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~神殿に行きましょう~

~神殿に行きましょう~


 王都でイスファは歓待を受けた。私はお留守番だった。ただ、カージェス領の発展について話題になっていたそうで、個別のパーティでムネリとさっちゃんも追加で呼ばれることはあった。私はお留守番。


 おかしくない?まあ、いいですけれどね。その間暇だったから私は神殿に顔を出すことにしたのだ。


 神殿に行くことを伝えると「離宮から出ないように」と言われてしまった。ああ、そうか。私が王都に居ることが知られるとまずいらしい。


 特に赤い髪は目立ちますものね。というわけで、髪が目立たないようにリーリカに編み込んでもらった。さらに帽子をかぶる。赤い髪はどこからも見えない。完璧だね。


 服装も目立たないようなものを選んでもらった。


「カンセイ、シタ」


 鏡で見たらそこには少年が立っていた。あれ?おかしいな。イメージは村娘になるだったのに、だぼっとした茶色の長ズボンに白いシャツの上からこれまた灰色のちょっと大きめのコートっぽいものを着て、茶色のキャスケットを被っているのだ。


「カラダノ、ライン、カクシタ」


 なるほど。だからちょっとサイズがあっていなくて全体的にだぼっとしているのね。後はリーリカに確認してもらい、離宮の隠し通路を探してもらった。


 うん、やっぱり地下通路があったね。私は護衛兵に一人だけお留守番だからふて寝をすると伝えたら放置された。


 一応ベッドにはクッションをつかって人型を作って置いて、私は地下通路を使い離宮を出て神殿に向かった。うん、チョロいね。



 神殿は治療を求めるもの、祈りを捧げるものと入り口が異なる。受付で用事を伝え喜捨を行う必要がある。


 金額は決まっていないが、金額によって受けられるサービスが異なる。受付で『神殿長のオムスリ』に面会したい旨を伝える。もちろん、喜捨は多めだ。見た目少年が少なくない喜捨をして神殿長に面会を求める。


 何か訴えたいことがあるのだと受付の方が勝手に判断し、さっと動いてくれた。といっても神殿は行列ができるような場所でもないから少し離れた所で待っていた。


「お待たせいたしました。神殿長がお会いするとのことです」

「ありがとうございます」


 できるだけ低い声でそう答えた。普通に応えたらかわいい声がでちゃうものね。まあ、少年だからいいのかもと思ったけれど頑張った。受付の人に「男装似合っていますよ」とすれ違いの時に言われましたが。


 あるれ~。おかしいな。ばれてるし。



 神殿の奥に案内され私は部屋の中で待機していた。念のため床を2回叩く。神殿は聖ブブロ王国と同じように簡易結界で覆われている。そのためリーリカは出現することはできないし、少し離れた所に居てもらっている。私の影の中にはいない。


「周囲に変な動きはないかしら?」


 私はそう念話でリーリカに伝えると「モンダイ、ナイ」と返ってきた。多分大丈夫だろう。


 しばらくして扉が開いた。そこにはオムスリ神殿長と人相が変わったけれど、当人とわかるエルリックが立っていた。


 え?なんで?そう思っていたらオムスリ神殿長がこう言って来た。


「エリザベート王女殿下。お待たせしてすみません」


 いきなりばれているし。というか、どうして?私が一瞬動けずにいるとオムスリ神殿長がこう言って来た。


「まず、噂で王都にエリザベート王女殿下が来られていることは知っておりました。そのタイミングで私を訪ねるものが居れば、その人は確実にエリザベート王女殿下だと。受付にもそのように事前に通知しておりました。ご安心ください。ここにいる者たちは神の信徒です。情報が外に漏れることはございません。それと、リックがお礼を伝えたいと言っておりましたのでお連れしました」


