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~また行方不明者が出たでしょう~

~また行方不明者が出たでしょう~


 ヌーフが教えてくれた場所は、3か所だった。一つ目は没落した貴族のタウンハウスが少し郊外にあるという。


 この没落した貴族は投資詐欺にあって没落し、今では寒村の村長をしているという。その貴族の娘がかわいい顔立ちをしているらしく、その娘狙いでの詐欺だったのだろうという。


「なんで助けなかったの?」

「うちの派閥じゃないから手が出せないんだよ。それに騙した方も騙された方もどっちもディートリンデ王妃一派だからね」


 何それ。ひどすぎて声も出ない。


 後は郊外にある管理されていない別荘と、少し離れた所にある廃村があるという。廃村は盗賊のねぐらになっているが、その盗賊に出資をしている貴族もいるという。


 その情報を聞いたブルーノは「何か違うなあ」とつぶやいた。多分、ブルーノは私たちに言っていない情報を持っていそうだ。だが、この場で言うつもりはないみたい。


「足りない情報はそこじゃないですね。不思議なのがディートリンデ王妃は騒いでいるとのことでしたが、スィーリーン王妃はどうなのですか?」


 息子が行方不明なのだ。動揺するよね?


「母は騎士団に調査を依頼していつも通りに業務をしている。業務を止めるわけにはいかないからと言って。それが王妃の勤めですと」


 強いな。ってか、ディートリンデ王妃が行う業務はどうなっているんだろう?


「ディートリンデ王妃の仕事は文官が手分けして行っています」


 なんだかディートリンデ王妃って居なくてもなんとかなるんじゃないの?ならないのかしら?

 私がそう思っているとさっちゃんがこう聞いてきた。


「ナジーブラの行方不明は少しだけ毛色が違いますね。ナジーブラの身辺を調査、もしくは誰か行方がわからなくなったものとかいませんか?」


 はて?どこの毛色が違うんだろう?ナジーブラってそんな変わった髪してたっけ?


「あ、やっぱりそこ気が付いちゃうよね。情報が知りたいんだよ。誰か知らないかな?ナジーブラってどこで寝ていたんだろう?ってか、夜はどこに行っていたのか。知っている人いるでしょ?そこは確認してないなんてないと思うんだけれどどうなのかな?」


 ブルーノがそう言ってイスファに詰め寄る。


「ちょっとブルーノ。イスファに詰め寄らないで!」


 がるるるる!ちょっと威嚇してみた。


「お嬢様、ブルーノの言い方には問題はありますが、先に解決した方がいいでしょう。おそらくナジーブラ殿下については別だと思いますから。ですよね」


 ムネリもそう言って来た。今までの情報で何がわかったというのだろう。まったくわからないのだけれど。ひょっとして理解していないのは私だけなのかしら?はて?


「そうですね。ナジーブラの奇行は今に始まったことではないですが、噂ではとある侍女にかなり入れ込んでいるみたいです。まあ、まとわりつくと言った感じでしょうか?かなりお気に入りみたいです」


 ナジーブラもおませちゃんだったのね。まだまだかわいいお年頃だし。私がくすくす笑っていたら真剣な表情でさっちゃんがイスファにこう確認した。


「その侍女はひょっとして行方がわからなくなっていませんか?また、何か物や書類、貴金属などなくなっていたりしませんか?」


 さっちゃんの質問がよくわからない。だって、侍女だよ。ある程度身元が保証されている人なんだからそんな事したらすぐに捕まってしまうし、後ろ盾になって貴族が罰せられるだけじゃない。


「・・・一人朝から行方がわからない侍女がいる。そして、その侍女の身元保証をしていたはずの貴族はそんな侍女は知らないと言っているんだ」


 なんか一気にきな臭くなってきた。


「その貴族はひょっとしてディートリンデ王妃派閥で、少し通常とは違うルートで雇用されていたりしませんか?」


 さっちゃんは目を輝かせている。ごめん。全然ついていけてないんだけれどどういうこと?一体さっちゃんは何が見えているの?


「なぜそこまでわかるんですか?」


 イスファがびっくりしている。


「え?そこまでわかっていてまだナジーブラの行方不明になっていることと、ディートリンデ王妃が暴れている理由がわからないの?おかしいよね?もうわかるよね?これだけ情報があってわからないお馬鹿さんはいないよね?」


 ブルーノがイスファを煽っているが、全然わからないんだけれどどういうことなの?


「ねえ、さっちゃん。全然状況がわからないんだけれどどういうことなの?」


 私がそういうとムネリが「後で説明します」と言ってくれた。後なんだ。ってか、ムネリも理解しているんだ。


「それでさぁ、ここまで情報を伝えたんだからもう動いたら?ねえ、ねえ、わかっているんでしょ?なくなったものは何?機密情報?それとも宝石類?」


 どういうことなんだろう?私がきょとんとしていたらイスファがこう言って来た。


「確実なことはわからない。けれど、ディートリンデ王妃の部屋に誰も立ち入れないからなくなっているとしたらディートリンデ王妃の寝室にあったものだろうね。機密情報はないだろうけれど、まずいものは一つある」


 ん?なんでここでディートリンデ王妃の寝室?ああ、そう言えば暴れ狂っているんだったわよね。自室で暴れているのか。面倒な人だね。


「王妃印かな?勝手に何かの書類に押されていたら困ったものだね。だから文官が確認のため仕事を引き受けたんだ。忙しい文官のみんなは大変だね。ってことは、ナジーブラは騙されたことに気が付いて、でも、自分がしたこともわかっているから、逃亡したってところかな?さて、子供の足で行ける場所は限られているよね。それでさ、この王都だとどこなら隠れられるんだろう?そういう情報を求めたのに検討違いな所ばっかりいうものだからびっくりしちゃったよ」


 少しだけわかってきた。こう言う事か。


 ナジーブラはお気に入りの侍女が出来た。

 その侍女はどこかの国の間者だった。

 ナジーブラはその侍女にそそのかされ、ディートリンデ王妃の寝室にある宝石類を持ちだしていた。

 侍女が狙っていたのは宝石だけじゃなく、王妃印だった。その王妃印が手に入ったから行方をくらました。

 ナジーブラは騙されたことに気が付いたけれど、自分がしでかしたことにおびえて自ら姿を隠した。

 ディートリンデ王妃は王妃印がなくなったことがばれないようにするために暴れていて、その間に王妃印を探すように命じている。

 その情報を得た文官は勝手に承認がされていないかを確認するために走り回っている。


「こういうことであっている?」


 私はさっちゃんにそう確認したらおおむね合っていると言われた。

 諦めた口調でヌーフが口を開いた。


「ナジーブラ殿下をお預かりしているのは私どもの主であるアルダーブ公爵だったのです。けれど、本当にそのアルダーブ公爵と連絡が取れなくなってしまったのです」


 え?まだこの行方不明事件って続くの?さくっと解決するものだと思っていたのに。


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