特集として、可愛い猫たちが画面に映し出され、人々の心を癒した。
そんなこの日、日本のある小説サイトに１つの噂話が投稿された。
「西暦２０２０年（令和２年）２月２２日の２２時２２分２２秒きっかりに捨て猫を拾うと、猫神様がその人間にものすごい幸運をもたらすらしい」――と。
この噂話を読んだ殆どの人間は、
「そんなバカな話があるはずがない」
「キャットフード会社の陰謀説」
「捨て犬を差別するな」
「拾え拾え詐欺」
「猫神様を美少女擬人化するスレを立ててみた☆」
など、まったく芳しくないものだった。
猫神様は涙に暮れた。
日も暮れて２２時２０分。
犬山柴琉は連休１日目だというのにコンビニバイトで朝１０時から夜の２２時までの１２時間勤務を終え、帰宅途中だった。
足元には小さな黒猫の子猫が「にー、にー」とじゃれ付いている。
犬山家では「犬」の字が入っている事もあり、猫を飼ってはいけないという家訓があった。
ちなみに、下の名前の「柴琉」で「スバル」と読ませるキラキラネームである。
今、まさに柴琉は足元の子猫に魅了されていた。
柴琉は、小説サイトの噂話についてはまったく見ていなかった。
小説サイトのユーザー登録はしていたのだが、今日は本当にバイトが激務だったのだ。
子猫がじゃれ付く。
「にー」
柴琉が足をやさしく振り払う。
「頼むよ、困るよ、家訓でダメなんだよ……」
子猫が足を上ってくる。
「にー、にー」
柴琉は廃棄の弁当を見ながら言う。
「おいおい、腹へってんのか？ おまえ――」
子猫は弁当にはかまわずに柴琉の頭の上に登頂する。
――頭頂部に登頂する……。
「にー、にー、にー」
柴琉は犬っぽくうなりながら吼えた。
「うーっ。おまえはなんて可愛い生き物なんだっ！」
柴琉は決断した。
「くそっ、お前は俺がつれて帰る。もううちの子になれっ！」
柴琉がそう叫んだとき、ちょうど時計の針が「西暦２０２０年（令和２年）２月２２日の２２時２２分２２秒」を指した。
猫神様から柴琉にものすごい幸運のエネルギーが降り注いだ。
この日から、柴琉はやたらと頭が冴え、就職も大手にすんなりと決まり、仕事では大きな契約が取れ、仕事帰りにボートレースに寄れば万馬券――いや、万舟券を取った。
そんな柴琉は貯金も増え、自信も付いたからか、近寄ってくる女性も増えた。
蛇川彩音は柴琉に近づいてきた女性の中で、特に目立って可愛くて背の高いモデル体型のエロい女だった。
柴琉はいまだ童貞だったので、彩音が猛アタックを掛けるまでもなく陥落する。
明日が休日というある夜、柴琉はタワーマンションの高層階の自分の家に彩音を連れて帰った。
手には高いシャンパン、生ハム、高級チーズ等が入ったマイバックを下げている。
「タワーマンション住みなのにマイバックってうけるー！」
彩音はマイバックを小馬鹿にしながら柴琉にボディタッチをする。
この「ちょっと小馬鹿にしながらボディタッチ」は彩音の得意技である。
この技で何人もの男を落としている。
「このマイバックは俺のトレードマークの柴犬がプリントされていて、お気に入りなんだ」
柴琉は気にした風もなく、自宅の鍵を取り出した。
彩音は柴琉に見えないように唇を舐める様な舌なめずりをする。
柴琉がドアを開けると、彩音がスルリと先に扉の中に入った。
自動で玄関の明かりが付く。
「わーっ、すご！ さすがタワマン！！ やるじゃん柴っち！」
玄関から直接見えた奥のリビングの窓から百億の夜景が眺められ、さすがの彩音もテンションが上がった。
そのとき。
「にゃーっ、ふぅーっ！」
手前のキッチンカウンターの陰から出てきた黒猫が彩音を威嚇する。
「きゃっ、何？ 猫ちゃん？ 猫飼っているの？」
彩音は大の動物嫌い、猫嫌いだった。
