第一話:メールが届きました
友人Aから聞いた話です。
きっかけは、仕事中の一通のメールだった。
背が高くて、出るとこ出てて、明るく元気で人懐っこそうに見えて、髪は金髪に染めていて、それでいて貞操観念は強くて、二つ年下の彼氏一筋の女子大生。
そんな後輩ちゃんと付き合って四年目になる、年下の彼氏くんからのメールに気付いた。
『ちょっと相談に乗ってくれませんか?』
その年下彼氏くん、名前は江藤和樹くんといい、私とは四つも年が離れている。
中肉中背。
顔、イケメンでもブサメンでもないフツメン。
髪、長めのショートヘアー。
性格、大人しくてネガティブ。あんまり他人と目を合わせない。なぜか私とはよく目が合う。
趣味、読書と昼寝と食事。
二つ年上の彼女の方からコクられて、二ヶ月目の夏休み。彼女の誕生日に、彼女から飲み物に一服盛られて童貞卒業。
その後、四年も仲睦まじく交際して今は新卒18歳。
何でここまで詳しいかというと、彼女ちゃんの方が私の高校の後輩で、部活が一緒になったのがきっかけで話すようになり、距離を取ろうとする私に対してその後輩ちゃん、ぐいぐい押してくるわけで。
社交的で友達も多い後輩ちゃん……。
……そろそろ名前で呼んだげようか。
影崎みちるちゃんと、
正反対の私、南城有希は、一応先輩後輩として仲良くなったわけだけど、影崎みちるちゃんこと、カゲちゃんの方から何かにつけて相談に来ていたわけで、場所を問わず何でもかんでも口にするから、私の方が慌てて口を塞ぐとかしょっちゅうな訳で。
そんな、いちゃラブ高校時代(私はその頃から社会人)も過ぎ去り、年下彼氏の江藤くんは社会人一年目の大変な時期のはず。
現に、ここ一ヶ月ほど連絡はなかったわけで。
なにかトラブルでも?と思ったものの、年が近い私は、二人の愚痴を聞く係みたいなポジションにいたのを思い出した。
軽くため息して、スマホで返事をポチポチ。
『21時以降なら時間取れる。それでいいなら車で迎えに行くけど?』
『それでお願いします』
「……っ!び、びっくりした……」
一分とたたずに返事が来て、つい、声が出てしまう。
「んんっ」
隣の席の先輩の、咳払い。そして、睨まれる。
黙って仕事しろ、でなきゃ休憩しろ。
そんな意味の込められた視線だ。
仕事はパソコンとにらめっこしながら。
なので、一応休憩は自由。ただし、あまり頻繁に休むと、査定に響くんだよね。
やる気ない、と判断されると給料下がったりするそうな。
私は下がったことないけど。
「すいません先輩。休憩いきます」
一応頭を下げて、お腹を押さえてトイレに行った。
まあその、トイレ休憩欲しかったのは本当だから。
職場でのスマホの扱いには注意しましょう。




