一人寂しく賊退治
細身の剣を手に一人立つウィクトルの前に立つのは数名の男。彼らは、山で盗みやら何やら犯罪を繰り返している、野蛮な賊である。他者を傷つけることを何とも思わぬ輩。現に今もそれぞれ武器を構えている。
「テメェ何しに来た!」
「死にてぇのか? あぁ?」
「一人でのこのこやって来るとはナメてやがる!」
「まぁいい、さらっと殺してやーー」
最後の一人が言葉を言い終えるより早く、ウィクトルの足が動いた。
気づいた時には半分以上が剣の餌食となっていて。山賊は一瞬にして数を減らされる。ものの数秒で、ウィクトルの目の前に立つ者は一人だけになった。
ウィクトルの鋭い視線が残っている一人に向く。
男はゾッとしたような表情を浮かべつつ、元々手にしていた斧の柄を握り直す。
その時、ウィクトルの背後から男が一人飛び出してきた。もしもに備え隠れていた山賊の仲間である。隠れていた男は、飛び出すや否や、「ふんっ」と叫びつつ太い剣をウィクトルに向けて振り下ろす。
ウィクトルは咄嗟に飛び退き大剣による攻撃を回避しようとする。結果、攻撃をかわすことはできた。が、細身の剣を弾き飛ばされてしまっていた。
「よくも皆をやりやがったなぁ!」
直後、最初に対峙していた男たちの中の生き残りが、ウィクトルに向かって斧をブーメランのように投げつけた。
ウィクトルは身体を横に動かすが、間に合わず、右肩に傷を負う。
斧の一部が命中した衝撃で転倒したウィクトル。すぐには立ち上がれない。そこへ迫る二人の男の武器。太い剣と斧が前と後ろからウィクトルに迫る。だがウィクトルはギリギリまで動かない。その場でタイミングを窺う。
二つの武器がちょうど交差する瞬間ーーウィクトルはその場から動いた。
二人の男はもう動きを止められない。そのまま互いを攻撃してしまう。まるで喜劇であるかのように。
その隙に自分の剣を拾い上げたウィクトルは、うっかりやらかしてしまい混乱している二人の男を一気に始末したのだった。
◆終わり◆