しかし、ここは猫をかぶる。
――猫嫌いが猫をかぶる……。
彩音は猫をかぶって、黒猫を撫でようとした。
しかし、黒猫の威嚇は止まらない。
「ふぅーっ、しゃーっっ！！」
黒猫の左前足が火を吹いた。
「きゃあっ！？ いたーっ！？！？」
彩音の右手の甲に血の筋が流れた。
「す、すまない、ウチのクロールが……」
柴琉は黒猫に自分の名前と語呂を合わせて「クロール」と名付けていた。
ちなみにクロールはオスである。
「もう、もう。なんなの！ この猫！ わたし、猫、だいっきらいなの！！」
「わ、悪かった。右手を出して、良く見せてくれ。治療しよう」
「この猫、許さない！！ 柴っち！ 今すぐこの猫、捨ててきて！ わたしか、この猫か直ぐに選んでっ！！」
「と、とにかく治療しよう。クロール、あっちに行っておいで……」
そう言いながら、柴琉は黒猫のクロールを寝室の中に入れ、ドアを閉めた。
柴琉はひっぱり出してきた救急箱から消毒液と包帯を手に取ると、手際よく彩音の手を治療した。
治療が終わると、彩音にこう告げた。
「彩音、今日はありがとう。もう帰ってくれ」
そう言うと、財布から２万円を取り出して彩音の手に握らせる。
「えっ、何、どういう事？？」
キョトンとしている彩音をそのまま、玄関の外まで急かすように押し出す柴琉。
玄関の外に押し出した彩音に忘れ物の毒々しいピンクのハイヒールを手に取らせる。
「悪いな」
そのまま、ドアをバタンと閉める柴琉。
「何よ、えっ、意味わかんないんだけど。柴っち！？ ちゃんと説明しなさいよーーっ！？！？」
ドアをドンドンと激しく叩く彩音。
しかし、部屋の中はそれ程はうるさくない。
さすがは高級タワーマンションだった。
柴琉が寝室のドアを開けると、クロールが出てくる。
「にゃにゃ」
「やっぱりダメだったか」
柴琉はため息をつきながらクロールを抱き上げた。
「にゃっ」
クロールは柴琉を慰めるかのように、自身の頭を柴琉の頬に擦りつけた。
暫くすると「１０億を稼いだ凄腕の美人結婚詐欺師」として「蛇川彩音」、本名「山ノ川ユキナ」の名前がＴＶのワイドショーに躍っているのを柴琉は目にすることになる。
「やっぱりな」
隣ではクロールが、ほれ見たにゃん、という風に「にゃう」と泣き声を上げた。
「クロールよ、お前を拾ってから、俺は毎日が幸せだ。きっとお前は幸運の黒猫だ」
「にゃーっ」
「クロール様、そろそろ女性運の方も上げてもらってもいいんですよ？」
「にゃーっ」
「あ、『ち○ーる』ですね、すぐお持ちします」
そんな幸せな毎日を過ごしていた柴琉とクロールだった。
「あー、もうお前を拾ってからちょうど今日で２年経つんだな……」
ちょうどその時、日本の時計が「西暦２０２２年２月２２日の２２時２２分２２秒」を迎えた。
その瞬間、柴琉の家のＴＶが突然爆発した。
「な、なんだぁあ――――！？」
煙が晴れると、目の前にはなにやらもぞもぞとする物体が。
そこには、「(=^・ω・^=)猫神様を美少女擬人化するスレ(Ф∀Ф)」で１番票を集めた猫神様の擬人化萌絵そのままの猫耳美少女（黒猫バージョン）が立っていた――。
「ま、待たせてしもうたな。お待ちかねの女性運の方を持ってきてやったぞ」
真っ赤になって斜め下を見ながら恥かしそうに、しかし偉そうに独り言をいっている猫耳美少女。
「あ、あなたは？ というか、不法侵入ですけど？？」
柴琉のセリフに、猫耳美少女は逆切れした。
「なんじゃ、その言い様は！？ ワシはお前に幸運をもたらしている猫神様じゃぞおおぉうぅう！！？？」
耳をピンと立て、尻尾もピンと逆立てて、毛も逆立てて怒っている猫耳美少女。
どうやら、やっと柴琉にも女性運が訪れてくれた、のかもしれません――。
