-Prologue-
「ただ、唯一の愛が欲しくて。」―Prologue―
私は双子。私と姉は禁忌の双子。
母に愛されなかった。
居るだけで“気味が悪い”と冷たい瞳で同族や妖怪に言われた。
母が一番冷たかった。冷めた瞳で私たちを見つめ、
私と姉に“何で二人で生まれたの?”“双子じゃなかったら幸せだったのに”と言う。
母様は私たちが生まれないほうが良かったんだろう。
…父様が死んでから母様は年下の部下の忍と結婚して子供を作った。
その時に“もう私たちはいらない”って思った
それから二人で家を出て、0から始めた。
新しい家族…私を拾ってくれた大切な人。
盗賊として、私と姉は生きた。
楽しかった日々、生きることがこんなにも幸せだと感じた。
けどそれは束の間。私は他の妖怪に襲われ死んだ。
意識が消えていって、再び目を開けると人間として私は転生した。
人間の母親の愛情は暖かくてとても幸せだった。
嫌われてもいつか誰かが愛してくれると信じることができるようになった。
それから半妖の子と出会った。
私はみんなを心から愛した。
必要じゃない存在なんてないんだと。
父は炎を操る妖怪で母は人間。
そう、俺は妖怪の血も人間の血も流れる半妖だ。
だから魔界には入れなくなった。
時間が経てば家族ともども、他の妖怪に襲われるからだった。
人間界はとても良かった。
同じ半妖の子がいたから。
そして魔界ではなかった“恋心”も芽生えた。
同じ仲間がもでき、俺はこれからこの仲間と永遠に一緒にいたいと願った。
母親が竜族で、父親が人間で拳法の道場を開いていた。
生まれてからずっと人間界に僕は住んでいた。
母は、もう竜族の角も翼もなかった。普通の家庭になっていた。
けれど、僕には友達がいなかった。・・・いや作れなかった。
僕には風の竜がついていたから。近付いたら、友達を壊しそうで僕は怖かった。
傷つけて独りになるのが嫌だった。
ある日、白い雪のような女の子を見つけた。その子も僕と同じ半妖で一人だった。
それからその子と仲良くなって今では、分かち合える仲間が出来た。
ずっとずっと…みんなとその子と笑いたいと思う…。
母親が雪女で父親はただの人間。
私が生まれて、父は死んだ。その途端母がおかしくなった。
毎日毎日、私を虐待していた。だけどある日母は私に『消えて』と言った。
私はただ謝るばかりだった。生まれてごめんなさいと。
そして祖母と人間界に行った。
私は雪女の半妖だからみんなに怖がられるんじゃないかって思って、いつも一人だった。
でも彼が話し掛けてくれたから、もう一人じゃない。暖かい仲間がいる。
いつしか彼に恋をしていた。
そしてあの子のお陰で私は変われた。
あの子はかつて同じ境遇を生きていた。
私の痛みは私にしかわからない。
けれど似た痛みを知る彼女はとても強かった。
私もあの子のようになりたいと思う。
あたしは虎を統べる一族の半妖。いつも一緒に白い虎の虎々と新羅といた。
けれど母さんが狂って、母さんは魔界で死んだ。
父さんは相変わらず神社で死んだ母さんのことを思い続けていた。
あたしはそんな父さんを馬鹿だと思った。いつまでもいつまでも、人を思い続けるなんて無謀だと思ったから。
けれどそんな事を思わなくなった。
むしろ今の仲間をあたしが絶対に守りたいと思った。
そうその仲間はもう私の心、体の一部になっていたから・・・。
妖怪でもなくて、人間でもない僕たち。
どうしたら僕たちは存在を認められるのでしょうか。
だけど、あの子が僕たちの存在を認めてくれた。
あの子は親に嫌われているから、僕たちが優しく抱きとめてあげたい。
どんなに阻害されても、僕たちはもう怖くない。
何故ならば、僕たちにそっと微笑んでくれる仲間がいるから。
信じてる。
いつか他の人たちにも存在を認められるように。
半妖でも生きているのには変わらないのだから・・・。
そして、どうか愛したいと願うようになった。
そして、どうか愛されたいと願うようになった。
愛し愛され、必要とし必要とされる存在。
本当の幸せとは、本当の愛とは、いったい何なのでしょうか。