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ベトナム陥落

-ベトナム-


「疲れるわね。」


ザミエルは自分の部隊である降下猟兵を率いてベトナム首都へ降下した。ハノイを戦場にするのは、ベトナム戦争(内戦)以来である。


「ちゃちゃっと片付けて。総統閣下に褒めて貰いたいわよ。」


落下傘で降下したザミエルは、マスケット銃を構えて発射した。


「私は猟師。私の魔弾は、有象無象関係なく貫く。」


魔弾が戦車の覗視孔付き小窓から侵入し、内部の乗員を殺傷したあと、砲弾を襲って爆発。周辺戦車も一部が巻き添えを喰らった。




「反撃しても、続かなければ意味が無いな。」


シュバルツ・パンターに乗って湿地帯を走っているロキとフェンリルはハノイに向かっていた。


「敵戦車も雑魚ばかり。さっきの戦車も、簡単に破壊しちゃったしね。」


後ろには、ざっと50両のT72が炎上している。ベトナム軍が正式採用した戦車の一つである。


「ま、年代物だから大量に出したのだろうけど。」


ロキはずっと喋りっぱなし。フェンリルはずっと無言。


「なあ、フェンリル。口数が少ないのは気味悪がられるぞ。」


しかし、フェンリルは返事をしない。


「そっちの戦車の向かって、攻撃するぞ。」


ロキは脅しを掛けるが、


「その時は・・・・そっちを食う」


逆に脅し返された。


「う、・・・わ、分かったよ。」


ロキも、それ以上は言わないでおこうと思った。




「本当に、ベトナム軍は雑魚ばかりだね。」


両手に、巨大なライフル砲を持つ、ジェネラル・R・フォードに向かって戦車砲を撃ち込んだ少女が言う。


「この60mmフルオート対戦車ライフル『破壊ツェアシュテールンク』があれば、十分戦えるから、楽だよね。」


背負っている巨大なバックパックと、そこから弾倉までズラリと並ぶ砲弾。対戦車ライフルを2丁構えた少女は軽々扱っている。


「また、来たわね。」


戦車のエンジン音が聞こえて、少女は対戦車ライフルを構える。それと同時に、バックパックから安定用のアウトリガー(クレーン車など付いている、作業時に車体を安定させる為に横に出ているもの)を地面に固定する。


「容赦しないわよ。」


トリガーを引き、発射する。


「待て待て!!」


聞き覚えのある声がした為、射撃をやめた。


「相手を確認してから撃って下さいよ。戦乙女ヴァルキューレ中将。下手したら、貴女の父上様であるオーディンの宮殿でもあるヴァルハラ宮殿へ行く所でしたよ。」


「お父様と言っても、総統閣下でしょう。別に、総統閣下はオーディンと言われていませんよ、ロキ少将。」


「そうですか。まあ、いいです。もうじき、終結しますので。今、シグルズ中佐がベトナム軍指導者を暗殺したので。そして、今はベトナムの指導者を暗殺に向かっております。」


「早く終結させてよ。計画が遅れているのは、ここだけなんだからね。」


「分かっております。」




-ベトナム 首相官邸-


「全軍が混乱しております。市民は既に中国国内へ逃れましたので、もう十分かと。」


側近が首相の脱出を促す。


「国家主席は既に脱出しております。後は首相だけです。急いで脱出を。」


その時、その側近が斬られる。


「な!?」


現れたのは武装親衛隊の服装をしているシグルズ中佐であった。


「総統閣下の命により、貴方を殺します。」


「待、待て!!。降伏する。降伏する。」


「総統閣下は降伏を望んでなどおりません。ただ、貴方が死ぬことを望んでおります。」


シグルズは、愛剣のグラムを抜く。


「問答無用。総統閣下の命で、処刑する。」


そう言って、切り倒した。部屋には血が飛び散り、床には血の海が出来る。


「こちらシグルズ。任務完了。ベトナムは終結。繰り返す、ベトナムは終結。」


グラムを鞘に収め、首相官邸を後にする。




-飛行戦艦 『グラーフ・ツェッペリン3世』-


「トール中将。ベトナム戦が終結した模様です。」


太平洋を飛行している飛行船団は、飛行戦艦『グラーフ・ツェッペリン3世』を旗艦に、同じく『ヒンデンブルク2世』。飛行空母『アトランティック』、同『パンアメリカ』、同『パシフィック』、飛行輸送船『ザクセン』、同『ヴィクトリア・ルイーゼ』、同『シュヴァーベン』。飛行母艦『ボーデンゼー』、同『ノルトシュテルン』。


「全飛行船、異常なく目標へ向けて飛行中。」


「良し良し、上々だな。太洋を渡り、我々は攻撃してやる。進め、目標はアメリカだ。」


「分かっております、トール中将。到着まで、もう暫く掛かりますが。」


「中将、アメリカの防空網はどうする御積りで?」


「心配するな。手は考えてある。お前たちはただ目標に向かって飛行させれば良い。この作戦が成功すれば、総統閣下もお喜びになられる。」


「はい。」


飛行船には、鉤十字ハーケンクロイツが描かれている。紛れも無く、第四帝国軍の飛行船団だった。


「目標、アメリカ首都。我々を甘く見た報いを受けろ、アメリカ。我々は行くぞ。お前たちを倒しに。お前たちを滅ぼしに。」


「各飛行船より、定時連絡。各飛行船異常無しです。」


「降下部隊も全員健康。全く支障なし。」


「教えてやるよアメリカ。お前らの唱える正義が、まやかしである事を。幻想であることを教えてやる。我々は向かうぞ。奴等の喉元へ。奴等の心臓へ。」


トールは、両手を高々に上げて言い放った。

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