「西暦２０２０年（令和２年）２月２２日の２２時２２分２２秒きっかりに捨て猫を拾うと、猫神様がその人間にものすごい幸運をもたらすらしい」という噂を見たそこの貴方。
是非、貴方も捨て猫を拾ってこの噂を確かめてみませんか？
～Ｆｉｎ～
猫神様「猫の日は過ぎてしもうたが、実は捨て猫チャレンジは継続中、キャリーオーバー中なんじゃ。皆のもの、さあチャレンジじゃぞ！」
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2020.05.15
猫神様「にゃ、にゃ、にゃ、にゃんとワシ宛に『FA』がとどいたのじゃ！ 描いてくれたのは『サカキショーゴ』殿。ワシの可愛らしい登場シーンを描いてくれたのじゃ。サカキショーゴ殿にはワシの幸運ぱぅあを送っておくとするかのう。そーれ♪」
（絵をクリックでちょっとした掛け合いも見れますよ。）
黒猫虎「サカキショーゴさん、素晴らしいFAありがとうございます！(*´ω｀*)」
・サカキショーゴさんのマイページはこちらです♪
https://mypage.syosetu.com/202374/
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2020.05.20
猫神様「にゃんとにゃんと！ またまたワシ宛に『FA』がとどいたのじゃ！ 描いてくれたのは『志雄崎あおい』殿。ワシのテレビ破壊シーンを描いてくれたのじゃ。志雄崎あおい殿にはワシの幸運ぱゎあを送っておくぞ。受けとるがよい♪」
黒猫虎「志雄崎あおいさん、素晴らしいFAありがとうございます！(*´ω｀*)」
・志雄崎あおいさんのマイページはこちらです(ФωФ)
https://mypage.syosetu.com/844949/
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2020.05.27
猫神様「にゃんとにゃんと！ またまたワシ宛に『FA』がとどいたのじゃ。それも『コラボFA』なのじゃ。コラボ？ どういうことなのじゃ？ まあ、まずは見て欲しい。わし以外に５人のメンバーがいるじゃろう？ これは黒猫虎の作品じゃない、別の作家さんのキャラ達なのじゃ！ しかもマイナーな黒猫虎と違って、かなりの人気作家さんなのじゃよ。この知らせを聞いたとき、小心者でボッチ気質の黒猫虎はションベンちびったらしい（笑）コラボした作品の作家さんは『間咲正樹』殿。描いてくれたのは『サカキショーゴ』殿。お二方にはワシの幸運ぱゎあを送らせていただくので受けとって欲しいぞ。そりゃっ♪」
猫神様「ちなみにワシは左から３番目のプリティガールじゃよ。晴れてアイドルデビューなのじゃ☆」
黒猫虎「間咲正樹さん、サカキショーゴさん、素晴らしい機会とコラボFAありがとうございますっ！＼(^^)／」
・間咲正樹さんのマイページはこちらですっ
https://mypage.syosetu.com/1201215/
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2021.01.05
猫神様「にゃ、にゃ、にゃ、にゃんとワシ宛に『年賀状FA』がとどいたのじゃ！ 描いてくれたのはまたしても『サカキショーゴ』殿。サカキショーゴ殿にはいつもお世話になってしまって、申し訳ないの。な、なに？ ワシが政界に出馬だと！？ 確かにこの国の権力を握るのはやぶさかではないが……はてさて♪」
黒猫虎「サカキショーゴさん、素晴らしい年賀状FAありがとうございます！(*´ω｀*)」
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