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~友達同士仲良くしましょう~

~友達同士仲良くしましょう~


 さっちゃんを家に連れていく。私はムネリをどう説明しようか考えていたのだが、それ以上に考えることがあったのだ。


「授業終わったね。帰ろうか」


 そう、イスファが私に声をかけてきた。


「え?な?なぜ、ミルザ王国の王子が?」


 さっちゃんがびっくりしている。そうだ。イスファに友達ができたので紹介しなきゃ。


「イスファ。この子は友達のサリナ・レドルフ。ラース帝国のさっちゃんよ。さっちゃん。こちらはミルザ王国第一王子のイスファン・ドゥ・ミルザ。イスファよ」


 二人を紹介したのだけれど、なんだか微妙な空気が流れている。あ、そう言えば、ミルザ王国とラース帝国ってあんまり仲良くなかったような記憶がある。


「さっちゃん。イスファは色々あって今は一緒に住んでいるの」


 そう言うとさっちゃんが目をものすごく見開いてこう言って来た。


「え?婚約者ですか?」


 そう言われてびっくりした。イスファも恥ずかしいのか顔が真っ赤だ。


「さっちゃん。違うわよ。イスファは一緒に住んでいるだけ。ベッドも別々だし」

「僕は一緒でもいいのだけれど」


 何かイスファが小声で言った。私には聞こえなかったけれどさっちゃんには聞こえていたのかも。


 なんだかさっちゃんの表情がにやにやしている。


「それで、さっちゃんはこれから私の腹心になるのよ」


 私がそう言うとさっちゃんが私に向かって片膝をついて頭を下げた。


「腹心などと言っていただき誠に感謝いたします。粉骨砕身頑張る次第であります!」


 あれ?何かさっちゃんの中の何かよくわからないスイッチが入ったみたい。


 なんだか軍人みたいな行動で怖いな。ああ、そう言えばラース帝国ってこういうノリだと聞いたことがある。コワイなぁ。


 というわけで、3人で仲良く馬車に乗り家に向かった。ちなみに、この馬車はイスファがいつも用意してくれている。



 馬車に乗る前に伝書鳩を送った。時間がないから大変だと思ったけれど、馬車が家についたら、ムネリだけでなく、ミューズとリズも迎えに来てくれた。


 ラピスには聖ブブロ王国のジャミラ王女にお茶会の日程候補をもらうよう使いに出している。


 そろそろ日程を決めないとね。逃げ切れなさそうだし。


「おかえりなさいませ。お嬢様、ミルザ王子。それと、ようこそレドルフ様」


 ムネリが普通に挨拶をしてきた。こうやって普通にしていると見た目はかっこいいのだ。そして、遠い目をしているけれどあれは私とさっちゃんのふとももを見ているのがわかる。


 毎日だからこの視線に気が付くようになったのだ。


「ありがとうございます。けれど、私は本日よりエリザベート様にお仕えする身分になります。どうぞ、私の事はサリナとお呼びください」


 そう言ってサリナは貴族であるにも関わらず、従者たちに頭を下げたのだ。


「とりあえず、お茶にします。ムネリ。用意をお願いします」

「はっ!」


 うん、ムネリのテンションが高い。ということは、さっちゃんのふとももはムネリの好みだったのだね。解りやすい。これで私への執着が少し減ればいいのに。



 なんて思っていました。


 お茶会なのですが、なぜか私は「護衛ですから」とミューズに抱きかかえられている。


 そして、おなかをぷにぷにされている。


 さっちゃんはムネリと話し込んでいる。


 私がムネリに「過去の冷害についての傾向とその対処の文献をさっちゃんに見せてほしい」と伝えたからだ。


 この家にそこまでの資料はない。イレスティア王国の王都イースレティアにある国立図書館だと詳細な資料ならあるという。


 大まかな情報であればムネリが覚えているということなので、今ムネリがさっちゃんに説明をしているのだ。


 ムネリとミューズにはさっちゃんの特異性を伝えてある。もちろんその場にはイスファもいる。


「すごい子だね。このレドルフ嬢がいるだけで文官何人分の仕事に匹敵するかわからないよ。ラース帝国はおしい人材をなくしたね」


 イスファは落ち着いてお茶を飲みマドレーヌを食べている。うちのマドレーヌは最高においしい。リズさんの作るお菓子は絶品なのだ。私もついつい手が伸びてしまう。


「あ、エリーはそれ以上食べると、この後運動をいっぱいしないと行けなくなるよ」


 なんですと!イスファがそう伝えてきた。後一つだけでいい。後一つだけ食べてもいいよね?手を伸ばすとミューズが私のおなかを一つまみしてきた。ぷにっとされる。


「私は別にかまいませんよ。お嬢様どうぞ」


 ミューズが恍惚とした表情をしている。ああ、辞めておこう。我慢だ。


 そう思っていたらラピスが手紙を持って戻ってきた。


「今週末、聖ブブロ王国のジャミラ王女とお茶会が決まったわ。イスファ、さっちゃん同席できるかしら?」


 これは質問のようで、質問じゃない。だって、参加してくださいって言っているのと同じだからだ。


「もちろん、エスコートするよ」


 イスファが凛々しい。半ズボンのかわいい男の子なのにたまに凛々しく見えるんだよね。


「かしこまりました。聖ブブロ王国の地理、産業、名産などの資料があれば事前に読み込ませてください」


 さっちゃん。そこまで気負わなくていいからね。ってか、一度見たら全部覚えるんだよね。どんな会話を想定しているのよ。


 単なるお茶会だと思っていたんですけれど、違ったんですよね。事前準備って本当に大事なんだって私は知りましたわ。



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