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~どうしてこうなったのか振り返りましょう~

~どうしてこうなったのか振り返りましょう~


 あの日は本当にバタバタした一日だった。


 だって、起きたら館が騒がしいと思ったら、イスファからは弟のタリークが行方不明だと言われ、そう思っていたらイスファを苛めている異母姉弟の姉の方のフェリアルが突撃してきたのだ。


 理由はフェリアルの弟のナジーブラが行方不明になっていて、その犯人がうちらだと主張するのだ。知らんがなって思ったよ。


 するとイレスティア王国からミルザ王国に来るときに追加で従者になったブルーノというこれまた信用できないやつが変なことを言い出したのだ。


 まあ、このブルーノの性格は最低だけれど、頭はいいみたいなのよ。ブルーノを中心に聞き込みをしていくと、まず、私たちを受け入れてくれているアルダーブ公爵が行方不明ってわかったり、ナジーブラのお気に入りの侍女が行方不明になっていたりと行方不明者がたくさん現れたのだ。


 ただ、この行方不明事件はタリークとナジーブラの寝室をちらっと見た後、ディートリンデ王妃が暴れていて文官が仕事をしているという話しを聞いた後、いくつかの情報を確認したブルーノが解決してしまったのだ。


 まあ、解決の間ものすごく上から目線で煽られ続けたけれどね。



 まず、ナジーブラが最初に発見され、その後、アルダーブ公爵は私たちが住まわせて貰っている館に戻ってきたのだ。


 なんというか、眉間のしわが深く猛禽類のような目つきをしたガタイのいい初老の男性だった。


「ふむ、その方がイレスティア王女殿下か。我がアルダーブだ」

「エリザベート・フォン・イレスティアです。ご厚意でこちらに滞在させていただき本当にありがとうございます」


 そこから味のしない晩餐を食べた。本当につらかった。イスファが居てくれたら少しは違うのだろうけれど、イスファは弟のタリークの面倒を見るという事で王宮にいるんだよね。なので当たり障りのない会話で乗り切った。


「すごいですね。あのスィーリーン王妃よりも気難しいので有名なアルダーブ公爵と一緒に食事できるのですから」


 そうさっちゃんから言われたが全然うれしくなかった。その日は疲れ切っていたからお風呂に入ってすぐに眠りについた。


 リーリカに見張りをお願いをした。部屋の中にはミューズも護衛のためにいる。だから大丈夫だと思っていたんだ。


 眠っている時にすごい音がしたので目を醒ました。だが、暗くて見えない。


「クリエイトファイア」


 小さな火を起こして灯り代わりにすると、目の前に倒れているミューズと苦しんでいるリーリカが居た。そして大きな影の塊。


 一体何が?そう思ったら私は後頭部を殴られて気を失ったのだった。


 その時思った。ブルーノが私を囮にして相手を捕まえると言っていたのを。あいつ何かしやがったな。確証はないけれど私はそう思った。それくらい私はブルーノを信用していない。いや、ブルーノならそれくらいの事を仕出かす自信だけはあった。



 何か揺れている。頭上がガンガンするので目を醒ました。馬車に乗せられているのだろう。なんだかすごく揺れている。しかもちゃんとした馬車じゃない。幌がついているだけの荷馬車みたいなやつだ。そして、両手は後ろで縛られていて足も縛られていた。


 さらに猿ぐつわまでさせられている。うん、魔法は詠唱なしでも発動させられるけれど、敵の数がわからないと困るし、そもそもここがどこかもわからないと敵を倒した後が大変だ。


 荷馬車の中にいるのは1名だけ。だが、こいつは強い。雰囲気からわかる。黒いローブを被り、顔を隠しているが、おそらくこいつがリーリカを撃退した立体的に動くやつなのだろう。さて、どうやってこいつを倒そうからし。そう思っていたら黒いローブの男が私の方を見てきた。


 その時に顔が見えた。目を見開いた。ありえないものを見たからだ。そこには肌は褐色、髪は灰色になっているが、ウェーブがかかった髪型だった。誰か解ったからだ。


 オーゴだ。この肌の色はネクロマンシーで復活させられた死体なんだろうな。だが、リーリカと違い自我があるようには見えない。なんというか動きがぎこちないのだ。


「うががががが」


 なんだか声にならない何かを発した。馬車が止まる。これはまずい。


 手首を縛っているローブをナイフのような形状に形にしたクリエイトファイアで焼切り、次に足のロープも焼切った。


「ミスト!」


 霧を発生させるけれど、ただの水じゃない『聖水』だ。目の前にいるオーゴが苦しんでいるのでやっぱりオーゴはアンデッドだったことがわかるが、リーリカと違って影にもぐりこまない。


 影魔法が使えないのだろうな。だが、馬車が止まり、閉じられていた幌が開けられた。目の前には10人もの悪漢がいた。


「へぇ~10人くらいで何とかなるとでも思ったのかしら?」


 私は『クリエイトウォーター』を発生させ、10人の悪漢の首から上を覆えるだけの水球を出現させた。


 念のため、水ではなく聖水で作ったが、誰も息苦しいだけで、聖水を受けて肌が焼けるような感じになって苦しんでいない。ということはこのオーゴ以外はアンデッドでないのだろう。10人の悪漢はすぐに酸欠で倒れたけれどね。だらしないね。


 周囲を見渡す。

 オーゴはすでに立ち上がり木の上にいて、こちらを観察していた。


「ミスト(聖水)」


 周囲を聖水の霧で囲むが、アンデッドは徐々に体力が削られるだけで致命傷にはならない。そして、それが解ったのがオーゴは普通に突進してきた。


 でも、それを待っていたのよね。


「クリエイトストーン」


 落とし穴を掘ってその上から「クリエイトウォーター(聖水)」をぶつけた。


「うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!」


 ものすごい叫び声がした。だが、声がするという事はまだ行動停止になっていない。どうすればいい?生き埋めにするか。


「ストーンバレット」


 重量に特化した岩を作り上から落とし穴に押し込んでみた。


「倒せた?」


 フラグかもしれないがそう言ってしまった。けれど、しばらくしたけれど静かなままだった。


 地面を2回蹴る。遠くにリーリカのパスが感じられる。影をつたってリーリカがやってきた。


「ここはどこかわかる?」

「ワカル。ケレド、モンダイ。オキテル。イスファン。キケン」


 敵の狙いは私じゃなかったって事なの?ってか、どういうことよ。


 リーリカに馬車の御者をしてもらい私は急ぎ王都に向かった。王宮に駆け付けたいけれど、多分止められるよね。


 それはわかっている。もどかしいけれど一旦アルダーブ公爵邸に向かうことにした。


 何回かリーリカが後ろを気にしていたけれどオーゴって倒せたんだよね?違うの?


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