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~言い訳を考えましょう~

~言い訳を考えましょう~


 すぐに聖ブブロ王国に戻り、イスファを回復してもらおうと思っていたのだが、ムネリにこう言われた。


「イレスティア国王への報告が必要です」


 まあ、わかっていたけれど、どうにかイスファだけでも先に移動させたいと思っていた。


「いえ、イスファン王子殿下と共に報告が必要です」


 ですよね。わかっていますよ。私だって王女殿下ですからね。しかも、今回のミルザ王国訪問の間にちゃんと父上が私を王女殿下という立場に戻すと言っていたし。


 それに、タリークからも言われた。


「今、ミルザ王国は未曽有の危機です。父であるミルザ国王、兄であるイスファン殿下、そして、姉であるフェリアル殿下が悪魔化する可能性があります。今の所無事なのは私と弟のナジーブラだけですが、今のナジーブラを第二王子として掲げるには不安も残ります。もう少し調教が必要ですね」


 ちょっと待て。今教育じゃなく、調教って言ったよね。タリークってイスファに似ているけれど中身は違うのだってよくわかった。


「それに、多くの者が同じ状況に陥っています。聖水は神官が水に魔力を流して浄化していますが、私たちが求める量の聖水を精製するには時間がかかると言われています。イレスティア王女殿下が聖水を提供していただけないとミルザ王国は今のままでは崩壊します。まあ、代わりにできるものを育成すれば何とかなるかもしれませんが、国内の貴族を抑えるためには力が必要になります。少しだけ貴女のお名前をお借りさせていただくことをご了承ください」


「わかりました」


 いや、承諾したけれど、タリークはなんか極悪人みたいな笑顔をしていたんだよね。


「タリーク。ほどほどにするように」


 イスファがタリークにそう伝えたがタリークは「ミルザ王国のためです」とだけ伝えた。


「それはどういう話しにするのかだけ教えてもらえますか?」


 さっちゃんがタリークに詰め寄った。


「普通の事ですよ。何者かがミルザ王宮に入り暴れ衛兵を含む数名が負傷。その狼藉ものを排除したのがイレスティア王女殿下であると言う情報を広めます。その恩義に報いるためイスファン王子殿下とイレスティア王女殿下との婚姻を認め、またイスファン王子殿下の立場を良くするため、定期的にイレスティア王国に対し献金をすると発表します。まあ、今までウィンザー公爵家に支払っていた金額の半額程度です。それに王宮内の上層部は今回の事、特に聖水が必要であることは周知します。だから、イレスティア王女殿下を恨むものがそこまでいませんよ。ご安心ください」


「そういうことならわかりました」


 いや、さっちゃん。そこはもう少し交渉しようよ。その献金っていうのがイレスティア王国内では『無理やり徴収している』という噂になるんだからね。


 だって、ミルザ王国が聖水を必要としていることはイレスティア王国には開示できないんだから。


「ただ、一つお願いがあります。というか、今のイスファン王子殿下の外見についてです。髪の右側だけが半分黒く、また右目も黒い状態です。聖水のおかげでうねうね動いている感じですが、やはり見るものが見れば悪魔化が進んでいるのがわかります。それで、この容姿をどうにかしてからイレスティア王国に行っていただきたい」


 タリークにそう言われた。まあ、王族が悪魔化しかけているとか外聞も悪いものね。ってか、今のイスファもなんか中二病っぽくてわるくないんだけれど。


 ほら「俺の右目がうずく前にここかた立ち去れ」とか言ったらかっこいいと思うんだけれどな。


 ってことを言ったらイスファから「言った方がいい?」と真面目に返された。お願いしたら恥ずかしがりながら言ってくれた。まあ、これはこれでありだけれど、一回で辞めた。


 対処方法についてはさっちゃんが考えてくれた。


「まず、イスファン王子殿下の髪を切ります。次に、切った髪をつかってカツラを作ります。それで髪は誤魔化しましょう。目についてはどうしようもないので眼帯をつけるのがよいかと思います」


 眼帯キャラ。やっぱり中二病設定がいいよね。「この邪眼の力を解放する時がきたか」とか「くっ。沈まれ。邪眼。お前の出番はまだ早い」とか言ってもらいたいじゃない。


 なんて言ったら軽く引かれた。いや、言うのは私じゃなくイスファなのよ。

ミューズなんか「よしよし、いい子だよ」とか言いながら私の頭を撫でてきたし、おなかもぷにっとされたけれど。


 ムネリは私の太ももだけ見て「大丈夫、問題ありません」と言って来た。いや、問題だらけだよ。


 リーリカなんか「オジョウサマ、ワタシモ、ナニカ、スルノ?」とか聞いてきたし。リーリカなんか個性的なんだからこれ以上個性足さなくていいからね。


「え~と、こういう感じのポーズをするのがいいの?」


 イスファはまた気を使ってくれて、右目の眼帯を左手で隠しながらにやりと笑うポーズをしてくれた。頬は引きつっていたけれどね。なんだかこう少年に無理やりやらせる背徳感しかなかった。


 ただ、なんとかイスファ改造計画、じゃなかった、イスファの悪魔化を隠す算段はついたので、イレスティア王国に戻ることにしたのだ。


 色々とイレスティア王国の人も思う事はあったようだけれど、結納金としてミルザ王国から毎月お金が納品されることを知ると誰もが黙ったのだった。お金の力ってすごい。



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