 そう言う事だったのね。変装がばれたのかと思ったわ。完璧に少年に変装できたはずなのにと思っていたから焦ったのよね。


「あ、そうそう。市井の少年に変装するのであれば、汚れ一つない服装だと目立ちますので、もし次も変装される場合は服を汚された方がよろしいかと思いますよ」


 変装もばれてたし。ってか、恐るべしオムスリ神殿長。まあ、次は気をつければ問題ないですわ。人は勉強するものだし、成長する生き物ですもの。


 そう思っていたら、エルリックがいきなり跪いてきた。はい?こういうキャラじゃなかったよね。


「俺は、あんな態度だった、俺を助けてくれて、ありがとう。エリザベート王女殿下に忠誠を誓います」


 そう言っていきなり、靴にキスしてきた。


 ちょっと待ってよ。そういう趣味だったの?ってか、足に執着する人多すぎじゃない?


 エルリックはあれかしら。ムネリと同類?いや、ムネリは触って来ないけれど、エルリックは触ってくる変態さんなのかしら?


 しかも、なんか上目使いで、懇願するような犬のような感じだ。なんかキャラ変わりすぎじゃない?まあ、髪は白くなったし、顔もおでこのやけど跡が目立つし、左側の顔が引きつっているから顔つきも怖い。けれどやっぱりどこかエルリックとわかる面影があるのだ。


「あなたの忠義はうれしく思うわ。でも、いまだに私には敵が多いし、あなたが生きていると知られると命を狙われるの。だから、その忠義は今は受け取れない。強くなって」


「はい!!ご命令承りました!」


 あれ?こんなキャラだったっけ?まあ、いいか。


「それで、今日は危険をおかしてまで神殿に来られたのはどういう理由でしょうか?」


 言えない。暇だったから顔出しに来たって。何か言わないと。そういう雰囲気がむちゃくちゃある。


「そうね。まだ、確実な事は言えないけれど、カージェス領で栽培されていた魔薬の元となるヒポポリ草は聖ブブロ王国に販売されていたの。すでにヒポポリ草は焼き払ったけれど、どういう相手が関わっていたのかまだわかっていないのです」


 まず、エルリックにも関わりがある『魔薬』についての情報を話しておく。そう言えば、この情報って秘匿されていたんだよね。広めないようにと王都から命令が来ていた。まあ、この二人なら信用できるからいいか。


「そうでしたか。エリザベート王女殿下が集落を焼き払われたという噂は王都にも流れてきておりますがそういう背景もありましたか」


 あれ?それはダークエルフ絡みだしね。でも、まあ、ヒポポリ草の周辺を焼き払ったのも私だわ。


「それは他にも理由がありまして。獣人の集落で疫病が蔓延し、そこにいた集落にいたすべての者が罹患し命を無くしました。更なる感染拡大を防ぐためにその集落を焼き払いました」


 まあ、嘘ではない。焼き払ったのは私ではないけれど、さすがにダークエルフのことについては話しは出来ない。


「そうでしたか。また、関係のない悪名を請け負っておられるのですね。この後はミルザ王国に向かわれると聞いております。ご予定は何か決まられていますか?」


 そう言われて多分決まっているけれど詳細知らないんだよね。そういうのってムネリに任せておけばいいし。


「もし、宜しければミルザ王国に向かわれる前にイレスティア王国最南端のベルティック領に立ち寄ってください。そこの領主は旧知の仲です」


「ありがとうございます」


 あれ?ベルティック領主って変人で有名だった気がする。確かかなりの不細工のため貴族の集まりに出なくなった引きこもり侯爵ってあだ名だった気がする。


 後は金で女性を買いあさっているとか。あまりいい噂を聞かない人なんだよね。だから、どこの派閥もベルディック侯爵に手を出さないのだ。


 でも、このオムスリ神殿長が紹介するのだ。ということは、この噂は真実でないという事なんだろうな。


「エリザベート王女殿下は味方を増やすべきです。おそらくベルティック侯爵ならよい相談相手になってくれるでしょう」


 オムスリ神殿長が言うのなら大丈夫なのだろうと思っていた。ちょっと想定と違った感じのキャラだったんだよね。


 このベルティック侯爵って。


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