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中華民国沖海戦 後編

-高天原 長官室-


「敵航空機群を探知したようです。迎撃戦闘機が向かっております」


長官室の椅子に座る高天原が言う。初瀬は本棚に読んでるいる本を戻す。


「私のレーダーではまだ捉えておりません。上空にいる警戒機が捉えたようです」


「警戒機のレーダーが、この艦よりも性能が良いとは」


三隈はそう言いながら、電話を取る。そして、航空管制室に繋いでから初瀬に渡す。


「迎撃の体勢は?」


『迎撃戦闘機が向かいました。現在は会敵して戦闘に移っています。もうじき、本艦のレーダーに捉えられるでしょう』


「分かったわ。私は艦橋へ行くから、何かあったらそっちへ」


『了解しました』


それを聞き、受話器を戻す。そして、制服の上着のボタンを締め直す。


「防空体制は突破されると思います。どんなに優れた防空体制も、100%の阻止は不可能です」


「分かってるわよ。三隈は対空戦闘の用意をCICに伝えて。突破されたら、迎え撃つのが戦いよ」




-アルブレヒト-


「少将。攻撃隊が迎撃に会っており、数が減りながらも進撃中との連絡がありました」


「進撃させて。ただ、進撃させるだけで良い」


「し、しかし少将。第二次攻撃隊の出撃時間を繰り上げて、援護に向かわせるべきでは?」


参謀達がザミエルに言う。


「そこは任せるわ」


「苦戦しているようだね」


突然の声に参謀達は驚いて振り返るが、ザミエルにとっては聞きなれた声である。


「まだ戦いは始まったばかり。苦戦も何も無いわよ、ロキ」


今まで誰も居なかった階段の手すりにロキが座っており、階段の一番上の段にはフェンリルが居る。


「ま、こっちには関係ないけど。仕事の邪魔さえしなければね。僕の仕事に、邪魔さえしなければね」


「総統閣下の命令で動いているそっちに、こっちが邪魔をする訳にもいかないわよ」


「それならいいけどね。頃合いで撤退した方がいいよ。何てったって、この艦隊は太平洋に展開する数少ない貴重な海上戦力。全滅なんてなったら、本当に悪魔ザミエルにされるよ」


ロキが笑いながら言う。


「あんた一人なら殺したいけど、隣にフェンリルが居るんじゃあ殺せないわよ」


ザミエルが眼鏡を直しながら言う。ロキはフェンリルの方を向く。


「だとよ、フェンリル。随分、怖がられてるじゃん」


「・・・・・からかうのはやめて」


フェンリルは帽子を深くかぶる。将官野戦服を着ている上に帽子まで被っているので、皮膚の露出が殆ど無い。だが、優良人種はフェンリルの正体を知っているから恐れている。


「まあそう言う訳だ。一応、忠告には来たからな。頃合見計らって、潔く撤退するのも勝利だぞ」


そう言ったと思いきや、既に二人の姿はなかった。



-高天原-


「ミサイル、迎撃完了」


左舷で、CIWSの迎撃を受けたミサイルが爆発する。破片が飛行甲板にも降って来るが、全員退避している為、被害は無い。艦橋のガラスも、特殊強化ガラス。破片程度では心配ない。


「中華民国海軍と中華人民海軍も迎撃できたようです。しかし、幾つかの艦船を損失、若しくは戦闘不能になったようです。こちらも、輪形陣の外周前方の艦には被害が出ており、1隻が航行不能に陥ったようです。2隻がミサイルを受け、離脱行動中との連絡も入りました」


被害の集計が、艦橋の特殊強化ガラスに映し出される。ガラスに映像を投影しているのだ。


「どう見る?」


「艦隊の被害は特に酷いというわけではありませんね。むしろ、敵航空機の攻撃に対して、これだけで済んだのは上出来でしょう」


初瀬の質問に高天原が答える。


「被害は少ないと見ます。それに、こっちの空母には被害が無いので、実質の戦闘能力は低下していないと見ます」


三隈も同じような事を言う。


「元ジャーナリストにしては良い返答ね。確かに、空母に被害が出ていないから戦闘能力の低下は無い。そして、向こうは大部分の航空戦力を失った」


言いながら、受話器を取る。航空管制室に繋いでいる。


「直ぐに攻撃隊を送って。敵艦隊にお返しをくれてやる」




-アルブレヒト-


「酷い、やられようね」


着艦してくる攻撃隊を見ながら、アルブレヒトは思う。


「これでは、飛べる機は帰還機の半数にも満たないわ」


着艦してくる航空機は、エンジンから煙を吐いている、エンジンから出火しているなどの動力関係に深刻な問題を抱える機も多く混じっている。その時、彼女の装備するレーダーに機影を捉えた



