~脱出しましょう~
~脱出しましょう~
石を投げられたから、握りつぶした。破片は相手に当たらないよう気を付けた。だって、その破片が当たったら難癖付けてきそうじゃない。
だから破片は自分に向かうけれど、相手に向かわないよう気を付けたのだ。けれど、イスファの弟であるナジーブラは私のその行動を見て腰が抜け手のひらに擦り傷程度の怪我をしたんだって。
んで、私が投げられた石を握りつぶさずに、ぶつかっていれば、ナジーブラは怪我をしなかったとか言い出したんだよね。
すっごい言いがかりじゃない?もうびっくりしたよ。
まあ、実際ナジーブラは腰を抜かしただけじゃなく、恐怖で叫び出したから周囲から人が大量に出てきたんだよね。それにナジーブラが「あいつ、悪魔だ。赤い悪魔。本当にヤバい」とか言いながら泣き出したんだ。
この状況のおかげで私は拘束されちゃったんだよね。いや、こんなの回避できないでしょ。
「絶対助けるから、だからおとなしくしておいてね」
イスファにそう言われた。相手だってバカじゃないものね。イレスティア王国の王女をどうにかするとか考えていないだろう。
なんて思っていました。
まず、連れて行かれたのは塔だった。塔の上にあるその部屋はちゃんとベッドやテーブルもあるけれど窓は上の方に小さいのがあるだけだし、扉は鉄製で分厚いものだった。
これって壊したらダメなんだろうな。というわけでこの独房っぽいところに押しこめられて半日が経過したけれど、水も食糧も出されることはなかった。
だからクリエイトストーンでコップやお皿、スープ皿を作り、パンとスープ、そして水も用意した。
あ、お風呂にもつかりたかったから湯船も作ってみたんだよね。お湯をだし、湯船につかる。シーツをタオル代わりにして、クリエイトファイアーでぬれたシーツを乾かす。
なんとかなるものだよね。ただ、パンばっかりだと飽きるんだよね。飢えることはないけれど飽きてくる。
床を2回蹴り、リーリカに何かおかずになりそうなものを確保してきてほしいことを伝えた。
後は暇つぶしの本も用意してもらった。
気が付いたら2日ほど経過していた。その間にリーリカにはミューズを通じて私が無事だということを伝えた。
今回はミルザ王国の一部の貴族が暴走して行ったことだが、赤い悪魔に水や食糧を与えなければ弱体化するだろうという思いがあったみたいなんだよね。
まあ、リーリカを通じての情報共有だからなんかよくわからないけれど、後少ししたらこの拘束を解かれるみたいだから。でも、閉じ込めて見回りにも来ないってどういうことなのかしら。とりあえず、今は
イスファの顔を立てるため暴れずにおとなしくしている。それに、平和的に解決したいじゃない。
「出ろ!」
寝ていたらなんか知らない男二人に起こされ、連れ出された。そう思っていたら変な部屋に連れて来られた。
コの字上にテーブルがあり、私は囲まれるように中央に連れて行かれた。もちろん周囲に知っている顔はいない。そりゃ、当たり前か。ここはミルザ王国だし、知っている人と言えばイスファくらいだ。
あれ?なんか正面の少し離れた所に見たことない女性がふんぞり返っている。歳は30代くらい。一体誰だろう?
「ふむ、では詰問会を開始する。申し開きがあるのなら先に応えるがよい」
正面に座っている老齢の男性がそう言い出した。
ん?これって何だろう。ってか、誰に言っているのだろう。周囲を見渡す。
「何を探しておる。ここにお前の味方はおらぬ。申し開きがないのなら罪を認めると言うことだな?」
「はい?私の罪とは何のことでしょうか?ああ、ここにいるおバカさんを放置しているという事なら確かに罪ですね。それは申し訳なかったです。え~と、灰になることをお望みですか?」
そう言って青色の炎を出現させる。
「おい、おかしいじゃないか。ここは魔法が使えないよう結界が張ってあるんだろう?」
はい?結界?ああ、そう言えば、いつもより魔力の制御が難しいなって思っていたらそういう事だったんだ。普通に使えていますけれどね。なんかごめんなさい。
「あいつは3日間飲まず食わずだったんだろう。なぜ元気なんだ!」
「ああ、それはパンとスープと水を口にしていたからです。ああ、そうですね。実演しましょうか。『クリエイトブレッド』」
そう言って、全員のあまたの上に硬いパンを出現させて落としてあげた。
全員気絶したっぽい。まあ、石みたいに硬いパンだしね。というわけで、部屋を出てみました。
さて、ここはどこなんでしょうか?
地面を2回叩いて、リーリカにイスファ達が居る場所を教えてもらった。
どうやらイスファとミューズたちは別々の所に居るみたいだ。
とりあえず、ミューズたちと合流した方がいいかしら?私はリーリカに案内を任せて人を避けながらミューズたちが居るところに向かった。
問題ないよね?




