鑑定と加護
前回のあらすじ
『創造』が予想以上だった
取り敢えず、イデア様が嘘をつくとも思えないのでスキルを創ることは出来るのだろう。『鑑定』だとしても。
『まず利き手を突き出して、』
あぁもう次の文字が出てる…えっと利き手は左かな岩崎は右だったから少し違和感。
『そして出来るだけ集中して鮮明に『鑑定』のイメージを持ってください。』
『鑑定』のイメージといえば、やはり物や人を見て対象の詳細が書かれたウィンドウが出る感じだろうか。ふん!……?ふんっ!……?あれなんも起きないが?あっ、まだ続きあった。
『上手く行くとての先に光の玉ができるのでそれをつかんでください。これで想像したスキルを創造出来ます。ね、簡単でしょう?』
続きは続きでも今の私には慰めにならない続きだった。あとイデア様、簡単でしょう?じゃないですムズいです。…懐かしいですねそれ。
「つまりは『鑑定』のイメージが足りないといことでしょう。光の玉のひの字もありませんでしたし。」
…よし、本気で集中するぞ私。目も閉じてしまおう。
鑑定鑑定鑑定鑑定鑑定鑑定……『鑑定』とはこの暗闇でも物を人を世界を紐解く、そんな世界を照らす光であり世界を見る目!
「『鑑定』よ私に宿れ!!」
ど、どうだろうか。行けた気がしたから思わず叫んで手を握り込んじゃったけど、出来てなかったら恥ずかしいなんてもんじゃないぞこれ…。うぅ、目を開くのが怖い…。…せ~のっ!っ!今左手から光が見えたような…?つまりこれは成功したのかな?と言うかどうやって成功したのかどうかを確認すれば?伝書本見れば分かるかな。
『無事に出来たようですね。今のあなたならステータスといえば持っているスキル等々を見ることが出来るでしょう。』
「なるほど『ステータス』ですか、これで持ってることが分かれば良いのですが、ふぅステータス!」
おっとこれは?
名前 ウィム・ロスト
種族 堕天使
使用可能魔法 空間魔法
所持スキル 収納 魔天眼
加護 イデアの加護 時空神の加護
称号 『創造』使い 名を授かりしモノ 『世界史書』の所持者
…ひとつひとつ確認しよう。まず名前とスキルの『収納』は良いだろう、種族については堕天した扱いとかチラッと言われてたから良いとして、『空間魔法』と『魔天眼』あと加護と称号、特に『時空神の加護』が意味が分からない。あれ、『鑑定』無いけど?もしかして失敗してた?遅れて顔が赤くなってくる…//
『さて今度はステータスの説明としましょうか。多分、
名前 ウィム・ロスト
種族 堕天使
使用可能魔法 空間魔法
所持スキル 収納 鑑定
加護 イデアの加護
称号 名を授かりしモノ 『世界史書』の所持者』『創造』使い
となっていると思います。」
うわぁ頼みの綱の伝書本も、鑑定がある前提で書いてあるし……。おやっ?所々違う。本の方には『魔天眼』の位置に『鑑定』がある…これはもしかして違う名前の同じスキルでは!?それなら私は失敗していないっ!よかったよかった続き読も~。
『名前は本人が思っている名前が基本は出ます。ただし、名前がまだ決まっていなかったりしたら無名と出ます。
種族は世界が定めたルールで付きます。自認によりません。ちなみに堕天使のルールは種族・天使が仕えるべき神を失ったり、死を初めとした鬱屈とした魔力の影響を受けることです。』
なるほど種族・堕天使の理由がダブルヒットしてるのはともかくここまでは理解できる。が、問題は次からだ。
『使用可能魔法は、スキルではなく3つの力の一つの魔法です。この世界特有の自然にあるエネルギーを用いて、どんな現象を引き起こせるかが大まかに書かれます。収納の中に手を入れたときに空間魔法が取れたのでしょう。鑑定すると分かりますが『収納』の中は魔力だらけなので無意識でも収納の縁に触ったりすると魔力に反応して収納内の空間が少し変わります。そのせいで空間魔法は書かれています。』
見覚えのない『空間魔法』は『収納』の時だったか、もしかしたら天使のトゥーエ?だったかが転移で入ってきたのも空間魔法かもしれないな。
『所持スキルは文字通り所持しているスキルが見れるところです。他の項目は単に入手順ですがスキルは性質毎にまとめて表示されます。また、鑑定系スキルを持っていないと自分のステータスも名前くらいしか分かりません。』
スキルだけ入手順を多少無視するなさ辺り相当な数のスキルがあると見える。今さらだが肝が冷えそうだ。
『加護は神といった上位的存在が与えるものでよほど何かしらの感情を持たないと与えません。少なくとも私はあなた含めて片手で収まる程度です。称号は世界から認められたり称えられるときに付きます。どちらも魔法、スキルほど大きい影響を持ちません。精々、補正を加えるくらいです。私の加護は『創造』系のスキルや魔法に補正が乗ります、あと私の他の信徒から慕われるくらいはあるかもです。いっぱい創造系を使ってくださいね。』
なるほど『神といった』って書き方から神以外にも上位存在がいるみたい。あと、『信徒から』ってあるから『イデア教』みたいのがあるのかもしれない。それと世界で5人くらいの1人になれたのが純粋に嬉しい。テンションが上がってきたんだが…。いや現実逃避はやめよう。
加護は何かしらの感情を持たないと与えられない。にもかかわらずついてる『時空神の加護』イズ、なに!どんな感情を持ってたにしても知らないやつから加護もらうの怖すぎる!上がったテンションが下がってあまりあるくらいには怖い!ホントに!
異世界で初の恐怖は見ず知らずの他神から加護されることでした。