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リナリーの秘密の時間11

 お転婆リナリーが躍進中です。

 いつも読んで下さりありがとうございます!

 男の子とはいっても、12か13か、年はそのくらいだろう。リナリーは今年で17になるので、お姉さんの気分になる。


「こんにちは。貴方はだぁれ?」

「お前こそ、、、誰だよ。」


 不躾な言い草に、こちらを伺う目線。たしかに、こんな朝早くに見慣れない人がいれば訝しげに思うだろ。


「私はリナリー。貴方は?」

「僕はカール。お前のその髪と目の色はどうしたんだ?」


 その言葉に、リナリーはカールが自分がシバの元へと嫁いできた人間だと知らないのだなと感じた。

 国民へのお披露目は結婚の儀の時であるから仕方がない。


「これは、元々だけれど、、、あ、貴方剣技はできて?」

「元々、、、え?、、、まぁ少しなら。」

「では手合わせをしない?一人だと物足りなくも感じていたの!」

「別にいいけど、、、」


 リナリーの勢いに押され、カールはしぶしぶといった様子で腰の剣を引き抜いた。


 剣技には、ただ戦うものだけでなく、型というものもある。これであれば剣であっても然程危なくはない。


「じゃあ、型を確かめてから打ち合ってみましょう。」

「いいけど。」

 リナリーとカールはゆっくりと動き、方を確かめる。


「いいかしら?型は覚えられて?」

「当たり前だろ。ではいくぞ。」


 最初はゆっくりとお互いに確かめるような探りあいだった。


 しかし、次第に鋼のなる音か加速していく。


 一つの型が終わると、二人の表情は恍惚としていた。


「つ、、次の型をしましょうか?」

「あ、、うん。」


 二人は型の確かめは焦らない。焦れば怪我をしてしまう。


 ゆっくりと方を確かめた後、二人は見合う。


 そして、先程よりも早く鋼は打ち鳴らされていく。


 それを二人は30分ほど繰り返し、最後には息を切らして二人は横並びでベンチに腰を下ろした。


 二人の表情は大変満足げである。


「こんなに体を動かしたのは久しぶりでした。」

「僕もだ。、、、楽しかった。」

「私もです!」


 二人は顔を見合わせて笑いあった。

 

「リナリー。明日も今日と同じ時間に打ち合わない?」

「同じ事を考えていました。是非!」


 二人は約束をすると、その場で別れた。

 リナリーも汗でびっしょりである。早く風呂に行って流してしまいたい。


 部屋に帰り、汗を流した所で部屋にアンがやってきた。


「リナリー様。今日はいつも以上に晴れやかなご様子ですね。」


 リナリーは朝のことをアンに言おうかとも思ったが、自分と剣を打ち合わせたとなって問題になっても困る。

 それにリナリーはまたカールと体を動かしたかった。


 なので、リナリーはにっこりと笑みを浮かべて頷いた。 


「えぇ。今日はとっても気分がいいわ。」


 秘密をもつのは、楽しいものだ。

 明日が楽しみである。


 魔王様が出てきません。

 

 いつも読んで下さりありがとうございます!

 次話もまたお楽しみください。

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