「敵航空機群です。数は、200機以上です」


大和だけでなく、中華民国と人民共和国からも艦載機が上がった。そして、艦隊防空網で数を減らしながらも中心目指して飛行する。


「艦隊防空艦がミサイルで迎撃中ですが、数が多くて対処できません」


1隻の空母しか無い小規模の航空艦隊の為、防空艦は少ない。5隻しか居ないのである。対し、大和の方は空母2隻で防空艦も14隻居る。更に、どの艦もデータリンクで高い防空能力を発揮する。空の守りは鉄壁であった。


「敵機、ミサイルをそれぞれの目標に放ちました」


アルブレヒトも、迎撃用ミサイルを発射するが、所詮発射できるのは4本。他の艦からも援護を受けられるが、300本は軽く超える対艦ミサイル全弾カバーなど不可能であった。


「CIWS、迎撃はじめ」


突破したミサイルを駄目もとでCIWSで迎撃する。しかし、迎撃できる時間は僅かに1~4秒程度しかない。アルブレヒトにも、12本が命中した。


「がはっ!!」


血をわき腹と腹から噴出し、その場に倒れこむ。しかし、強靭な防御力はお墨付き。耐え切ったのだ。


「はー、はー、ど、どうよ。防御力を舐めてもらっちゃ困るわ」


大火災を起こしながらも、航行だけは平然と行っていられる。驚異とも言える防御力だった。


「でも、何隻かは沈んだわね」


ミサイルの数が多かった為、迎撃では誘爆を起こさせて多くのミサイルを処理したが、それでも300発全てを捌けなかった。結局、50発以上が誘爆の火の中を突破してロックしていた艦船に命中させた。


「でかい花火の中を潜り抜けたミサイルを喰らうなんて、ついてないわね」



「被害は?」


艦橋ではザミエルが平然と立っている。参謀達は情報を集計して報告する。


「3隻が沈み、2隻が大破しました。本艦も火災で戦闘不能」


「300発も発射を許したのに、その程度の被害で済んだのは良い事よ。でも、この艦が戦えないんじゃあ仕方が無い」


参謀達に向き直り


「艦隊、速やかにフィリピン目指して撤退」


艦隊は反転してフィリピンを目指す。




-赤の都市-


総統官邸。別名『ヴァーラスキャールヴ』。ここの地下は通路が一直線である所と繋がっていた。


「ミーミル。順調に作業は終えているか?」


ヒトラーが地下通路の一番奥の空間に入りながら言う。


「勿論です総統閣下」


その空間にはミサイルが何本も製造過程であった。


「アメリカ、ニュージャージ沖でVXガス弾頭を回収できるだけ回収し、コピーしたものです。赤の都市ではVXガス弾頭をミサイルに積んだタイプを製造中です。紫の都市ではソマン弾頭をミサイルに積んだタイプが製造されております」


ミーミルが説明する。そして、二本の連なる鉄の棒を取り出す。そして、鉄の棒を左右に離すと、ガラスが中間に張られており、そこに地図と映像が投影される。


「製造されたミサイルは青の都市の発射基地に地下のベルトコンベアを使って移動させられます。そして、発射用意が整うと言う訳です」


「分かった。保険とはいえ、早く製造を終らせてくれ」


「問題ありません。製造は順調に進んでおりますから」

作者「遅くなりながらも後編です」


高天原「遅すぎます」


葦原「そして、戦闘シーンが少なすぎる」


作者「遅いのは原作仕上げが遅いから。戦争シーンは完全に私のせい」


葦原「読者ががっかりした反応だったら許さない」


作者「御免なさい」


高天原「もういいんで、次回の予告を」


作者「御免なさい。原作の遅延で、不明です」


原作者「御免なさい。出来る限り早く仕上げたいけど、こっちも仕事が忙しくて」

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