リナリーの秘密の時間に苦悩する魔王12
魔王様サイドです。
リナリーの秘密が秘密ではなかった。
楽しんで読んでいただけると嬉しいです!
執務室で、魔王は唸り声をあげていた。
理由は明白である。
リナリーがここしばらく大変機嫌がいい。
いや、機嫌がいいことは良いことなのだ。それはわかっている。
だがしかし。
その理由がカールとの朝の剣の鍛錬であるという事がなんだかモヤモヤとするのだ。
小さい。自分はこんなにも小さい男なのか。
わかってはいるのだ。カールにとってもリナリーにとってもこの出合いは悪いことではない。むしろ良いことだ。
しかし、モヤモヤしてしまう。
だからといってそれを止めるのはしたくない。
難しい。
「いい加減鬱陶しいのですが。そのため息と唸り声をやめていただけますか?」
ロデリックに辛辣な言葉と冷めた視線を向けられたシバは、また大きく溜息をついた。
「仕方ないだろ。モヤモヤするのだ。」
「モヤモヤの原因を言い当てて差し上げましょうか?」
「、、、、、」
「リナリー様からもカール様からも魔王様に何も言われないからですよね?」
「、、、、、、、、」
「秘密にされているのが、寂しいのですね。」
哀れなものを見るかのような目線が痛い。
「人の気持ちを言い当てるな!」
「ですが早めに秘密ではなくしたほうがいいでしょうね。」
「?何故?」
「秘密とは恋の調味料ともなりますので。」
「ない!あり得ないだろう!」
「まぁ、今は。」
きっとないはずだ。
たぶんないはずだ。
絶対ないはずだ。
あったら、泣く。
魔王様が不憫です。
読んで下さりありがとうございます。嬉しいことに日間ランキング100位以内に入れました。
嬉しいです。涙でそうです。
ありがとうございます。




