~幕間~
~幕間~
おかしい。なぜだ。なぜうまくいかぬ。
オザーム東方連合国の商会長ジョン・イーキャは娘の事故の怒りの矛先をエリザベート・フォン・イレスティアに向けるはずなのだ!
なのに、どうしてそうなっていない。
歴史がなぜ変わる!
人に裏切られ、絶望し、誰も信用せず、自らの膨大な魔力で威圧的な行動を取るエリザベートになぜ協力するだ。
しかも、イース帝国の知能と言うべきサリナ・レドルフがエリザベートと仲良くしているとかおかしすぎる。
同じ授業で一緒になり、同班のモモハ・イーキャが毒殺未遂になったときに、自分もまきこまれると恐怖からエリザベートを遠ざけ、また、エリザベートの人と距離を取りつつ、力で周囲をねじ伏せる姿を見て、イレスティア王国に未来はないと見限ったはずなのにどうして、イース帝国に戻って来ぬのだ!
一体何が起きているというのだ。
儂はまだ動けぬ。時を遡るという邪法を使わざるを得なかったため、魂が定着しておらぬ。
仕方がない。あやつら中で誰かを使うか。
儂はまだ魂が定着しておらぬ、体ではなく、この時代の自分の本体の方に魂を移動させる。
自分の身体だが、歳を取りすぎておるためなかなかいう事を聞かぬな。
やはり転生するのなら若い体が一番じゃ。じゃが、普通の身体では儂の魔力を受け止めきれぬ。
だから、適合者を探し、ようやく見つけたのだが、いかんせん魔力がありすぎる体のため、抵抗が強すぎるな。
まあ、もうしばらくこの身体を使うか。
「誰か、誰かおらぬか?」
手元にあった杖で地面に伸びている影を叩く。
影から3体出てきた。
「けけけけけ。主か。何の用だ?」
「くだらない用事なら斬り捨てるぞ」
「いい男と遊んでいたのに、この代償は高くつくわよ」
まともなのが一人もいなかった。
「イレスティア王国のエリザベート王女の監視は誰がしておる?」
指示を出したがこいつらは自分がしたいことしかしない。
「けけけけ。主がすればいい」
「話しが終わったな。訓練に戻る」
「代償として何を差し出すの?あなたの命?」
ダメだ。こいつらダメ過ぎる。だが3番目のコイツなら動きそうだ。問題だらけだが。
「儂の命は無理だが、イレスティア王女の魂はどうだ?」
「女の魂はいらない。男だったらいいわ。あら、近くに若くていい男の魂があるじゃない。こいつでいいわ。こいつが泣き叫びながら懇願する顔を見たいわ。いいでしょ?いいわよね?ああ、楽しみだわ」
そう言って消えて行った。
あの王子を選ぶか。まだガキだが、狙われたら最後だ。生きのびるなんてできないだろうな。
王子が一人くらいいなくなっても問題なかろう。まだまだ修正は可能な範囲だ。それに、次こそは間違えぬ。
くははははは。




