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~お留守番しましょう~

~お留守番しましょう~


 赤く短い髪、突き刺すような鋭い目。表情から何も読み取れない。笑顔もなく無表情なのだ。父はいつだってそうだ。


 笑っていたとして目は笑っておらず、何を考えているのかわからない。父でありイレスティア国王の印象がそれだ。


 今もミカエルと共に二人でこの離宮を訪問してきているが表情から真意が読み取れない。


「お初にお目にかかります。ミルザ王国第一王子、イスファン・ドゥ・ミルザと申します。この度は急な訪問にもかかわらず、また私のわがままをお聞きいただき誠にありがとうございます」


 イスファが先手を打った。まだ、父はイスファのわがままを受け入れると承諾をしていない。おそらくこの場はその交渉のはずだ。それなのに、聞き入れてくれているんですよねというジャブを打ってきた。


「我がイレスティア国王。アルンフリート・フォン・イレスティアだ」


 教わったこと。それは位が上になればなるほど言葉少なにするということだ。言質を取られないように言葉少なにし、相手が勝手に解釈したと判断させることが大切だ。


 あれ?なんだか間がある。ああ、そうか私か。


「エリザベートでございます」


 言葉少なにするのが良いのよね。これで間違っていないわよね。私はこっそり従者としてついてきているさっちゃんとミューズを見つめる。あれ?二人とも無表情だ。ムネリは目を閉じている。私間違えたのかしら。


「ふむ、まあ良いか。それでミルザ王子よ。そなたが連れてきた相手というのは我が国においては元王女ということになっており、今身分を証明するものは存在せぬのだ」


 そう言われて思った。私は平民なのだから名乗ることも許されていないんだった。だからさっき名乗ったのは間違いだったんだ。というか、ならあの間は何よ。勘違いしちゃうじゃない。


「これはおかしなことを。聖ブブロ王国の学園で彼女は確かに『エリザベート・フォン・イレスティア』と名乗っておりましたよ。それに親書もそのように送付をしております。これはどういうことでしょうか?」


 外向けと内向けで話しを変えてしまった弊害が出ている。これは父のミスだろう。いや、私に配慮した結果だろうな。


「・・・そうだな。確かにそのようにしたのは事実だ。では、少しだけ語らせてくれ。どうしてそのようなことをしたのかを」


 あ、それ私も知りたかったんだよね。



 というか、理由は簡単だった。私の命を狙ったものが誰か特定できないというのだ。怪しいものは何名かいるがそれらの勢力を削ぐこともできないという。


 更に、ここ最近はイレスティア王国内だけでなく、オザーム東方連合国からも介入があるという。


 あ、それ思い当たるのでなんとも言えません。なんかお手数かけてすみません。


「守るために貴族位を除籍したことは理解できますが、良手とは思えませんね。それに敵が特定できてないのではなく、対処が出来ていないのではないのですか?」


 イスファがなんだか凛々しい。というか、かっこよく見えるのだ。あの父と対等に渡り合っているのだ。


「君は何かを掴んでいるのかな?」


「私の未来の婚約者ですよ。調べるに決まっているじゃないですか。少し調べて解ることが一国の王であるあなたが把握できていないわけはない」


 え?そうなの。ってか、私にはそういう情報来ていませんが。というか、ミューズもムネリも慌てていないということは知っていたのですの?


 私だけ知らないというの?どういうことなのです?


「・・・そうか。全て知った上でやってきたということか。じゃが、儂とて自らの子が争うのは見たくない」


 ということは、私の命の狙っているのは2人いる兄か弟、妹のうちの誰かなんですね。悪辣女王エピソードでは兄二人を倒しているということはこの二人が敵なのかしら。


「担ぎ上げられているだけでしょう。まだ幼い二人が判断しているとは思えせん」


 はい?予想と違った。弟と妹のどっちもですか。二人目の兄とかかなり怪しいと思っていましたのに。


「それも、あなたが王位継承権を明確にしないからだ。あの長兄では無理なのはわかっているでしょう」


 イスファがかなりイレスティア王国の王家に詳しくてびっくりした。ってか、どこから情報が流れているのだろうか。そう思っていたらさっちゃんがすごいドヤ顔をしていたからさっちゃんが伝えたんだろうって思った。


 さっちゃんが誰から情報を聞いたのかはムネリとかミューズ、リムバなんだろうなって思った。


「それはわかっておるが、まだあれも若い。成長することを期待しておるのじゃ」

「なら、ここにいるエリーはどうですか?僕が言うのもなんですけれど、彼女はかなり優秀ですよ。まあ、ちょっと残念なところもありますが」


 優秀って言ってくれた。ちゃんと認めてくれる人がいるっていいわね。まあ、なんか変なことも言われたような気もしたけれど、気のせいだよね。


「そうだな。確かに優秀ではあるが、残念なところもあるがな」


 なんだろう。残念な所って?


「それなら、今のエリーの状況を変えるよう努力すべきではないですか?」


「今すぐは無理だ。安全が確保できないからな。だから、少しの間ミルザ王国に行ってもらおうと思っていたのだ」


 なるほど。今回のミルザ王国行きはそういうことだったのか。けれど、私はまだ不安しかない。

 だって、悪辣女王エピソードではイスファを誘拐する事になっているからだ。

 多分、ミルザ王国でひと波乱あるんだろうな。



 え?イスファの歓迎パーティはどうしたかですって?


 もちろん、私はお留守番しましたよ。ちゃんとその辺理解できる子ですから。部屋でミューズと一緒に語らいました。


 さっちゃんは王宮図書館に行き、過去の資料とかをムネリと確認していたみたいですが。あれはデートなのかな?


 なんだかんだ仲良い二人だし。


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