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リナリーの悪巧み23

 楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!

 リナリーはアランを残しバルコニーから出ると、そこにはシバが飲物を持ち待っていた。


「話は終わったか?」

「えぇ。」


 リナリーはにこやかにシバの腕をとると会場に戻った。


「リナリーが話をしている間に何人か貴族と話して知ったのだが、どうやら魔族はそうとう恐れられているようだな。俺も人の姿をしていた事にまず驚いたと言われた。」


 肩をすくめるシバに、リナリーは言った。


「私も最初驚きましたもの。でもそれならば改善していかなければなりませんわね。」


「ん?どう改善するのだ?」


 リナリーは可愛らしくにっこり笑うと、少し照れた口調で言った。


「私達が結婚し、仲睦まじい姿をいろいろな舞踏会で見せてまわればいいんですわ。」


 シバは片手で顔を抑え、天を仰いだ。


「リナリーが可愛すぎてつらい。」

「もう!シバ様茶化さないでくださいませ。」


 リナリーが怒ったふりをすると、シバは慌てたふりをして謝る。


「すまないリナリー!茶化してなんていない。」


 二人はふっと笑い合うと会場に視線を移した。


「リナリー踊るかい?」


 会場の中央には、アランがクレアの手を引き戻ってきていた。


 きっとアランはこれから頑張っていくだろう。


 ここはもう自分の居場所ではない。


「いいえ。、、、シバ様、魔王城に、家に帰りたいですわ。」


 その言葉に、シバは嬉しげに頷く。


「あぁ、帰ろう。」


 二人は寄り添い、手を取り合うと国王へと帰りの挨拶をすませ、魔王城へと帰る。


 少し冷たい魔王城の空気にリナリーはほっとした。 


「シバ様。こちらにいらして。」


 リナリーはシバの手を引き、魔王城のダンスホールへと促した。


「これは、、、。リナリーこれはどうしたんだ?」


 そこには、美しい花々が飾られ、軽食が準備されていた。


 リナリーは指を一本立て、悪い笑みを浮かべると言った。

「以前は秘密が秘密ではなかったでしょう?ですから、リベンジとして秘密の悪巧みをしてみましたの!」

「え?」

「シバ様に秘密なんて、なんていけないことがしら。って思いながら、計画を立てアンと一緒に準備しましたの。シバ様のその驚いた顔を見たかったのです!私の悪巧みは成功かしら?」


 シバは驚きながら、にやりと笑みを浮かべるリナリーに尋ねた。


「驚いた。悪巧みかと言われれば違う気がするが、、どうしてこんなことを?」


 会場を見つめ、そしてシバに向き直ると、リナリーは顔を赤らめた。


「最初のダンスは、シバ様とこの魔王城で二人きりで行いたかったのです。その、、、二人の記憶に残るファーストダンスにしたかったのです。駄目、、、でしたか?」


 熱っぽい、潤んだ瞳で、上目遣いでそういうと、シバは顔を赤らめた。


「俺の理性を試すのはやめてほしい。」

「理性?」


 シバは手にぐっと力をこめるとリナリーを抱き寄せ、そしてそっと手で顎をすくい、目を合わせると、ニコリと微笑みキスをした。


「今はこれで我慢しておく。」

「は、、、、はい。」


 人形のように体を硬直させ、顔が茹で上がったタコのように赤くなる。


「リナリー。俺とダンスを踊ってくれますか?」


 リナリーは、大きくいきを吸ってどうにかうるさくなる心臓を抑えると頷いた。


「はい。喜んで。」


 シバがバチンと指を鳴らけばオーケストラが自動で曲を奏で始める。


 リナリーとシバは見つめあい、微笑み合い、優雅にダンスを踊った。



 リナリーの悪巧み?は成功したようです。


 読んで下さりありがとうございました!

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