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~お茶会を乗り切りましょう~

~お茶会を乗り切りましょう~


 謁見室を出て控室に通されたかと思ったら、中庭が見える場所に通された。


 イスファの顔を見ると緊張しているのがわかる。

席次になんか悪意を感じる。国王の右側にスィーリーン王妃、左側にディートリンデ王妃が座っている。


 スィーリーン王妃の横にイスファが座っていて、ディートリンデ王妃の横にフェリアルが座っている。なんでフェリアルが?しかもこのフェリアルものすごく私のことを睨んでいる。


 何か私嫌われるようなことしたかしら?ああ、パンをぶつけたのと拘束したくらいか。


 拘束後についてはミューズがOHANASIをしたって聞いたけれど、なんかこのフェリアルって子ちょっと思考回路が変だってミューズが言っていたな。


 そして、国王と対面する形で私が座っている。これって私ってアウェーじゃない?


「こちらがお土産になります」


 後ろに控えていたさっちゃんが何かお菓子を渡している。まあ、呼ばれとはいえ、お土産は礼儀だ。ってか、こういう展開も予想していたってことなのかしら?


 さっちゃんは国王の後ろに控えていた男性に渡す。男性は一旦受け取り、そっと匂いを確認し、一つ口にしてから「問題ありません」と言って奥に控えた。


 ここに並べられているものも毒見済みなんだろうな。もし、ここで何かあったら大変なことになる。


「それで、なんであんたがいるの?そこに座るべきはあんたじゃなくナジーブラでしょうが!」


 この場で最初に口を開いたのがフェリアルだった。いや、身分の高い人から会話をするのが普通でしょ。


 スィーリーン王妃が目をつむった。あ、これ絶対に機嫌が悪くなったな。すごくわかりやすい。とりあえず、ここは沈黙が正解だろうな。今回はホストである国王から話し出すまでは様子を見ておこう。


「ちょっと、何だまっているのよ」


 まだ、お茶は注がれていないが、目の前にはカップも、お皿もある。そして、そのお皿を私に向けて投げつけてきた。


 当たると痛そうなのでそのまま掴み、何事もなかったかのように私はお皿を後ろにいるさっちゃんに渡した。


「やめぬか。フェリアル。それ以上粗相をするのであれば退席を命ずるぞ」


 国王さんや、甘くないですか?すでに退席させてもいいくらいの暴れっぷりですよ。


「フェリアル。それくらいにしておきなさい。国王陛下の御前です」

「ふん!」


 ディートリンデ王妃の静止もあったのか悪態はついているがフェリアルは落ち着いた。


「落ち着いたようだな。それでは、イレスティア王女殿下に聞きたい。我が不在の間に色々とあったようじゃが、ミルザ王国を手中にする意図があるのか?」



 はい?どういうこと?


「そういう意図はありません」


「はぁ!あんたふざけているの!どれだけ私たちに迷惑をかけたと思っているの!あんたのおかげで大変なことになっているんだから!」


 フェリアルがそう言ってお茶をかけてきた。避けてもよかったのだが、これは被った方が面白いかも。なんて思ったので頭からお茶を被ってみた。


 だって、スィーリーン王妃のあのプレッシャーに耐えられるとは思わなかったから、お茶をかぶればすぐに終わると思っていたのだ。


「お茶会は終了ね。あなた、ついていらっしゃい。王宮にあるお風呂に連れて行ってあげる」


 はい?スィーリーン王妃がそう言うと私はそのまま王宮にあるお風呂場に連れて行かれた。


 侍女変わりのさっちゃんだが、スィーリーン王妃の侍女にブロックされて浴室の中に入ることができなかった。


「王宮の大浴場は広くてきもちいいのよ。あなたもそう思うでしょ?」

「・・はい」


 スィーリーン王妃は二人も子供を産んだとは思えないくらいスタイルがいい。ってか、胸が大きい。そして、なぜかロックオンされている。


 体はミルザ王国の侍女があらってくれているのだが、すぐ近くにずっとスィーリーン王妃がいるのだ。


 そして、今は湯船につかっている。すごくこの浴場はいい匂いがするのだ。あまくふわっとする感じだ。


「あなたに聞きたいことがある。どうしてイスファンを選んだ?」


 なんだろう。威圧的なのに、なぜかそこまで拒否感がない。


「え~と、最初はかわいい男の子としか思っていなかったんですけれど、毎日送り迎えをしてくれているうちに、色々と気になって。それで、そのイスファが怪我をしているのを見た時にものすごく怒りが込み上げてきたんです。怪我しているイスファを見て、ああ、私はイスファの事が特別なんだって思えたんですよね。だから、イスファを怪我させた相手が許せなかったんです」


 なぜか思っていることをそのまま話してしまった。湯船でリラックスしていたからだろうか。私がそう言うとスィーリーン王妃は後ろの侍女に何かを確認していた。


「嘘はないのか。あなたの悪評はこのミルザ王国にも届いている。だからちょっと本音を話す香を焚いて、魔道具で真偽を試させてもらった」


 ちょっと待って。そんな恐ろしい状況だったのか。


「もし、ミルザ王国を狙ってのことならあなたをここで始末したけれど、本心なら考えてもいいわ」


 ってか、始末されるのか。確かにこの状況だと戦うのは厳しい。のか?


 魔法は使えるだろうし。ああ、なんか魔力を練ろうとすると引っかかりがある。使えるけれど使いにくいという事は封魔結界でもあるのかしら?


「あの、私には封魔結界は通じませんよ。これくらいの抵抗なら普通に使えますし」


 私がそう言うとスィーリーン王妃はぎょっとした表情になった。


「そ、そうなのね。流石は『赤い悪魔』ね。まあ、いいわ。それでイスファンをどうするつもりなの?」


「イレスティア王国に連れて帰ります。私はあの国でやらないといけないことがありますから」


 というか、このままミルザ王国に居てもいいのかもしれない。そのほうが安全なのかも?なんて思ったけれどカーティス領や今のイレスティア王国の状況から逃げることもできないしな。なんか外堀を埋められているような気がする。


 私が黙っているとスィーリーン王妃はこう尋ねてきた。


「それは胸にある魔方陣と関係あるのかしら?」


 衣服を脱がされた時に胸にある魔方陣を確認されたからだ。害があるものではないと判断したので一緒にお風呂に入ることが出来ている。


 だが、魔方陣について私が語ろうとすると言葉がでなかった。


「・・・何か制限がかけられているのね。そんな高度な魔方陣を刻めるものがいたなんて知らないけれど。ただ、イスファンをミルザ王国から出すことは認めません。あの子にもやらないと行けない事があるのです。あなたがイレスティア王国に戻るというのならイスファンは諦めてもらうわ!よく考えなさい」


 そう言ってスィーリーン王妃は先に浴室を出て行った。

 私はどうしたいのだろう?


 頭の中に何かがこだました。


 ユウカイスレバイイダケダヨ。


 なんだろう。変な声がした。頭が痛い。のぼせたのだろうか?気が付いたら私は意識を失っていた。



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