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斉藤家

-帝都 東京郊外―


(突然の編集長からの依頼。そして、今まで取材を拒否し続けた斉藤家が突然の取材許可。)


帝都の郊外を、一人の新聞記者が車に乗って斉藤家を目指していた。


(大東亜戦争にも関わり、戦後は殆ど謎に包まれるも、今でも皇室・政界・軍部・それに財界など多方に顔が効き、戦後日本を引っ張ってきた。)


斉藤家の家が見えてくる。


(その家の当主が、今この豪邸に居るのか。)


門の前で車を止める。監視カメラがこちらを向いたため、新聞記者は取材許可証を出して、監視カメラに向ける。


『取材許可証確認。どうぞ、お通り下さい。』


機械音声が流れ、門が開く。


(一体、どんな人なんだ?)


車を発進させ、豪邸に向かう。



-斉藤家-


広大な敷地を有する斉藤家は、各建物間すらも車で移動しなければかなり疲れる。


「こちらでお待ちください。」


家の中には多数の使用人が居る。


「今、当主様をお連れ致しますので。」


執事が応接間の扉を閉める。


(壁には豪華な装飾品。そして、これ見よがしに描かれている天皇家の家紋と斉藤家の家紋。)


まるで、影の国会の様な感じだった。


(いや、実際にここでは影の国会が開かれているのだろう。)


新聞記者は辺りを見ながら思う。その時、扉が開いた。


「お待たせしてしまって申し訳ありません。」


奥から、女性。いや、どうみても少女が入って来た。年齢は16歳前後、着物を着て、髪が長い。


(この人が、この家の当主?)


「貴方が先日、取材の電話を入れた三隈優(みくますぐる)さんですね?。」


「は、はい。そうです。」


「私は現斉藤家当主の斉藤初瀬(さいとうはつせ)です。」


「今日はよろしくお願いします。」


三隈は挨拶をする。


「まず、何故突然今回の取材を許可して下さったのですか?いつも、取材を許可する電話をしては、断っているとお聞きしましたが。」


「今回は、状況が違います。何時もは、胡散臭いお方が電話を掛けてくるのですが、今日はお若い殿方から電話。それに、今日で丁度国名を変えて80年目。そんな記念すべき日に取材を取り付けてくるものですから、お受けしただけです。」


「しかし、今でも大和帝国の事を日本に呼ぶ者も居りますが。」


「確かに、国号は大和帝国ですが、正確には大和皇国と呼ぶ方が正しいのですが。」


「そ、そうですか。では、・・・」



取材を進めていく。戦後日本を牽引してきた斉藤家の事を書いた、貴重な取材資料となっていく。


「では、次の。」


その時、突然扉が開けられる。


「お嬢様、応接中申し訳ありません。皇室の方から、緊急御前会議を開くとの連絡です。」


執事が入ってきて、言う。


「分かりました。」


「では、僕はこれで。」


三隈が立ち上がったその時。


「貴方も来てください。大丈夫です。斉藤家付き報道官と言う事で話を付けますから。」


「え?ええ!!」


初瀬はその言った後、三隈の格好を見る。


「っと、言っても。その服装じゃあ陛下にお会いするのに相応しくありませんね。執事(バトラー)、彼も着替えさせてください。」


「畏まりました。お嬢様。」


「え?ちょっと、ねえ?」


がしっと掴まれ、連れて行かれる。



数分後・・・・・



「何でこんな事に。」


軍服に着替えさせられた。半ば無理やりに。


「中々の着こなしではありませんか。」


初瀬も着替え終わっている。彼女も上は軍服だった。下は軍服用のスカート。


「その刀は?」


腰には刀を差している。


「これか?これは三日月宗近。天下五剣の一つの名刀。」


「本物ですか?」


「二代目で、しかも数回打ち直している。本物だが、作刀時とは大分違う。」


刀を鞘から抜く。刃長90㎝近くも長く、しかも刀身が輝いている。


「確かに、作刀時とは大分違いますね。確か、刃長80㎝前後だと思いましたが。」


「詳しいのですね。」


「私も、刀を保有していますから。」


そんな風に話していると、車が到着する。


「お嬢様、お車を回しました。」


「ご苦労様です。さあ、乗ってください。」


三隈も車に乗ると、皇居目指して走り出した。



-ジェネラル・R・フォード-


「我らは進む。裏切り者を潰しに。」


ヘリから降ろしたペンキで、甲板に何かを描いている。艦は、ホーン岬を回って最大速力で太平洋を爆心している。


「さっきから何やってるのよ?」


フォードが鼻歌を歌いながら、自分の艦の飛行甲板にペンキで何かを描いている女性に問いかける。


「何って、我らの艦に相応しいマークを描いているのよ。」


そう言いながら続ける。


「裏切り者って誰よ?」


「そうね。我らと同盟を組み、裏切ってドイツを壊した国。」


「そ、それってまさか!?」


「そう。極東の島国。今は大和帝国だっけ?」


女性は表情を変えずに、言う。


「この艦の原子炉を暴走させ、核爆発を起こし、大和帝国の首都を完全に破壊してやる。」


その時、フォードがレーダーに映る機影を感じ取る。


「な、何か来た。」


「ああ。私たちの仲間よ。」


ヘリが2機現れる。そして、飛行甲板に着艦する。


「大佐、たった一人で占領。おめでとうございます。」


降りてきたのは、武装親衛隊の服装をした軍人50名であった。


「当然よ。我々優良人種が劣等人種に負ける筈がない。貴方も、我々にとってはそこら辺に居る蛆虫程度なのよ。」


「手厳しい事で。総統命令『サタン計画一号』は成功したようですね。」


「この空母の乗組員、ちょっと脅しただけで直ぐに海に飛び込んじゃうんだもん。」


マスケット銃をクルクル回して、肩に担ぐ。


「そのマスケット銃一つでこの空母に乗り込むんですから、逃げ出しますよ。」


女性は無視して赤ペンキでのペイントを続ける。


「貴方たちは急いで持ち場に着きなさい。私一人でこの空母を操るのは無理なのよ。」


女性は命令を出す。


「了解しました、ザミエル大佐。」


魔弾の射手に相応しい名である。魔弾の作り方をマックスに伝授した悪魔トイフェルの名を持つ女性。


「良いから、持ち場に着きなさい!!でないと、私の魔弾がお前の汚い脳みそおぶちまけるよ!!」


ザミエルはマスケット銃を先ほどの武装親衛隊軍人に突きつけながら言う。


「す、すみません。口が過ぎました、大佐。」


そう言って駆け足で自分の持ち場に向かう。



「さ~て、準備は整った。どうでるか?大和。」


ザミエルは、日傘を差し、朝日が昇り始めた水平線を見ながら言う。

三日月宗近は天下五剣の一つだって話、私のうろ覚えです。違ったらごめんなさい。


ザミエルの方もうろ覚えです。

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