リナリーの悪巧み19
ざまぁはしない予定でしたが、ちょっとした悪巧みをしてみようかと思います。
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
結婚の儀まであと三ヶ月。
招待状の配布などは終わり。後は細々とした準備を進めるだけとなった。
アンはあの誘拐事件からリナリーの側を離れることは無く、いつでも傍らに控えるようになった。
リナリーも自分が悪かった事は分かっていたので大人しく受け入れている。
「リナリー様。、、、、人間の国より手紙が届いております。」
朝の身支度を終えるとそう告げられ、リナリーは首を傾げた。
「誰からかしら?」
「どうやら、、、第二王子からのようです。」
その時、ノックの音が聞こえると同時にシバが入ってきた。
「リナリー。入るぞ。」
アンはもう入っているではないかと、シバに眉間にシワを寄せ避難の目を向ける。
それをシバはあっさりと無視し、リナリーの座るソファの横に腰掛けた。
「第二王子から手紙が届いたと聞いた。どのような内容か気になってな。一緒に見てもいいだろうか。」
アンはため息を付いた。
「魔王様。リナリー様にもプライバシーがございます。」
リナリーはアンに笑みをうかべ首を横に振った。
「いいのよアン。心配して下さってありがとうございます。私も一緒に見て頂いた方が心強いですわ。」
リナリーは一体何が書かれているのかと思いながら手紙を開いた。
最初少しばかり心配していたリナリーは読んでいくうちに、呆れてしまった。
それとは対象的にシバの眉間には深くシワが刻まれ、怒りが顕になる。
リナリーは、シバの手を取ると言った。
「以前申し上げたでしょう?馬鹿なんですの。ですから怒ってもどうしようもありませんわ。」
「この手紙を出す事を誰も止めなかったのだろうか?」
「馬鹿ですもの。誰かに相談することも無く出したのでしょう。」
リナリーは自分もだいぶ言うようになってしまったなぁと感じていた。
しかし、どうしたものか。
手紙の内容を要約すると、リナリーのように煩く無く、可憐で可愛い婚約者が出来たので、婚約発表の舞踏会に招待すると言うものである。
シバは、くくくと笑い声を漏らした。
「アン。お針子たちを呼べ。人間の国の舞踏会にリナリーと共に行く。」
「、、、、いつでございますか?」
「なんと、ニ週間後だと。こちらの都合も考えないなんとも馬鹿な第二王子らしい。」
「シバ様。人間の国まで馬車で一週間はかかります。いくら城のお針子達でも一週間でドレスを仕上げるのは難しいかと、、、。」
リナリーが困ったように言うと、シバはにやりと笑みを浮かべた。
「リナリー。俺を誰だと思っている?」
「魔王様です。」
「そうだ。この国で一番魔力をもち、魔法を使える魔王だ。人間の国までなど一瞬で移動できる。」
それを聞いたリナリーは嬉しそうに笑みを浮かべた。
アンもリナリーに向かい笑みを浮かべた。
「それにリナリー様。お針子達も一流の魔法使いでございます。」
「な、、、なら、魔王様。私、、、やりたいことがございますの。」
「なんだ?リナリーの願いならなんでも叶えよう。」
その言葉にリナリーは悪い笑みを浮かべた。
リナリーの悪巧みは上手くいくのでしょうか。
また次回もお楽しみください。




